自動車の基幹部品・部材技術の世界市場 市場動向3

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前2回は市場動向について解説したが、今回はサプライヤの取り組み状況について代表的な国内企業の例を取り上げた。特に樹脂系素材の採用部位が比較的多い部品を供給しているサプライヤを中心とした。

■エンジン系
エンジンの効率化=燃費率の向上への開発はHCCI、直噴、可変機構(可変気筒、可変バルブ)等燃焼機構部分の改良に対する取り組みと、性能改善のための摩擦損失の低減をねらいとしたピストン&リングの摩擦低減、低摩擦エンジンオイル、可変補機駆動の機能向上が図られている。
HCCI=Homogenous Charge Compression Ignition の略。日本語では「均一予混合圧縮着火」の意味

1.ガソリン直噴エンジン
サプライヤ名取り組み状況
豊田自動織機・自動車関連製品の電動化推進/CO2排出量削減技術。

・製品開発・電動化技術開発(補機系電源機器、及びPHV車・EV車用充電スタンド等の開発)。

・カーエアコンの運転効率向上(高効率可変容量型コンプレッサ、HV車・PHV車向け電動コンプレッサ)。

・軽量化技術開発(樹脂ウインドウ)。

・各国/各地域の法規制対応(低排出ガスディーゼルエンジンの開発)。
トヨタ紡織・次世代自動車向け技術開発。

・内装部品熱損失低減。

・燃費性能向上のための軽量化(低密度材と軽薄肉・高剛性部品・軽量化構造)。

※2012年以降の新型車の全プロジェクト単位で軽量化目標値を設定)CO2循環可能な植物由来材料の開発と採用拡大。

・ケナフ等植物由来材料の製品化/食用植物に影響を与えない工業資源植物の安定供給技術・生産体制の確立。

・内装部品熱損失低減。

・断熱カーペット/ドアトリム(暖房時カーペットに奪われる熱損失量を30%低減する製品を開発済)。
昭和電工・電気伝導性が優れているカーボンナノチューブ製品(同社製品名:「VGCF®-X」による静電防止を要求される自動車部品への樹脂複合材を主とした用途開発を進めている。

・車載用エアコン関連で環境規制に対応した新規製品の開発。
日立化成工業・可変動弁機構のエンジン制御系部品として粉末冶金技術における高強度材料の適用による部品の薄肉・軽量化、焼結や熱処理による寸法制度劣化の制御、シンターハードニング材採用による後処理工程の廃止、高強度化炭素系素材では比較的安価なCr採用によりコストダウンを図る。

・省燃費によるリーン化、代替燃料(FFV)による燃焼環境の変化への材料開発、過給機用材料向けに排気ガス温度の上昇や小型化に対応する新材料の開発。
愛三工業・樹脂電子スロットルボデー:素材をアルミから樹脂に変更。

・統合フィルタ搭載ポンプモジュール:2種類の燃料フィルタを統合し、モジュールの簡素化で軽量化。


■電装系
サプライヤ名取り組み状況
デンソー・可変バルブタイミング(VVT)等で熱マネジメントや、冷却水のコントロール等の精密制御。
住友電気工業・次世代車載システムに対応できハーネスアーキテクチャーの構築、また、環境対応として軽量なアルミのワイヤハーネスを量産化しており、適用範囲の拡大を目指する。
ユニプレス・ハイテン材加工のための成形技術、軽量構造の提案、及び発泡樹脂による超軽量部品の開発等。

・材料開発は高強度鋼板、高剛性樹脂材料、軽量化樹脂材料の開発、工法開発は高強度鋼板プレス加工法・ホットプレス工法・金属精密塑性加工法・軽合金材料のプレス工法/溶接工法、高強度パイプ加工法、高強度樹脂プレス加工法、樹脂複合成形加工法の開発。
エフ・シー・シー・多孔質ファイバー触媒シート(ペーパー触媒)と、その応用としてエンジンの排ガス浄化用ペーパー触媒の研究開発。

・CVTを含めたAT用湿式摩擦材及びMT用乾式摩擦材について、小型軽量化、低コスト化及び燃費向上の研究開発。
トープラ高強度・高靭性・高耐食性ボルトや高張力鋼板用タッピンねじ等締結構造の小型・軽量化の開発。

■車体系
鉄系金属から非鉄金属合金、樹脂への代替が確実に進んでいるが、鉄系金属に比べ原材料等のコスト高の影響もあり、大幅な代替は進まないと見られる。基本的にはスポット溶接による一体成形や、ハイドロフォーミング法等の使用量の低減、複数部材(金属プラス樹脂)の複合成形等の工法の変更による軽量化と材料変更による軽量化と並行して進むものと見られる。

サプライヤ名取り組み状況
八千代工業・レーザー溶接からプレス加工技術にて軽量化へ対応。
芦森工業・シートベルト関係:コアデバイスの軽量化に向け新構造・新素材、新高性能デバイスの開発。

・エアバッグ関係:モジュールの小型、軽量化に向けた新高性能モジュール開発。
鬼怒川ゴム工業・・ゴムから樹脂への変更を進める。
フコク・国内自動車メーカー向けにインボード用異型CVJブーツの開発を推進。
八千代工業・レーザー溶接からプレス加工技術にて軽量化へ対応。
ヨロズ・軽量化開発として「フルカール工法」による一体構造リンクの導入(板厚ダウンによる軽量化、溶接レス構造による信頼性向上を図る))。

・「ヘミング加工」による薄板ブレーキペダル・レバー開発(薄板化による重量低減、部品点数削減、レバー断面自由度向上等を図る)。

※従来構造では総重量962gに対し、ヘミングペダルレバー形状は517gと46%の軽減可能。

■懸架系部品
サプライヤ名取り組み状況
曙ブレーキ工業・レーザー溶接からプレス加工技術にて軽量化へ対応。
芦森工業・車の燃費向上の観点から電動化技術としてブレーキに小型電気モーターを搭載し電子制御による電動ブレーキ、パーキング機能のみを電動化した電動パーキング製品の技術開発を推進。

・NVH(車の快適性を表す三大要素「 ノイズ」「バイブレーション」「ハーシュネス」の略称)や、摩耗制御に寄与する独自潤滑材料、石油資源に依存しないバイオマスポリマー、鋳鉄のレアアース削減、新分野開拓を目指した機能性粒子、軽量化に向け安定した高摩擦係数を狙いとしたセラミックス摩擦材、摩擦材材料の摩擦挙動現象との関係、ゼロエミッションに向けた表面処理技術等の研究に注力。
参考文献:「World-Wide 自動車環境技術関連市場実態総調査 2012」
(2012年09月24日:富士経済)



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