近未来市場の水素燃料関連市場 市場動向1

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前回までは、当該既存市場の注目製品についてレポートしてきたが、今回は近未来市場として2015年から本格的に市場への導入準備が進む水素燃料、水素ステーション、関連機器の国内動向についてレポートする。

水素は、低環境負荷とエネルギー輸入リスク軽減の両面において、自然エネルギー同様に大きな役割を担うことが期待されている。現状では燃料としての利用はほとんどないものの、近年の燃料電池技術の進歩によって水素の効率的かつ安価に利用可能な電力エネルギーとして注目され、自動車メーカーと水素供給事業者は、2015年にFCVを国内市場に導入し、水素供給インフラ整備を推進する共同声明を発表している。

本編では、民需向けFCV(Fuel Cell Vehicle=燃料電池自動車)の水素燃料を販売するための水素ステーション整備、サプライチェーンに必要な製造、輸送、貯蔵、充填、計量の各工程における主要機器および車載機器を対象にした。

1.FCV向け水素燃料の市場規模予測
摘要2015年度予測2025年度予測25/15年度比
数量5百万m21,650百万m2330.0
金額4億円1,320億円
注:水素燃料価格は約80円/m3として算出 富士経済調べ
FCV向け水素燃料は、現状では市場がほとんど形成されていないが、FCVの市販が始まる2015年度には水素燃料市場も立ち上がると予測される。そして、FCVの出荷台数が急速に伸びる2020年以降に本格需要を迎えると考えられる。

水素は様々な一次エネルギーから製造が可能で、自然エネルギーと組み合わせた分散型電源システムにも適している。更に、エネルギーインフラの一端を担うことが期待されており、FCVの量産化や供給インフラの構築が普及の牽引役になっていく。また、コストの大半が調達に掛かってしまい国外に資金が流出する石油燃料とは異なり、水素燃料はインフラの再構築をはじめ国内で循環する資金が多い。エネルギーセキュリティや低環境負荷といった側面に加えて、新産業の創出・育成という側面からも注目される。

一方、市場拡大の一つの要因としては水素燃料の価格低減が必須で、FCVの購入動機としてHV(ハイブリッド車)の燃費性能等が目安となることから、これを下回る価格が求められる。

【参考】FCV台数
摘要2015年度予測2025年度予測
年間出荷5千台5千台
普及台数5千台162万台
富士経済調べ

2.水素ステーションの市場規模予測(年間新規開設ベース)
摘要2015年度予測2025年度予測25/15年度比
年間新規設置数50か所150か所3.0
年間売上金額185億円3.2
富士経済調べ
水素ステーションは、FCVに水素燃料を供給する施設である。水素ステーションにおいて製造から行う「オンサイトタイプ」と、精製拠点より運搬し、水素ステーションに供給する「オフサイトタイプ」に区分される。また、充填方式では、蓄圧器との圧力差を利用して車載容器に充填する「差圧充填方式」と、水素を昇圧しながら車載容器に充填する「直接充填方式」に区分される。

2015年のFCV本格導入に先行して水素ステーションの整備が進められるが、商用施設の建設は2013年度から順次開始され、2015年度には単年で50か所、累積では100か所程度になる見通しである。2025年度には単年で150か所、累積では1,170か所程度が予測される。当初はFCVの台数が少なく水素ステーションの稼働率も低いことから、供給能力が小さい「オフサイトタイプの差圧充填方式」が主流になると考えられる。2020年度以降、大型施設では供給能力の大きな「オンサイトタイプ」も増えていくとみられる。

ガソリンスタンドと同様の利便性を有する水素ステーションの整備が求められるが、これまでの燃料供給施設よりも技術的なハードルが格段に高く、現状では非常に高コスト施設になっている。水素ステーションの建設費用が高いため水素燃料の販売価格に占める初期投資費用を、いかに低減できるかも重要課題である。

3.水素燃料関連機器の市場規模予測(年間出荷ベース)
摘要2015年度予測2025年度予測25/15年度比
水素ステーション主要構成機器 ※1126億円387億円3.1
輸送用カードル19億円105億円5.5
車載用水素機器 ※246億円2,037億円44.3
合計191億円2,529億円13.2
富士経済調べ
※1:水素製造装置、蓄圧器、水素コンプレッサ、水素ディスペンサ、水素バルブ、ステーション用水素センサ、プレクール装置
※2:車載用高圧容器、車載用センサ
水素ステーションは、FCVに水素燃料を供給する施設である。水素ステーションにおいて製造から行う「オンサイトタイプ」と、精製拠点より運搬し、水素ステーションに供給する「オフサイトタイプ」に区分される。また、充填方式では、蓄圧器との圧力差を利用して車載容器に充填する「差圧充填方式」と、水素を昇圧しながら車載容器に充填する「直接充填方式」に区分される。

2015年のFCV本格導入に先行して水素ステーションの整備が進められるが、商用施設の建設は2013年度から順次開始され、2015年度には単年で50か所、累積では100か所程度になる見通しである。2025年度には単年で150か所、累積では1,170か所程度が予測される。当初はFCVの台数が少なく水素ステーションの稼働率も低いことから、供給能力が小さい「オフサイトタイプの差圧充填方式」が主流になると考えられる。2020年度以降、大型施設では供給能力の大きな「オンサイトタイプ」も増えていくとみられる。

ガソリンスタンドと同様の利便性を有する水素ステーションの整備が求められるが、これまでの燃料供給施設よりも技術的なハードルが格段に高く、現状では非常に高コスト施設になっている。水素ステーションの建設費用が高いため水素燃料の販売価格に占める初期投資費用を、いかに低減できるかも重要課題である。

参考文献:「2012年版 水素燃料関連市場の将来展望」
(2012年09月24日:富士経済)



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