自動車向けプラスチックの市場 市場動向3

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自動車全体の生産台数の伸び率が、世界で年率3~5%程度に留まるのに対し、EV/HEVの伸び率は、2012年で200%前後に達すると予測される程、指数関数的に急成長している。今後EV/HEV は次世代スマートグリッド・スマートハウスと緊密に連携しインフラ用としての活用も広がるため、関連機器・部材には更なる高機能化と部品点数の拡大が期待できる。自動車向けプラスチック市場動向の第3~4回目は、更に品種別の需要動向を考察した。

自動車向けプラスチックの市場規模推移(ワールドワイド 重量ベース 単位:t)
PP内外装、バッテリーケースへの新規用途の創出
PVC高圧ワイヤーハーネス、ハーネス用被覆材の増加
PBT電装化に伴うコネクター、センサー、ECUケース類の増加
m-PPEモーター、バッテリーケースへの新規用途先需要の発生
PPSインバーター、耐熱部品用途の拡大によりHEV・EVともに拡大
芳香族PAHEV用でハーネスコネクタ関連の増加
エポキシ樹脂電装化によるプリント基板用積層板・封止材の使用量増大
バイオプラ環境対応で既にHEV「プリウス」向けに採用実績

自動車向けプラスチックの市場規模推移(ワールドワイド 重量ベース 単位:t)
 ガソリン車(ICE)用HEV用EV用
2011年(見込)2015年
(予測)
2011年
(見込)
2015年
(予測)
2011年
(見込)
2015年
(予測)
汎用樹脂※14,551,5154,974,90578,450334,3703,08521,775
エンプラ※21,753,0982,092,98832,410147,8759426,887
スーパーエンプラ※3124,853145,6902,78014,29067470
エラストマー※4357,920395,3406,31024,5002701,760
熱硬化性樹脂※51,640,2261,786,34024,500106,0009746,560
その他※62,0009,5501,6005,73050
合計8,429,6129,404,813146,050632,7655,33837,502
※1:PP・ABS・PVC・PMMA
※2:PC・POM・PBT・m-PPE・GF-PET・PA6・PA66
※3:PA11・PA12・芳香族PA・PPS・SPS・LCP・フッ素樹脂
※4:TPU・TPO・TPS・TPC・TPVC
※5:エポキシ樹脂・ポリウレタン・シリコーン・フェノール樹脂・不飽和ポリエステル樹脂(SMC・BMC)
※6:バイオプラスチツク・CFRP

自動車全般の品種別需要動向
汎用樹脂・PPは内外装やエンジンルームなど幅広く使用されており、金属や他樹脂代替もあるため増加傾向。

・ABSは内装品に使用、PVCはワイヤーハーネス被覆の過半数に使用されて安定した需要見通し。

・PMMAは主用途のリアランプハウジングで薄肉化が進展するも、需要量は横ばいで推移の見込み。
エンプラ・PA6、PA66はエンジンルーム内部品に使用されアルミからの代替が進行、PBTでは電装品用途の拡大により増加傾向。また、PCも大型部品であるグレージングの普及によって大幅な需要増加も期待。

・GF-PET、m-PPEは使用量に大きな変化はなく、安定した需要が見込まれる。
スーパーエンプラ・芳香族PA、PPS、SPS、LCPは耐熱性や電気特性によりコネクター等の電装品への需要が増加。

・PA11・PA12は燃料チューブ等の燃料系に使用されている。燃料蒸散防止規制の強化による燃料チューブの樹脂化、複層化によって使用量が増加。

・フッ素樹脂には使用量の大幅な変化は見られないが、今後とも堅調な需要が見込まれる。
エラストマー・TPVCは日本が世界需要の約70%を占めており、日本国内の自動車生産台数に大きな影響を受ける。

・TPCは等速ジョイントブーツ等の機構部品に使用されており、自動車生産台数に左右される。

・TPSは内外装で使用され欧米市場での需要が多いが、TPOとの競合により需要の大幅な拡大は見込まれない。なお、TPOは日本市場での使用が多く、軽量化によるゴムやPVCからの代替需要が主。

・TPUは内装材や機構部品に使用され、欧州高級車で採用されることが多く増加傾向にある。ただし、低価格車ではオレフィン化が進んでおり、マイナス要因となっている。
熱硬化性樹脂・不飽和ポリエステルは外装、光学部品に使用されている。採用に地域差が見られ、欧米ではSMCが日本・中国・アジアではBMCが多い。今後は中国・アジア市場の成長で需要拡大が見込まれる。

・フェノール樹脂は摩擦材、ポリウレタンはシート、クッション向け、エポキシ樹脂は外装の電着塗装用に堅調な需要がある。尚、エポキシ樹脂では電装化による需要拡大が期待できる。

・シリコーンは接着剤用途としての需要が底堅い。また、LED、パワーデバイス用封止材向けの需要が拡大しており、電装化により放熱グレードなどでも需要拡大が見込まれる。
その他・バイオプラスチックの採用は内装部品用にPLA、PTTにほぼ限られている。

・CFRPは現在一部高級車のみの需要であるが、外装部品向けであるため、採用が始まれば大幅な需要拡大も期待される。
以上、自動車市場電鯛におけるプラスチックの需要動向を考察したが、次回はHEV/EV用プラスチックの需要動向について考察する。

参考文献:「2012 EV・HEV用プラスチック市場の現状と将来展望」
(2012年01月11日:富士経済)



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