プラスチックフィルム・シート市場 市場動向2

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■注目製品のの市場動向
PVDFフィルムの世界市場
2011年前年比2015年予測2011年比
137億円96.5%257億円187.6%
富士キメラ総研調べ
PVDF(ポリフッ化ビニリデン)は、フッ素樹脂特有の耐侯性、耐薬品性、耐熱性等に優れ、また、フィルムの多層化により従来のフッ素樹脂系フィルムでは困難であった基材との接着性が向上している。従来は内外装材などの建材用途での採用が中心であったが、現在は太陽電池のバックシート材料としての出荷がメインとなっている。バックシート材料には同じフッ素樹脂であるPVFフィルムが採用されているが、近年急激な太陽電池市場の拡大により供給がタイトになったため、代替品として採用されるケースが増加し、需給が逼迫するほど需要が拡大した。尚、バックシート材料としてはPET(ポリエチレンテレフタレート)やETFE(エチレン・四フッ化エチレン共重合体)フィルムなども採用されている。

2011年の世界市場は、2,950t、137億円となった。現在、出荷量の8割以上がバックシート材料向けである。2011年の世界市場は太陽電池が在庫過多となり、また、PVFフィルムの生産能力が増強され供給が緩和したこともあり縮小した。しかし、2012年以降は在庫調整がひと段落し、中国などの欧州以外の需要が新たな市場の牽引役となり、再び拡大するとみられる。日本国内でも、2012年7月から再生エネルギーの全量買い取り制度が開始されたことから、需要増が期待される。

ETFEフィルムの世界市場
2011年前年比2015年予測2011年比
100億円102.0%168億円168.0%
富士キメラ総研調べ
ETFEは、旭硝子が開発したテトラフルオロエチレンとエチレンの共重合体である熱可塑性フッ素樹脂である。ETFEフィルムの特性は、耐熱性、不燃性、耐寒性、耐薬品性、非粘着性、電気的特性、長期耐侯性に優れる。エネルギー・環境分野では太陽電池のバックシート材料、エレクトロニクス分野では半導体のトランスファーモールド用離型フィルム、農業・建材分野では屋根材・内外装材や園芸用ハウス被覆材などに採用されている。

2011年の世界市場は2,000t、100億円となった。バックシート材料としての需要は、近年PVFやPVDFフィルムの供給がタイトになったことで拡大した。2011年は、太陽電池が在庫過多となったため需要の伸びが鈍化しているが、2012年以降は再び拡大基調になるとみられる。離型フィルム向けは、欧州の景気悪化やタイの洪水の影響が重なった2011年秋から冬にかけて急速に需要が冷え込んだが、2012年以降は再び拡大基調になるとみられる。

バックシート材料や離型フィルム向けと比較するとボリュームは少ないが、園芸用ハウス被覆材向けが光透過性に優れる高機能品として日本国内で徐々に需要が拡大している。また、屋根材・内外装材向けは、スタジアム等の大規模施設で使用するため、案件の獲得状況により需要が増減する。

アラミドペーパーの世界市場
2011年前年比2015年予測2011年比
236億円107.3%379億円160.6%
富士キメラ総研調べ
ここではメタ系アラミド繊維からなるアラミド紙(アラミドペーパー)を対象としている。米国のDupont社をはじめ、中国のYantai Metastar Special Paper社やSRO Groupなどが参入している。尚、日本国内への供給はデュポン帝人アドバンスドペーパー1社のみである(Dupont製アラミド紙の日本国内販売担当)。

アラミドペーパーは、難燃性、自己消火性、高耐熱性等に優れることから、変圧器(パワーコンディショナー等)や、HV/EVモーターの絶縁材料として採用が進み、市場が拡大している。2011年の世界市場は、3,700t、236億円となった。

東日本大震災やタイの洪水の影響により、エレクトロニクス分野の需要が減少したが、パワーコンディショナー向けなどの堅調な需要と、HV/EVモーター向けの引き続く需要増により市場が拡大した。他素材との競合により伸び率の鈍化が考えられるが、2012年以降も市場は拡大すると予想される。

PENフィルムの世界市場
2011年前年比2015年予測2011年比
194億円100.0%249億円128.3%
富士キメラ総研調べ
PEN(ポリエチレンナフタレート)フィルムは1989年に帝人が開発した樹脂フィルムである。PENはPETと比較して耐熱性、寸法安定性、強度、耐久性、電気特性など、あらゆる性能において優れている。ただし、価格はPETより高い。

2011年の世界市場は、4,350t、194億円となった。出荷量の60%以上を占めるLTOテープ(大容量高速テープ)向けが減少したが、HV/EVモーターの絶縁材料向けや有機系太陽電池のバックシート材料向けなどといった成長市場の用途開拓が進んだため、市場は拡大した。また、LTOテープの高容量化により、同テープ向けが想定よりも小幅であったため、総量出荷への影響が少なく、増加傾向を示した。

今後もHV/EVモーターの絶縁材料向けは市場拡大が期待され、また、有機EL基板や次世代太陽電池(色素増感型、有機薄膜型)バックシート材料としての評価も高いため、採用が有望視される。これらのアプリケーション市場の本格化が早まると、市場はさらに拡大する可能性がある。

参考文献:「2012年 プラスチックフィルム・シートの現状と将来展望」
(2012年08月07日:富士キメラ総研)



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