自動車向けプラスチックの市場 市場動向4

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前回に引き続き自動車用プラスチックの品種別需要動向を考察する。今回はセ長が期待されるHEV/EV向けのプラスチックを取り上げた。

自動車の動力源が液体燃料から電気エネルギーへと移り変わることで、電装品向けの樹脂部品ニーズが劇的に増加する。既にモーターやコンバーター、電池・バッテリー向けのコネクタやケース、ハーネス類が増加することで、PBTやPPS、SPS等には新規需要が発生している。今後、ステアリングの電動化やワイヤーハーネスのニーズが高まることで、被覆用樹脂が増加することも期待される。また世界的な燃費・排ガス規制の厳格化に伴い、樹脂化による車体軽量化の動きにも追い風が吹いて来ている。

前回に引き続き自動車用プラスチックの品種別需要動向を考察する。今回はセ長が期待されるHEV/EV向けのプラスチックを取り上げた。前回に引き続き自動車用プラスチックの品種別需要動向を考察する。今回はセ長が期待されるHEV/EV向けのプラスチックを取り上げた。

一方、EV化に伴うマイナス要素も出て来ている。例えばエンジンルームや燃料系部品がなくなることで、インテークマニホールド用のPAを始め、POM やフッ素樹脂等が主な用途先を失う懸念が現実となっている。今やEV/HEV化に伴うプラスチック需要の変化は無視できず、樹脂関連メーカーには早い段階から変化の胎動を把握する必要性が増している。

HEV用プラスチックの品種別需要動向
汎用樹脂EV/HEV固有の部品への新規採用として、PPではバッテリーケース、PVCでは高圧ワイヤーハーネス用途がある。PP、PVCの使用量はガソリン車(ICE)よりも多くなる。
エンプラHEV化によりPA6、PA66、m-PPE はバッテリーケースへの採用が図られ、ICE(ガソリン車)と比較して1 台当たり使用量の増加が見込まれる。また、PA6、PA66はモーター周辺部品、m-PPEは充電用ケーブル用途が期待できる。

PBT、POMはHEV化により主用途である電装品用途が増加している。また、PBTは新規用途としてバッテリーホルダーへの採用が期待される。
スーパーエンプラ芳香族PA、PPS、SPS、LCPは、主用途である電装品の需要増加が追い風となっている。また、HEVでは高電圧下での使用が多いため電気特性に優れたSPSを採用する動きも強まっている。

PA11・PA12 はHEV化による新規採用部位はなく、1台当たり使用量もICEと変わらない状況にある。

フッ素樹脂はHEV化により、主用途の電装品の他にLiB用バインダーでも需要増加が見込まれる。
エラストマーエラストマーにおいては、HEV化による採用部位の変動はあまりないと見込まれる。
熱硬化性樹脂エポキシ樹脂は、HEV化による新規部品であるコンデンサやインバーターの封止材に使用される。また、HEVでは主用途である電装品が増加している。

エポキシ樹脂以外の熱硬化樹脂はHEV化による使用部品に変化はなく、安定した市場の見通し。
その他バイオプラスチック、CFRPはコスト面から自動車への採用が遅れている。しかし、EV/HEVでは環境面や車体軽量化への要求が強いため、これら素材をより早く導入する傾向にあると見られる。

EV用プラスチックの品種別需要動向
汎用樹脂EV化によりPPではエンジンルーム内での使用部位がゼロとなり、使用量が減少する。しかし、新規用途としてバッテリーケースへの需要が期待される。

ABS、PVC、PMMAの使用量はHEVと同等であり、生産台数拡大に連動して増加傾向となる。
エンプラGF-PET、PA6、PA66は、EV化でエンジンルーム内部品の採用がゼロとなるため、単位使用量は大幅に減少する。その他エンプラの1台当たり使用量はHEVと変わらず、生産台数の増加に伴い拡大する見込みである。

・GF-PET、m-PPEは使用量に大きな変化はなく、安定した需要が見込まれる。
スーパーエンプラ汎用樹脂・エンプラ同様、燃料系部品への採用がゼロとなるため、芳香族PAとPPS、PA11・PA12、フッ素樹脂の単位使用量は減少している。特に、PA11・12は1台当たり使用量の殆どが燃料系部品向けであるため、需要がほぼゼロになる。

フッ素樹脂はICEのトランスミッションに使用されているが、EVではミッションが不要となるため、需要が減少する。LCPはEV化による変動は見られない。

・フッ素樹脂には使用量の大幅な変化は見られないが、今後とも堅調な需要が見込まれる。
エラストマーEV化に伴う使用部位に変化はなく、生産台数と連動して市場も拡大する見通しである。
熱硬化性樹脂フェノール樹脂は、エンジンルーム内部品とトランスミッション用途が消滅する。そのため、単位使用量は大幅に減少するが、EV生産台数の増加に連動して需要の拡大が期待できる。

・フェノール樹脂は摩擦材、ポリウレタンはシート、クッション向け、エポキシ樹脂は外装の電着塗装用に堅調な需要がある。尚、エポキシ樹脂では電装化による需要拡大が期待できる。

・シリコーンは接着剤用途としての需要が底堅い。また、LED、パワーデバイス用封止材向けの需要が拡大しており、電装化により放熱グレードなどでも需要拡大が見込まれる。
その他バイオプラスチック、CFRPはコスト面から自動車への採用が遅れている。しかし、EV/HEVでは環境面や車体軽量化への要求が強いため、これら素材を早晩導入する方向にあり、将来性が期待できる。

・CFRPは現在一部高級車のみの需要であるが、外装部品向けであるため、採用が始まれば大幅な需要拡大も期待される。
参考文献:「2012 EV・HEV用プラスチック市場の現状と将来展望」
(2012年01月11日:富士経済)



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