エレクトロニクス分野における高分子材料の世界市場 市場動向5

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前回に引き続き、高成長が期待される用途分野について具体的な数値をベースに市場動向を俯瞰した。

■3)フラットパネルディスプレイ(FPD)分野
(1)LCD
フラットパネルディスプレイ(FPD)は今後もLCDパネルの普及に伴い拡大基調が予測されるものの、単価下落の影響やパネル市場自体の成長率鈍化の影響が予測される。当該分野は単価下落により、金額ベースは数量ベースを下回るトレンドとなっている。

■LCD分野における注目成長部材の市場規模

部材名市場規模(2011年実績)
金額(億円)
平均成長率予測
2011~2015年
反射シート5907.9%
拡散シート6906.9%
反射防止フィルム1,2656.2%
プリズムシート/輝度向上フィルム2,1804.7%
※平均成長率は金額ベース(世界市場)(富士キメラ総研調べ)

主にフィルム・シートが注目素材として挙げられる。尚、偏光板はTACフィルムや位相差フィルムなどから構成されており、LCD向けフィルムとしての市場規模としてはきわめて大きいが、成長率としては鈍化しつつある。

LCDの構造自体に大きな変化はないものの、位相差フィルムやバックライトユニット関連のフィルムでは、頻繁にフィルムの構成が見直されている。また、バックライト光源にLEDが採用されるケースが高まっており、それに付随して導光板の販売量は増加している。一方、拡散板は直下型の採用が少なくなっているため、縮小傾向となっている。

これまでLCDフィルム分野は日系メーカーの得意分野であったが、ここ数年は海外メーカー(韓国、台湾、中国)のシェアが高まっている。今後も海外メーカーのシェアが拡大するトレンドにある。

(2)次世代ディスプレイ
次世代ディスプレイとして、「有機EL」及び「電子ペーパー」が今後注目される。共に実用化が進んで来たが、LCDに比べると市場規模も小さく、市場導入期の段階である。

課題としては価格競争力の弱さが挙げられる。ディスプレイパネル用途ではLCDとの競合がある。LCDは低価格化が進んでおり、短期的にLCDと同等レベルの価格帯の実現は難しい(特に大型パネルでは)。照明用途でも競合となるLED電球やLEDシーリングライト等との価格に対抗するまでの競争力はなく、ニッチな用途分野開拓が求められている。

部材に関しては、有機EL及び電子ペーパーは、今後、フレキシブル化に進むことが想定され、更なる高分子フィルムのニーズが高まると推測される。特に、ガラス基板代替を想定したフィルムの開発が活発化しており、また、LCDに比べ、構造的にフィルム・シート類の使用部位は減少するが、高付加価値を得られる製品として期待されている。

有機ELパネルは、メーカーや製造方法によって方式が様々あるが、ディスプレイ用途では、スマートフォン用など小型ディスプレイには真空プロセス方式が取り入れられている。今後は、大型TVなどの用途で採用が見込まれるが、大型TVなどの場合、カラーフィルターなどを使用するケースも考えられる。

将来的には、樹脂基板によるフレキシブル化、発光層の3色塗分け(RGB)、印刷技術によるRolltoRollプロセスなどが主流となりそうだ。また、照明用途の場合は、RGBの塗りわけやTFT等は不要なのでよりシンプルな構造となる。

電子ペーパーについては、電子書籍として、Amazon 社の「Kindle 」で採用されている。表示方式のタイプには、トップメーカーであるE-ink社が展開する「マイクロカプセル電気泳動」タイプと、「コレステリック液晶」タイプがある。

参考文献:「2012年版 エレクトロニクス高分子材料の現状と将来展望」
(2012年03月13日:富士キメラ総研)



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