世界の大型二次電池市場 市場動向2

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前回に引き続き、大型二次電池の応用分野別市場動向について解説する。

■動力分野

応用製品2011年(実績)数量(台)2012年(見込)数量(台)2015年(予測)数量(台)2020年(予測)数量(台)市場伸長率(%)(‘20/’11年比)
フォークリフト445,100484,700775,5001,085,300243.8
建設機械(ショベル・ローダ)8501,0002,7505,740675.3
建設用クレーン・高所作業車6,1807,6009,00014,800239.5
ゴルフカート165,000175,000235,000300,000181.8
電動式自動二輪車31,273,00034,400,00044,639,00051,987,000166.2
電動アシスト自転車1,207,0001,306,0001,542,0001,909,000158.2
富士経済調べ

■動力分野の応用製品市場動向
動力分野6製品の需要台数は、2012年については、前年2011年並みとなる見込みである。台数ベースでは「電動自動二輪車」が市場の大半を占めるが、伸長率で見た場合に、2020年に大きく進展する製品として、「フォークリフト」「建設機械(ショベル・ローダ)」「建設用クレーン・高所作業車」が挙げられる。

特に伸長率が高い「建設機械(ショベル・ローダ)」については、市場を牽引する中国市場において2012年は同国の経済鈍化により当該市場も影響を受けるものの、長期的には環境規制強化を背景に、日系メーカーを中心としたハイブリッド式建機の開発と販売市場の拡大が見込まれる。

「フォークリフト」については、従来より日・米・欧においてバッテリー搭載比率が高いが、長期的にも欧州市場での物流量の増加に加え、インド・中南米等の新興国における成長が見込めることから市場拡大が予測される。

「建設用クレーン・高所作業車」については、国内市場において鉄道分野で需要拡大が、海外市場においては米国経済の回復と新興国での建設ラッシュが市場を牽引するものと考えられる。

■同蓄電デバイスの搭載動向
蓄電デバイス市場においても、「フォークリフト」「建設機械(ショベル・ローダ)」「建設用クレーン・高所作業車」の伸長が目立つ。

「建設機械(ショベル・ローダ)」や「フォークリフト」、「建設用クレーン・高所作業車」といった建設・産業機械分野では、環境規制や新興国での建設投資拡大を受けて、ハイブリッド式、フルバッテリー式の需要が大きく拡大していくことが予測される。

特に、「建設機械(ショベル・ローダ)」においては、電気二重層キャパシタを搭載したハイブリッド建機を手掛けるコマツが、国内市場中心であった同製品の販路を徐々に海外市場においても拡大させていることが要因としては大きい。また、これに続く日系メーカーの販路拡大により、更なる市場の拡大が予測される。

市場の大半を占める「電動式自動二輪車」については、市場を牽引する中国市場において、「中国自行車協会」によってリチウムイオン電池搭載製品の比率を引き上げる方針が示されるなど、鉛電池からリチウムイオン電池への代替需要が進んでおり、市場拡大に大きな影響を与えるものと予測される。

家電・DIY分野
応用製品2011年(実績)数量(台)2012年(見込)数量(台)2015年(予測)数量(台)2020年(予測)数量(台)市場伸長率(%)(‘20/’11年比)
フィーチャーフォン・スマートフォン1,494,8001,580,0501,735,9301,960,000131.1
ノート PC・タブレット278,920341,020508,060762,450273.4
家庭向け掃除ロボット1,5291,6521,9512,327152.2
刈払機132148201256193.9
電動工具15,30015,90017,50019,800129.4
富士経済調べ

■家電・DIY分野の応用製品市場動向
本調査で対象とした家電・DIY分野の5製品については、2011年時点で「フィーチャーフォン・スマートフォン」及び「ノートPC・タブレット」を合わせた台数が市場全体の約99%を占めている。

今後は、「ノートPC・タブレット」市場が大幅に伸長することで、2020年時点で市場シェアを28%程度にまで拡大する見込みである。

タブレット市場は2010年のApple「iPad」の登場以来、急速な拡大を見せており、PC関連やスマートフォンメーカーを中心に数多くの企業が当該市場に参入している。また参入企業の増加に伴い、廉価な製品のラインナップが拡充されたことで、新興国市場における需要が後押しされており、今後も堅調に市場を拡大させていくと見られる。

また「家庭向け掃除ロボット」市場についても、2020年/2011年比の伸長率が150%以上と、大幅な拡大を見せると予測される。同市場は北米のロボットメーカーであるiRobotの「Roomba」が牽引しており、近年はサムスン電子やLG電子といった韓国メーカーやシャープ、東芝ホームアプライアンス(OEM)等の日系メーカーが参入している。参入企業の増加に伴い、高品質品や廉価品が上市される等、製品の選択肢が拡充されることで、日本及びアジアを中心に市場が活性化すると見られる。

次回は、それぞれの分野における注目製品として、「中・大容量電力貯蔵システム(系統設置)向け」、「アイドリングストップ自動車(ISSV)向け」、「住宅用蓄電システム向け」、「電動式自動二輪車向け」の各二次電池の採用動向について解説する。

参考文献:「エネルギー・大型二次電池・材料の将来展望 2013
(次世代環境自動車分野編/動力・電力貯蔵・家電分野編)」
(2012年11月19日:富士経済)



注目業界の市場動向・将来展望


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