(2)汎用エンプラの市場規模(2011年)及び注目用途動向
樹脂名 | 市場規模 単位:t | 伸び率予測 2017/2011 | 注目用途動向 |
PC | 3,200,000 | 5.0% | 自動車用途でグレージング向けに新規グレード開発が積極的に行われている。表面硬度、耐候性、コスト面が課題とされており、各社ともコーティング技術による解決を図っている。
そのほか、難燃性、低温衝撃性、表面硬度、熱伝導性を向上させた新規グレードの開発が行われている。表面硬度を改善した新規グレードでは、従来PCで必要であったハードコート加工を不要とする品種の開発が進められている。 |
m-PPE | 294,700 | 2.9% | 太陽電池の普及拡大に伴い、ジャンクション・ボックス、コネクタの需要が旺盛で、特にジャンクション・ボックス向けでは難燃性、耐加水分解性、電気特性が評価され、耐トラッキング性を高めたグレードが採用されている。
太陽電池分野では耐熱性を向上させ、薄肉でも難燃性を確保したバックシートフィルムも開発されている。フッ素樹脂に比べて耐候性に劣るため添加剤やコーティング材による改善が進められている。
電線被覆材ではコストパフォーマンスに優れたPVCが多いが、薄肉化により軽量が図れるため自動車ワイヤーハーネスでの代替が想定される。 |
PA6 | 1,180,400 | 4.0% | 自動車の電装化進展、エンジンルーム内の高温化、EV/HEV普及に対応して参入各社が新規グレード開発を行っている。
自動車用途では、電装品の耐高電圧グレードや、高温化が進むエンジンルーム内の金属部品を代替する耐熱グレードの開発も見られる。また、一体成型用樹脂の開発や、燃料タンクの油分透過性を抑制するグレードの採用拡大も図られている。 |
PA66 | 1,114,850 | 5.2% | 自動車向けに耐油性向上によるオイルパン用途などの用途開拓、エンジンルーム内の高温化に対応した耐熱グレードの開発が行われている。
電気・電子部品用途では、ノンハロ、ノンリン難燃グレードの開発、部品の薄肉・小型化に対応した高流動性、良成形性グレードの開発が行われている。そのほか、リサイクルグレードの開発も進められている。 |
POM | 863,100 | 3.8% | 自動車用ギアでは低摩耗性、引張強度、耐衝撃性を改良したコンパウンドグレードの開発が進められている。また、剛性を高めたコポリマーが採用されている。
寸法安定性の向上と機械的強度の維持を図り、PPSとの新規アロイグレードを開発、PA46での知見を活かして耐熱性、強度、寸法安定性、流動性に優れた新規ポリマー「PA4T」が開発・上市されている。 |
PBT | 756,100 | 3.0% | 車両軽量化を目的に部品の薄肉化が進んでおり、流動性や耐ヒートショック性の向上が図られている。
EVでは大容量バッテリーが搭載され、大電流が流れることから、コネクタに対して耐アーク性の向上が要求されるようになってきている。 |
GF-PET | 97,930 | 1.9% | 剛性の高さ、外観の良さを活かし、ルーフレールやドアミラーステイなどの外装部品を中心に採用されている。大型部品が多く、自動車1台あたりのGF-PET使用量は多い。安価なPBTに代替される動きが顕著になってきており、自動車生産台数の増加分ほど、GF-PETの需要は増加していない。
電子レンジやアイロン、炊飯器などの、耐熱性が求められる製品の部品として採用されている。従来ほど耐熱性が必要とされなくなった製品では、PBTに代替される動きがある。 |
UHMW-PE | 134,700 | 4.1% | LiB用セパレータでは分子量が数十万程度のグレードが採用されているが、分子量が大きいほど機械強度、寿命に優れるため、分子量を上げる傾向にある。 |
合計 | 7,641,780 | 4.5% | |
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