世界のエンジニアプラスチック市場 市場動向3

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■樹脂素材別市場規模(2011年)と成長性/注目用途動向
①エンプラ市場(その他機能性樹脂含む)は日欧米先進国が需要の中心であるが、経済成長率の高い中国や東南アジア、インドなどアジア新興国に需要がシフトしつつある。

②中国は世界需要の約3割を占める巨大な市場を形成している。現状ではスーパーエンプラの使用比率は低いが、エレクトロニクス製品や自動車の生産拠点としての地位を確立しつつあり、PPSやLCPなどを中心に需要は増加傾向にある。

③日本ではSPSやPAR、PA9T、TPIといった日本で開発、市場開拓されたスーパーエンプラがあり、スーパーエンプラ自体の需要はまだ旺盛である。

(1)スーパーエンプラの市場規模及び注目用途動向
樹脂名市場規模
単位:t
伸び率予測
2017/2011
注目用途動向
SPS9,8502.8%電気・電子部品へのノンハロ難燃化のニーズがあるが、SPSの組成上、ノンハロ化は困難と見られる。

透過率に優れ、誘電損失が少ないことから、ミリ波レーダーのレドームに最適な材料として注目されている。ミリ波レーダーは車間距離用車載センサーとして有望視。
PCT2,7800.9%白色LEDリフレクタの反射率を高めて発光効率を上げるため、PCTに白色フィラーを添加したグレードが採用されている。
MXD613,2504.9%建材、モバイル端末筐体、缶詰、ダイレクトブローボトル、農薬容器での新規用途開拓に期待。ダイレクトブローボトルはポリオレフィン、農薬容器はHDPEとのブレンド。

従来はガスの遮断のみを行うパッシブバリアーであったが、吸収も行うアクティブバリアーへの転換が進み、MXD6の特性が生きる。
PA11・1288,1504.1%主力用途の自動車エンジンルーム内の金属部品、特に配管の代替を図って高耐熱性グレードの開発が進行。
PA4630,0005.8%ノンハロ難燃グレードの開発が進んでいるが、高価格な難燃剤が大量に必要となり、コスト面で課題がある。

寸法安定性の向上と機械的強度の維持を図り、PPSとの新規アロイグレードを開発、PA46での知見を活かして耐熱性、強度、寸法安定性、流動性に優れた新規ポリマー「PA4T」が開発・上市されている。
PA6T44,9505.0%環境規制に対応したノンハロ化のほか、低ソリ性、良外観性が求められている。競合素材であるPA9Tに対応して耐熱性、低吸水性の向上も図られている。
PA9T11,48714.4%コネクタ等のSMT部品とLEDリフレクタ向けの採用実績が大半を占めている。PA9Tは機械的強度、成形性、寸法安定性、流動性、ウェルド強度に優れ、肉薄化、狭ピッチ化が進むSMTコネクタ向けの採用が拡大している。また、鉛フリーはんだに対応した耐熱性を有しているため、使い勝手の良さも採用につながっている。
PPS89,7005.0%自動車軽量化ニーズに対応、ガラス繊維の比率が高くブロー成形が可能なため、金属から代替しやすい樹脂として採用余地が高まってきている。

HEV・EVではバッテリーがニッケル水素からリチウムイオンへとシフトしており、LiBセル部品ではフッ素樹脂からの代替がある。
LCP39,3406.1%主力用途のSMTコネクタでも薄肉化ニーズが強まっており、流動性の向上が図られている。

主力用途のSMTコネクタでも薄肉化ニーズが強まっており、流動性の向上が図られている。
PAR2,1202.9%筐体ではPC/ABSやPAが中心だが、一部にEMI対策を施したPARが採用されている。主要用途先は携帯電話用カメラレンズ鏡筒向けだが、車載用カメラレンズ鏡筒向けにも採用検討されている。

耐熱性、透明性を活かし、光学フィルムとしてタッチパネルへの用途展開も検討。
PSF11,4505.0%各種物性のバランスに優れた樹脂であり、特に寸法精度、耐クリープ特性が樹脂の中でも突出していることから、真鍮やステンレスなど金属代替が可能である。
PES9,9003.9%人工透析膜やCFRP靱性付与剤の需要が増してきたこともあり、パウダーでの供給が多くなってきている。人工透析膜では膜安定化のため、PESの分子量を高くする試みが続けられている。
PEI12,2002.2%航空機部品向けに炭素繊維をコンパウンドし、高強度化、軽量化を図ったグレードがアルミダイカスト代替として開発されている。

衝撃性に劣ることから、PC など他の素材とのアロイによる物性改善が図られている。
PAI2052.8%吸水性があるため、強度向上を目的とした結晶化には長期間の乾燥工程が必要で、専用の設備、技術が必要なことから、PAI樹脂を成形できる企業が限られている。

高温環境下での剛性は高いが、伸びが少ないことから熱膨張を考慮した構造への配慮が必要。
TPI902.2%トップメーカーの三井化学では耐熱フィルムや特殊電線被覆など、レジンでの用途開拓を行っている。

一方競合他社の中では長時間高温環境下で高性能を発揮するUHグレードを開発し、金属代替を進めていく意向がある。
PBI494.7%圧縮成形では形状や大きさの制約が大きく、用途開拓も一段落したため、射出成形での用途開拓が図られている。PBI/PEEKアロイ、CF強化などのコンパウンドグレードが展開されている。

金属やセラミックス、他スーパーエンプラなど、高耐熱性が要求される用途での代替を図るため、耐熱性向上が図られている。
PEEK2,7406.4%Victrex社はより厳しい環境下でも使用できるPEKEKK(ポリエーテルケトンエーテルケトンケトン)を上市しており、用途先を拡大している。

SolvayグループのAjedium社は、PEEKより耐熱性、難燃性、柔軟性に優れたPAEKフィルムを開発し、PEEKフィルムが用いられている分野での材料代替を図っている。
フッ素樹脂16,10003.4%半導体製造工程では微細化が進展しており、金属イオンやコンタミによる汚染対策が必要なため、製造装置で用いられているチューブやフィルタの素材として、より高純度化した品質が求められている。

SolvayグループのAjedium社は、PEEKより耐熱性、難燃性、柔軟性に優れたPAEKフィルムを開発し、PEEKフィルムが用いられている分野での材料代替を図っている。
合計529,2615.1% 
富士経済調べ
参考文献:「2012年 エンプラ市場の展望とグローバル戦略」
(2012年07月18日:富士経済)



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