2012年注目される電子部品・材料の市場動向(前編)

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リーマンショック以降、国内電子部品業界は急速な新興国へのセット品の生産シフト、マーケットのグローバル化、低価格化等の大きな構造変化が進んでいる。特に、AV製品やパソコンはメーカー同士の競合激化が続き、パナソニック、ソニー、シャープ等の映像関連機器を主力とした国内エレクトロニクスメーカーは、2012年3月期で大幅な赤字決算となる模様である。これらのセット品に用いられる電子部品業界も、押し並べて苦戦を強いられている状況である。

そのような状況の中で、ソフト/コンテンツの拡大により急激な普及をみせているスマートフォン/タブレット端末用のフラットディスプレイ・デバイス、そして、太陽電池や蓄電池、エコ照明、スマートグリッド等に対応したグリーンデバイスと称される製品など、今後注目される電子部品も存在する。今回は、2012年以降、市場の拡大が見込める電子デバイス4品目にスポットを当て、前編、後編の二回に分けて取り上げてみた。

■1.AM-OLED(アクティブマトリクス式有機EL)
市場規模推移
 2011年見込2016年予測伸長率
世界2,310億円1兆2,650億円547.6%
国内70億円700億円1,000.0%
※国内(市場)は世界(市場)の内数。伸長率は2011年比
2010年の世界市場は、前年比2倍の4,380万枚、同2.3倍の1,076億円であった。主たるアプリケーションであるスマートフォン市場の拡大に伴って、この市場は大きく拡大した。特に、Samsung El.やNokiaが端末の製品差別化を図るためにAM-OLED採用の動きを強めたことが要因として挙げられる。現状、金額ベースの伸びが数量ベースの伸びを上回っているが、これはスマートフォンのディスプレイサイズの大型化に伴い単価が上昇したことにある。2011年も市場拡大は続いており、世界市場は7,520万枚、2,310億円が見込まれる。新たなアプリケーションとしてタブレット端末にも採用され始め、2011年末発売のソニーの携帯ゲーム機にも採用された。2012年にはOLED-TVの本格販売が予定されている。

市場は今後も携帯電話(スマートフォン)向けを中心に拡大していくが、DSC、携帯ゲーム機、タブレット、TV向けも増加していくと予想される。競合のLCD(液晶)と比較すると価格が高いが、コントラストや応答速度、タッチパネル機能を一体化することによる薄型化、軽量化などの点で優れており、各アプリケーションのハイエンド機種から浸透していくと考えられる。

■2.リチウムイオン電池正極材料
市場規模推移
 2011年見込2016年予測伸長率
世界2,142億円4,848億円226.3%
国内666億円1,236億円185.6%
※国内(市場)は世界(市場)の内数。伸長率は2011年比
2011年はスマートフォン、タブレット用リチウムイオン電池用途が好調で、HV、EV用リチウムイオン電池用途の立ち上がりにより、正極材料の世界市場は前年比19.3%増の4万7,600トン、同16.7%増の2,142億円が見込まれる。ここ数年、コバルト酸リチウムから、他の材料への転換が進んでいるが、HV、EV用リチウムイオン電池市場が伸びたことで、リン酸鉄リチウム、三元系などの材料の需要も伸びている。

スマートフォンが引き続き好調でタブレット、ノートPCも伸びが期待出来、当面民生用リチウムイオン電池向けの正極材料市場はは年率5~10%増で推移すると予想される。正極材料としてはマンガン系から三元系の採用が一般的な流れとなり、今後もコバルト酸リチウムが中心と見られる。

また、HV、EV用リチウムイオン電池向けの正極材料の市場も急拡大が続くと見られ、EVはマンガン酸リチウム、リン酸鉄リチウム、HVは三元系(ニッケル/コバルト/アルミやニッケル/コバルト/マンガンなど)の正極材料が使用される。2015年には数量ベースで民生用と同等規模になると予想される。

参考文献:「2012 有望電子部品材料調査総覧」
(2011年10月17日:富士キメラ総研)



注目業界の市場動向・将来展望


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