2011年世界のタッチパネル市場 市場動向1

マーケット情報TOP
スマートフォンやタブレット端末の爆発的な普及、そして、端末の薄型化や軽量化、低コスト化で開発が進むタッチパネル市場について、パネル(モジュール)及びその構成部材の世界市場について、今回は解説する。

ここでは静電容量式タッチパネルを「アウトセル型」「カバーガラス一体型」「インセル型」「オンセル型」に、抵抗膜式タッチパネルを「シングルタッチ方式」「マルチタッチ方式」に細分化して市場を見てゆく。

1.タッチパネルの世界市場

 2011年2016年予測2011年比
静電容量式2,682億円7,026億円262.0%
抵抗膜式1,002億円727億円72.6%
合 計3,683億円7,753億円210.5%
(富士経済調べ)

2011年のタッチパネル市場は前年比59.6%増の3,683億円となった。スマートフォンに加え、タブレット端末が普及したことを受けて静電容量式タッチパネルが急伸し、抵抗膜式タッチパネルは低価格化により用途が拡大したものの、主要用途である携帯電話・スマートフォン向けで静電容量式タッチパネルへの置き換えが進んだことにより僅かに縮小した。

タッチパネル市場を細分化してみると、パネルの操作特性や端末の薄型化/軽量化、低コスト化などから型別、方式別で需要に変動の違いが見られる。2011年はスマートフォンやタブレット端末への採用が進み、アウトセル型(静電容量式タッチパネル)の需要が急速に拡大し、シングルタッチ方式(抵抗膜式タッチパネル)に代わり、タッチパネル用途の主流となった。

また、インセル型(静電容量式タッチパネル)、マルチタッチ方式(抵抗膜式タッチパネル)の市場も立ち上がっており、アウトセル型は今後数年主流の座を維持するが、やがてカバーガラス一体型(静電容量式タッチパネル)に、その座を明け渡すと予想される。インセル型は2013年以降ハイエンド端末向けに普及が本格化すると見られる。マルチタッチ方式は静電容量式タッチパネルと代替競合していく可能性は低いが、車載向けや複写機向けの需要を取り込み、拡大していくと見られる。

尚、シングルタッチ方式は縮小が続くが、中大型パネル用途が残るため、携帯電話・スマートフォン用途での置き換えが進むに連れ、市場は横ばい、ないし微減すると見られる。また、アウトセル型はカバーガラス一体型をはじめ、次世代構造のタッチパネルに代替されていくが、ミドル/ローエンド端末向けとして一定の市場規模は維持すると見られる。

2.タッチパネル部材の世界市場

2011年2016年予測2011年比
2,944億円5,356億円181.9%
(富士経済調べ)

上記数値に含むタッチパネル部材は、ITOガラス(静電容量式用・抵抗膜式用)、ITOフィルム(静電容量式用・抵抗膜式用)、銀ナノワイヤー透明導電性フィルム、銀メッシュ透明導電性フィルム、ハードコートフィルム、飛散防止フィルム、OCA、UV硬化型接着剤、カバーガラス、カバーシート、ITOターゲット材、回路配線材(ターゲット材)、回路配線材(ペースト)、回路配線用絶縁保護インキ、異方導電性フィルム、異方導電性ペースト、表面防汚コーティング剤、ハードコーティング剤、光学調整コーティング剤、透明導電膜用絶縁保護剤、加飾インキ、レジスト、保護フィルム、ガラス基板積層加工用接着剤、コントローラICである。

2011年のタッチパネル部材市場は静電容量式タッチパネル用の部材の需要が増加し、前年比82.0%増の2,944億円となった。部材別ではコントローラICが43%と構成比が高く、次いでITOガラス(静電容量式用)、OCA、ITOフィルム(抵抗膜式用)、カバーガラスとなっている。

今後は、次世代構造のタッチパネルへ移行することで構成部材が削減されるため、市場の伸びは鈍化していくと見られるが、静電容量式タッチパネル部材を中心に拡大し、2016年には2011年比81.9%増の5,356億円が予測される。

3.注目市場
(1)カバーガラス一体型(静電容量式タッチパネル)
市場規模2011年2016年予測2011年比
153億円3,291億円215.1%
ここではタッチパネルのカバーガラス裏面にXY電極(ITO層)を積層し、タッチセンサー機能を付与したカバーガラス一体型の静電容量式タッチパネルを対象としている。カバーガラスにタッチセンサー機能が付与されているため、「薄型化」「軽量化」「全光線透過率の向上」「光学性能の向上」「低コスト化」といった利点を有する。

2011年の市場は、前年比6.8倍の1,823万枚、同6.1倍の153億円となった。2010年から携帯電話やスマートフォン、2011年からタブレット端末に採用されており、それらの普及によって大幅に市場が拡大した。

「軽薄化」「全光線透過率の向上」「光学特性の向上」を主目的にSamsung El.やHTCなどのセットメーカーが採用を進める方針であることから、今後も市場は高い成長率が期待される。2016年には静電容量式タッチパネル市場の45%以上をカバーガラス一体型が占めると予想され、タッチパネルの主流になると見られる。

(2)インセル型(静電容量式タッチパネル)
市場規模2011年2016年予測2011年比
3億円1,481億円493.7%
ここではLCDセル内にXY電極(ITO層)を積層し、タッチセンサー機能を付与したインセル型の静電容量式タッチパネルを対象としている。インセル型はLCDにタッチセンサー機能が付与されているため、「薄型化」「軽量化」「全光線透過率の向上」「光学性能の向上」「ラミネート不良率の低減」といった利点を有する。

2011年の後半にスマートフォン向けで出荷が開始され、市場は、10万枚、3億円となった。インセル型は完全カスタマイズ品となるため、採用が一部のハイエンド機種に限定されるが、既にいくつかの機種が採用すると見られることから、市場は順調に拡大すると予想される。

参考文献:「2012 タッチパネルと構成部材市場の将来展望」
(2012年02月07日:富士経済)



注目業界の市場動向・将来展望


戻る
エンプラ関連情報サイト エンプラネット トップページ