耐熱・透明フィルム/シートとコーティング材市場 市場動向2

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■主力用途分野におけるフィルム/シートの市場動向
(1)FPD分野(LCD、有機EL、PDP、電子ペーパー)
2010年までFPD需要は年率10%超の拡大をしてきたが、2011年には伸びが減速した。2012年以降は中国や新興国を中心にLCDが伸びていくが、PDPの減少が続く見通しである。

電子ペーパーではフレキシブル化が進行しつつあるが、全体に対する比率は僅少である。パネルの大型化や屈曲性の向上などの研究開発が進められており、ディスプレイの本格的なフレキシブル化はこれからである。

2011年のFPD用原反フィルムの市場は2,370億円とみられ、PETフィルム(同1,404億円)、導光板用PMMAシート(同504億円)などが牽引している。世界的な景気の低迷と、LCDの供給過剰により、2010年以前に比べ成長は鈍化している。

尚、中国を始めとする新興国のLCD市場の拡大により2012年以降は平均年成長率5.5%の推移が予測される。2012年にLCD-TV向けに採用され始めたCOPフィルムは用途が拡大しており、透明電極基板やバリアフィルム基材として需要拡大が見込まれる。

2011年のFPD用コーティング材の市場は711億円、ITOターゲット材(同552億円)とハードコーティング材(同137億円)を中心に高機能化を背景として高い伸びをする見通しである。

FPD用機能性フィルム(タッチパネル用ITOフィルム、カバーシート等)市場は、2011年に483億円(前年比17.2%増)となったが、今後、機能性フィルムを使用しないタッチパネル形式が増えるなどの影響により2013年以降は減少となろう。

(2)太陽電池分野(結晶シリコン太陽電池、薄膜シリコン太陽電池、化合物系太陽電池、有機系太陽電池)
2011年の当該市場は依然として結晶シリコン系主流で成長しているが、今後は変換効率向上が進む化合物系、特にCIGS薄膜太陽電池の普及が見込まれる。また、製品差別化を図ろうとフレキシブル化へのニーズの高まりもあり、徐々に採用比率が増加する見通しである。

太陽電池用機能性フィルム市場はまだ小規模ではあるが、よりバリア性の向上が要求されており、ハイバリアフィルムの採用が拡大する方向にある。化合物系太陽電池では、既にフレキシブル化が進んでおり、フィルム基板への採用ニーズも高まっている。

(3)照明分野
2011年の市場は、省エネ指向と価格下落を背景に急速に拡大した。省エネ照明器具としては普及が始まった段階であり、2015年には年間出荷で2億台を突破すると見られる。また「有機EL照明」市場も立ち上がり始めている。ただし、寿命、輝度、コスト面で訴求力が低く、「LED照明」との競合では劣勢であり、市場形成には時間がかかる見通しである。「フレキシブル有機EL照明」は現状では解決すべき問題が多く、本格普及は早くても2016年以降になると予測される。省エネ指向を背景にして「LED照明・有機EL照明」ともに市場は拡大していくが、価格面から今後もLED照明が主力となっていく見通しである。

照明用機能性フィルムは、今後、有機EL向けITOフィルムやハイバリアフィルムの需要の伸びが期待されている。

(4)タッチパネル
2011年のタッチパネル市場はスマートフォン、タブレット端末、DSC・DVC、カーナビ、ノートPC、車載ディスプレイなど様々な製品で需要拡大が続いた。フィルム系アウトセル型静電容量式タッチパネルは2012年までは、シングルタッチ抵抗膜式を代替して増加するが、2013年以降は減少、代わって薄型・低コストのカバーガラス一体型静電容量式、インセル型静電容量式、オンセル型静電容量式の需要が急拡大していくと予測する。そして、2013年以降、透明電極にフィルムを用いないタッチパネルの需要が急拡大し、2016年には約7割を占める見通しである。

一方、フィルム系はスマートフォン、タブレット端末、PDA・PND、DSC・DVCで採用比率は低下するが、コストや位相差性能などからカーナビ、ノートPC、車載ディスプレイといった製品では採用が続く見通しである。 次回は、3つの領域で大きく成長が見込まれる代表的な品目であるCOPフィルム、FPD用ITOターゲット材、ITOフィルムを取り上げ、それぞれの市場動向に触れてみる。

参考文献:「2013 耐熱・透明フィルム/シートとコーティング材の用途探索」
(2012年11月12日:富士経済)



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