エレクトロニクス分野における高分子材料の世界市場 市場動向3

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今回は、エレクトロニクス分野における各種樹脂/添加剤等の素材の観点から採用動向を俯瞰した。下記の表は、それぞれの用途分野における樹脂/添加剤の使用量をマトリクスにしたものである。

■材料別採用状況(2011年実績)

材料分野(単位:数量/t)合計ウエイト(%)主要用途例
半導体実装・基板FPDタッチパネルLEDエネルギー・電池



PE 17,05038,000  6,60061,6503.7プリテクトフィルム、ドライレジストフィルム
PP  8,000  27,41635,4162.1フィルムコンデンサ、プロテクトフィルム
EVA     142,030142,0308.6太陽電池用封止フィルム
PVB     11,50011,5000.7
アクリル※45839,363338,580870230 379,50122.9導光板/拡散板、ドライフィルムレジスト
TAC  79,500   79,5004.8偏光フィルム、反射防止フィルム




PA    11,00034011,3400.7リフレクタ(樹脂)、LiBラミネート包装
PC  57,0004803,100 60,5803.7導光板/拡散板、グローブ
PET23921,860105,5504,990 11,999144,6388.7拡散シート、反射シート
エポキシ※※31,69111,570  12,590 55,8513.4半導体封止材、LED封止材
他樹脂3,1653,31063,750681,09510,41081,7984.9導光板/拡散板、偏光フィルム
添加剤他35119,9221,300595,00040,76067,3924.1LiB電解液、添加剤
無機材料399,5336,3701013,712545105,487525,65731.7CMPスラリー、半導体封止材
合計435,437119,445691,69020,17933,560356,5421,656,853100.0 
ウエイト(%)26.37.241.71.22.021.5100.0 
(富士キメラ総研調べ)
※PMMA+アクリル系接着剤+光拡散ビーズ
※※エポキシ樹脂+エポキシ系接着剤

ここでは、対象品目のうち、使用材料ウエイトを推定した約50品目について使用されているプラスチック/溶剤や各種添加剤などの有機材料、無機材料の総使用量を捉えている。その他の樹脂の中では、PVAやフッ素樹脂、PI、シリコーン、PPS、ポリウレタン、PVCなどが比較的多く使われている。

添加剤他の中には、各種溶媒や溶剤などが含まれる。また、無機材料には、放熱フィラーや導電性ペーストとして用いられる金属や、LiB負極材料として使用されるカーボンなどが含まれる。内訳を見ると、実装分野では液状ソルダーレジスト向けの溶剤、エネルギー電池関連分野ではLiB電解液・添加剤向けの溶媒のウエイトが高くなっている。

半導体分野は封止材やCMPスラリー向けのシリカを、タッチパネル分野はカバーガラス向けのガラスを含むため、無機材料のウエイトが高くなっている。

■次世代エレクトロニクスの動向
現在多くのエレクトロニクス製造分野でフォトリソグラフィによるパターニング技術が利用されている。半導体や実装技術などが発達するにつれ、ミクロンオーダー下で、かつファインなプロセスが必要となり、フォトリソグラフィを使った微細配線パターンへの要求に答えるためである。

しかしながら、現行エレクトロニクス製造プロセス中でも印刷技術の応用は既になされている。フォトリソグラフィ技術を使う場合でもレジストパターンの形成にスクリーン印刷などを使うケースがあり、また塗膜形成手法の一つとして、ベタ塗りを行う場合にも印刷技術が応用されている。前者のケースでは、プリント基板の回路形成としてソルダーレジストの回路パターニングにスクリーン印刷を応用する例がある。後者のケースでは、PDPの誘電体層の形成などに印刷技術が使われている。

ファイン化の要求が更に高まる中で、最近注目されてきたのが「プリンタブルエレクトロニクス」である。プリンタブルエレクトロニクスとはその名が示すように印刷技術を電気電子部材の製造プロセス中に使用し、材料の効率化や工程の簡略化、印刷が本来の利点として備える大量生産性を付与することで低コスト化に大きく貢献する技術である。

材料としてインクを使うため、その主体は有機系材料となるが、従来高温プロセスで製造していた工程を、低温プロセスの有機材料に置き換えることで、基板材料をガラスからフィルム・シートなどへ置き換え、ロールtoロール製造への切り替えによるコストダウンへの可能性も期待できる。またフレキシブルアプリケーションとして新規概念の用途展開への取り組みもなされている。

直接的にパターンを形成する手法として、印刷技術を応用しているエレクトロニクス分野のアプリケーションや技術動向について、今回引用した調査レポート「2012年版 エレクトロニクス高分子材料の現状と将来展望」で詳しくまとめているので、是非、参考にされたい。

参考文献:「2012年版 エレクトロニクス高分子材料の現状と将来展望」
(2012年03月13日:富士キメラ総研)



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