世界の樹脂コンパウンド市場 市場動向2

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■需要が拡大している中国・東南アジア・インド市場の動向
各種電気製品の生産拠点は中国や東南アジアなどに集中しており、上記電気製品全体の9割近くが中国およびその他アジアで生産されている。アジア地域への生産拠点集積は生産コスト削減を目的に進んだものであり、部品についても現地調達によるコスト削減が求められることから、必然的に部品生産拠点もアジアに集中している。

プラスチック需要についても、中国や東南アジアに集中する傾向となっている。生産面でも、川下に近いコンパウンドについては中国や東南アジアでの生産拡大が活発であり、使用量が多く生産規模の大きい汎用樹脂や汎用エンプラについては、レジン生産(重合)も現地で集約的に行った方が効率的であるため、アジアでの新増設が相次いでいる。

スーパーエンプラについては、重合やコンパウンド、モールディング等について高い技術が必要となるため欧米や日本に生産拠点があり、部品として中国や東南アジアに輸出されるケースが多いが、最終需要地であるアジア地域のローカル企業も技術力を高めており同地域へのシフトが進みつつある。

■中国における樹脂コンパウンドの市場
(単位:万トン)
 2010年2009年比2015年予測2010年比
汎用樹脂921121.3%1,276138.5%
エンプラ78116.4%111142.3%
スーパーエンプラ4133.3%7175.0%
合計1,003120.8%1,393138.9%
2010年の中国市場は前年比20.8パーセント増の1,003万トンとなった。汎用樹脂は、用途が広く、物性に優れるABSとPVCが全体市場をほぼ二分している。エンプラは、家電製品・OA機器や電子部品用途を中心とするPCが46%を占めている。スーパーエンプラは、コネクタ関連の需要が集中しているLCPの構成比が高く、47%を占めている。今後も市場は拡大し、2015年には2010年比38.9パーセント増の1,393万トンが予測される。

コンパウンド能力ベースでは、中国が全体の半数近い比率となっている。本項で対象としていない中小メーカーが多数あるため、比率的には半数以上に達すると見られる。中国は世界最大の樹脂コンパウンド市場となっているが、自国のコンパウンド能力でも供給能力は不足しているため、今後とも更なる増強計画が続くと見られる

中国における地域別の内訳は、華中と華南地域が全体を2分している。特に華南地域(深圳・ 東莞、珠海、中山、広州等)には、欧米系・日系自動車メーカー、家電・OA機器メーカーが進出しているため、更なるコンパウンド需要が期待できる。トヨタ自動車、本田技研工業、キヤノンを始めとした日本有数のエンドユーザーも拠点を構えている。

華東地域(上海・蘇州・張家港)には、家電メーカーや自動車メーカーが上海に多数進出していることから、樹脂・コンパウンドメーカーが集積している。

中国では従来の汎用樹脂主体の市場性を脱し、自動車や家電・OA 機器向けで高機能なエンプラ需要の拡大が顕著となっている。このため現地コンパウンダーもエンプラ、スーパーエンプラへと樹脂の高機能化を進めている。

■東南アジア・インドにおける樹脂コンパウンドの市場
(単位:万トン)
 2010年2009年比2015年予測2010年比
汎用樹脂151123.8%230152.3%
エンプラ26113.0%35134.6%
スーパーエンプラ1100.03%2200.0%
合計179121.8%267149.2%
2010年の東南アジア・インド市場は前年比21.8パーセント増の179万トンとなった。汎用樹脂は、ABSとPVCに加えPPの構成比が高く、自動車用途の大きさが反映されている。エンプラとスーパーエンプラは日本と同様に自動車用途が多い。その為エンプラはPBTやPA6、PA66の構成比が高く、スーパーエンプラはPPSが56%と過半を占めている。特にPPSはハイブリッド自動車用部品用途で需要が急増している。市場はまだ小規模であるが、今後順調に拡大し2015年には2010年比49.2パーセント増の267万トンが予測される。

東南アジア地域の国別能力では、タイが最大で約半数を占め、次いでシンガポール、インドネシアが続いている。タイは、世界的な自動車生産地域であり、家電製品・電気部品類でも大手メーカー・部品メーカーの拠点が集中している。シンガポールには、Du Pont やSABIC、旭化成ケミカルズ、住友化学等の大手ケミカルメーカーの現地拠点がある。

ベトナムやインド、インドネシアは、現下の経済発展により、今後ともプラスチックの急速な需要拡大が期待されている。そのため、東南アジア地域は、コンパウンド製品の供給拠点として重要性が高まっている。

その他アジアは、主に東南アジアと韓国・台湾であり、合計すると中国に匹敵する規模となっている。今後はインド、ベトナム、インドネシア市場の成長が市場を牽引すると見られる。

参考文献:「2012 コンパウンド市場の展望と世界戦略」
(2011年09月13日:富士経済)



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