自動車の基幹部品・部材技術の世界市場 市場動向2

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前回は、全体の市場概況と注目される車体軽量化についてレポートしたが、今回は環境対応部品で注目されている代表的な製品の動向に触れてみた。

■注目環境規制対応部品の市場規模予測
1.ガソリン直噴エンジン
 2011年2025年予測2011年比
数量594万台3,662万台6.2倍
富士経済調べ
ガソリンをシリンダー内に高圧で直接噴射する方式のエンジンである。過給機(ターボチャージャー)を利用し燃焼効率を高めることを狙いとしている。ダウンサイジングへの相性が良い、高圧縮比が可能、耐ノック性の向上などのメリットが得られる。今後は混合気圧縮エンジンに置き換わりシェアを伸ばすとみられる。欧州の環境規制の強化により欧州の完成車メーカーを中心に搭載が広まり、ダウンサイジングが進められている。

2.アトキンソンサイクル/ミラーサイクルエンジン
 2011年2025年予測2011年比
数量73万台601万台8.2倍
富士経済調べ
アトキンソンサイクル/ミラーサイクルエンジンのメリットは軽負荷運転時だけミラーサイクル化し、高負荷時は高圧縮比と使い分けて低燃費&高出力の双方を得ることが出来る点にある。すなわち、圧縮比より膨張比のほうが大きいため全体として熱効率が高まる長所を生かしている。しかし、吸い込む混合気の量が少ないため見かけの排気量より圧縮する混合気量が少なく、エンジンの排気量あたりのトルクが減ってしまう(とくに低回転域で顕著)ことが弱点として挙げられる。

これを補完するために、モータアシスト(HV化)や過給機、CVT(Continuously Variable Transmission)の高精度制御、高圧縮化による応答性を総合的に併用し、弱点を補っている。トヨタ自動車はモータでパワー不足を補い、自然吸気エンジンのマツダのデミオは、バルブタイミングとCVTを電子制御して高い燃費性能を生み出している。ミラーサイクルエンジンはHV車に搭載するエンジンとしてメリットありと評価する完成車メーカーが多い。

3.インジェクタ(電子制御燃料噴射装置)
 2011年2025年予測2011年比
金額7,499億円1兆2,288億円163.9%
富士経済調べ
インジェクタはガソリンエンジンなどの予混合燃焼機関で、圧縮された燃料を吸入空気に霧状に噴射する装置である。現在、ほぼすべての燃料噴射装置が電子制御になっている中で、先進国では直噴方式のインジェクタタイプの需要が拡大し、新興国ではガソリン車用にはマルチポイント方式が主流となっている。ディーゼルエンジン用も排ガス規制への対応に高度な燃料噴射制御が求められており、電子制御式を主流に欧州を中心として順次拡大していくと見られる。

インジェクタの開発は、特にディーゼルエンジンの排ガス規制強化に伴い、燃料室への高効率噴射による燃費向上の改良が進められているが、従来シスシステムに比べ低コスト化が今後の最大の課題である。

4.CVT
 2011年2025年予測2011年比
金額6,600億円1兆2,500億円189.4%
富士経済調べ
CVTは変速比を無段に変化させる動力伝達機構(トランスミッション)である。変速ショックがなく、スムーズに走行することが可能で、常に最適な変速比を保てるため低燃費技術の一つとして大きく貢献している。

日本国内では、ハイブリッド車の普及に伴い、燃費改善に効果的で、かつエコカー減税の対象となることからCVT搭載車の販売台数は全体の3分の2に達している。一方、北米、欧州市場においては、依然としてMT車やDCT(Dual Clutch Transmission)の採用が多い。CVTは日本のような「ストップ・アンド・ゴー」が頻繁な交通事情にマッチしたもので、大排気量車には不向きであり、欧州や北米では普及があまり期待できない。CVT搭載の輸入車も、メルセデスベンツ「Aクラス」と「Bクラス」、アウディ「A4 1.8 TFSI」などに限定されている。

参考文献:「World-Wide 自動車環境技術関連市場実態総調査 2012」
(2012年09月24日:富士経済)



注目業界の市場動向・将来展望


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