自動車向けプラスチックの市場 市場動向1

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自動車向けに使用されるプラスチック市場、特に市場拡大が期待される電気自動車(EV)やハイブリッド自動車(HV)に使用されるプラスチック市場に注目が集まっている。今回から、完成車向け及び自動車部品向けプラスチック市場について、自動車向け市場を俯瞰しつつEV/HV向けの樹脂・部品別の使用状況についてレポートする。

■調査結果の概要
日本・北米・欧州を中心に自動車への燃費規制が厳しくなっており、メーカーの環境対応は喫緊の課題となっている。燃費向上のための対応策として、車体の軽量化、ガソリン車の技術向上、EV/HVの普及が挙げられ、これにより自動車向けプラスチックの使用量増加も期待される。その具体的な要因となるキーワードを以下にまとめてみた。

車体軽量化内外装部品を中心に金属部品からプラスチックへの代替
ガソリン車の技術向上ターボチャージャーなどに使用される合成ゴム部品の樹脂代替
EV/HVの普及モーター、バッテリー、インバーターなどの特化部品への樹脂の採用
電装部品による需要増加
ガソリン車以上の車体軽量化への要求

自動車向けプラスチックの市場規模(ワールドワイド)
 2011年見込前年比2016年予測2011年比
自動車向け858.1万t103.0%1,049.6万t122.3%
EV/HV向け858.1万t103.0%1,049.6万t122.3%
(富士経済調べ)
2016年の自動車向けプラスチック市場は、新興国での自動車の生産拡大と、車体軽量化のための金属部品をプラスチックに代替することが増え、2011年比22.3%増の1,049.6万トンに拡大すると予測される。

また、EV/HV向けプラスチック市場は、EV/HV投入による販売台数拡大だけでなく、固有の部品(モーター、バッテリー、インバーターなど)での用途開発や、電装部品向け耐熱プラスチック(PPSなど)の需要増加により、2011年比5.8倍の87.8万トンに拡大すると予測される。全体市場に占めるEV/HV向けの割合は、2011年の1.8%から2016年に8.4%まで拡大する。

■注目市場
CFRP(炭素繊維強化プラスチック)の市場規模(ワールドワイド)>
 2011年見込2010年比2016年予測2011年比
自動車向け2,000t243.9%11,250t562.5%
EV/HV向け僅少200t
(富士経済調べ)
CFRPは、炭素繊維とプラスチックを混合した複合材料である。鉄やアルミなどの金属素材よりも低密度ながら強度が高く、軽いという特徴がある。そのため、金属素材の代替により軽量化と燃費向上が可能となる。

現状でのCFRPの採用は高級車や特別車(スーパーカーやレーシングカーなど)に限定されているが、BMW、Audi、VWなど欧州の自動車メーカーで採用されている。また、航空機などで炭素繊維の需要が増加しており、低価格化が進みつつあることから、最近は韓国系自動車メーカーが採用に前向きである。EV/HV向けにはサンプル出荷にとどまっている。EV/HVは軽量化が必須条件となっているが、普及拡大を進めるために車両の低価格化が優先されており、高価なCFRPの採用は難しいと見られ、EV/HVでは高級車や特別車での採用が期待される。

用途としては、車体フレームや外板向けで採用されている。スチール代替需要の開拓が図られており、軽量化の効果を出す上でも、大型部品での代替がターゲットとなっている。しかし、低価格化が進んでいるとはいえ、他の材料と比較するとまだ高価である。また、プラスチック系部品は鋼板と比較し金型コストが高価になるため、プラスチック化を進めるためには、大量生産が可能であることが採用の前提となる。そこで、近年CFRPの成形時間を大幅に短縮する技術が開発されており、今後量産化に伴う価格の低下によって新規需要の拡大が期待される。

参考文献:「2012 EV・HEV用プラスチック市場の現状と将来展望」
(2012年01月11日:富士経済)



注目業界の市場動向・将来展望


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