耐熱・透明フィルム/シートとコーティング材市場 市場動向1

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前3回ではコーティング材市場を用途分野から俯瞰したが、今回は、その続編として耐熱性及び透明性の機能特性を付加した素材動向を俯瞰してみる。

富士経済調べによると、2016年における有望製品群の市場規模は、原反フィルムではCOP(環状オレフィンポリマー)フィルムが220億円(2011年比154.9%)で、タッチパネル用、中小型ディスプレイ向けに採用が本格的に始まり、コーティング材ではITOターゲット材が940億円(2011年比157.5%)に達し、中国など新興国で需要増が期待されると予測している。そして、機能性フィルムではITOフィルムが459億円(2011年比107.5%)と予測され、タッチパネルに加え電子ペーパーへの応用が有望視されている。

今回は、原反フィルム/シート、コーティング材、機能性フィルム/シートと3カテゴリーに分けた製品群の現状と今後の市場の方向性を解説する。なお、対象とした製品群は、下記のカテゴリーとし、包括してとらえた。

■市場規模の概要
耐熱・透明フィルム/シートとコーティング材製品の市場規模予測
分野品目
原反フィルム/シートPET、PEN、PMMA(フィルム/シート)、PC(フィルム/シート)、COP、PI、その他(他新規製品含む)
コーティング材ITO(ターゲット材/ペースト)、導電性ポリマー、銀(メッシュ用ペースト・ナノインク)、銀ナノワイヤーインク、カーボンナノチューブインク、ハードコーティング材、自己修復コーティング材、バリア膜、光学調整層、ナノインプリント用樹脂
機能性フィルム/シートITOフィルム、導電性ポリマーフィルム、銀メッシュフィルム、銀ナノワイヤーフィルム、ハイバリアフィルム、光取り出しフィルム、カバーシート、モスアイフィルム
耐熱性・透明性に優れたフィルム/シートは、FPDをはじめエレクトロニクス製品の基幹部材として市場規模を拡大してきた。しかし液晶ディスプレイは成熟しつつあり、耐熱・透明フィルム/シートはFPD依存からの脱却が求められている。

一方、高成長分野である太陽電池や省エネ照明器具等では当該製品の普及拡大によって急速に価格下落が進んでおり、製品差別化の訴求点としてデバイスのフレキシブル化への対応等が注目され、耐熱・透明フィルム/シート基材とコーティング材の組み合わせ最適化への技術課題をクリアすべく、新素材を開発が進められている。

(1)耐熱・透明フィルム/シート/コーティング材機能性フィルムの世界市場
 2011年前年比2016年予測2011-2016年平均成長率
原反フィルム/シート7,372億円104.5%8,720億円3.4%
コーティング材796億円113.9%1,198億円8.5%
機能性フィルム/シート495億円117.0%586億円3.4%
富士経済調べ

2011年の耐熱・透明フィルム関連の世界市場は原反フィルムが7,372億円となった。主にFPD分野で導光板やバックライトユニットの構成部材のほか、製造プロセス時にも使用されている。コーティング材は、ITOターゲット材やハードコーティング材の需要の伸びと連動し、需要は今後さらに高まる見通しで、太陽電池や照明用途を中心に2016年まで年平均8.5%の伸びが期待されている。

機能性フィルムは、2011年に前年比17.0%増の495億円となった。現在はタッチパネル向けに高い伸びを示している。2013年以降は太陽電池や照明用途の需要が拡大するが、全体としてはほぼ横ばいになると予測される。

(2)用途分野別素材の採用マップ
用途分野別素材の採用マップ 拡大する
◎:量産化済 △:2016年時点で量産化が想定される 富士経済調べ

2012年時点で市場拡大傾向にある品目は、銀ナノワイヤーインク、銀ナノワイヤーフィルム、バリア膜、ハイバリアフィルム、光学調整層である。2016年時点で市場が大きく拡大していると予測される品目は、カーボンナノチューブインク、ナノインプリント用樹脂、モスアイフィルム、光取り出しフィルム、新規耐熱・透明フィルムが挙げられる。

次回は主力用途分野におけるフィルム/シートの市場動向に触れる。

参考文献:「2013 耐熱・透明フィルム/シートとコーティング材の用途探索」
(2012年11月12日:富士経済)



注目業界の市場動向・将来展望


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