世界のエンジニアプラスチック市場 市場動向1

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自動車産業やエレクトロニクス産業をはじめ、様々な産業の発展と共に市場拡大するエンジニアプラスチック(エンプラ)の2011年の状況を踏まえた世界市場動向についてレポートする。

エンプラ(その他機能性樹脂含む)の世界市場規模
 2011年前年比2017年予測2011年比
汎用エンプラ11兆2,686億円112.0%5兆5,315億円129.6%
スーパーエンプラ7,579億円108.8%9,983億円131.7%
その他機能性樹脂6,114億円106.9%7,386億円120.8%
合計5兆6,379億円111.0%7兆2,684億円128.9%
富士経済調べ
2011年のエンプラ市場(その他機能性樹脂含む)の市場規模は、数量ベースで約952万トン、金額ベースで約5兆6,378億円となった。これまで市場を牽引してきた中国からの欧州向け輸出が伸び悩んだことが影響し、数量ベースの伸長率は前年比で2.7%増にとどまっている。一方で、金額ベースは11.0%増と数量ベースを大幅に上回った。背景には、原料であるナフサ価格の高騰を受けて汎用エンプラを中心に値上げが行われたことがあげられる。

2012年の市場規模は2011年を上回り約4%拡大すると見込まれるが、欧州を中心に世界経済が不安定な動きを続けていることから、下半期の動向次第では伸長率が鈍化する可能性もある。

エンプラ市場(その他機能性樹脂含む)は日欧米先進国が需要の中心であるが、長期的には中国、東南アジア、さらにはインド、ブラジルなど経済成長率の高い新興国向けにエンプラの需要が増加し、市場規模は拡大していくものと予測される。

特に、中国はエンプラ市場(その他機能性樹脂含む)全体の約3割と巨大な市場を形成している。スーパーエンプラの需要は日欧米より若干低いが、エレクトロニクスや自動車の生産拠点としての地位を確立していることから、PPSやLCPなどを中心に需要が増加傾向にある。ちなみに日本ではSPSやPAR、PA9T、TPIといった日本で開発、市場開拓されたスーパーエンプラがあり、構成比率が高い。

■成長著しい中国市場の動向
2011年の中国市場は、346万トン/1兆7,314億円となった模様である。数量ベースで世界市場の36%、金額ベースで同31%を占めるまでとなり、世界市場への影響が非常に大きな市場となっている。中国市場は高い経済成長率を背景に順調に拡大を続けてきたが、2011年は下半期からエンプラを使用するエレクトロニクス関連製品などの欧州向け輸出が苦戦し、伸び率が鈍化した。ただ、原料であるナフサ価格の高騰で値上げが行われたことにより、金額ベースでは2桁成長となったのが実情である。

2012年は世界的な需要が上向き傾向を示しているが、2012年第二四半期以降にナフサ価格が急落したにもかかわらず、前年の原料価格上昇分が吸収し切れておらず、再度値上げが検討されている。このような環境を背景に、市場は数量、金額ともに拡大すると見込まれる。中国ではエレクトロニクス産業に加え、今後自動車産業のエンプラ需要も拡大していくと見られる。

※上記市場規模の集計に含めた製品群
汎用エンプラポリカーボネート(PC)、変性ポリフェニレンエーテル(m-PPE)、ポリアミド6(PA6)、ポリアミド66(PA66)、ポリアセタール(POM)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ガラス繊維強化ポリエチレンテレフタレート(GF-PET)、超高分子量ポリエチレン(UHMW-PE)
スーパーエンプラシンジオタクチックポリスチレン(SPS)、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(PCT)、ポリアミドMXD6(MXD6)、ポリアミド11・12(PA11・12)、ポリアミド46(PA46)、ポリアミド6T(PA6T)、ポリアミド9T(PA9T)、新規ポリアミド(バイオ・耐熱PA)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、液晶ポリマー(LCP)、ポリアリレート(PAR)、ポリサルホン(PSF)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリアミドイミド(PAI)、熱可塑性ポリイミド(TPI)、ポリベンゾイミダゾール(PBI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、フッ素樹脂
その他機能性樹脂耐熱アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体樹脂(耐熱ABS)、透明アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体樹脂(透明ABS)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、環状ポリオレフィン(COP/COC)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート(PET-G)、ポリメチルペンテン(PMP)
※尚、網掛された品目は、次回の注目市場編で詳細を取り上げる予定の品目である。
参考文献:「2012年 エンプラ市場の展望とグローバル戦略」
(2012年07月18日:富士経済)



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