世界の大型二次電池市場 市場動向3

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■注目市場
1.中・大容量電力貯蔵システム(系統設置)向け二次電池の世界市場
 2012年見込2020年予測2011年比
鉛電池13億円353億円88.3倍
ニッケル水素電池25億円
リチウムイオン電池116億円
NAS電池1,253億円
※億円未満を四捨五入しているため必ずしも合計は一致しない。富士経済調べ

ここでは定置型の大規模電力貯蔵システムのうち系統に設置する蓄電デバイスシステムを対象としている(但し、風力発電や太陽光発電に併設するものは対象外)。主に電力需要が急拡大する地域において、変電所の負荷平準化やスマートグリッドなどの用途で使用される。

中・大容量電力貯蔵システムの市場は2012年では鉛電池のみが存在し、僅13億円程度であるが、2013年以降はNAS電池や系統設置用に改良された鉛電池の採用が拡大すると見られることから、2020年には2011年比349.2倍の1,746億円が予測される。また、系統設置用途についてはNAS電池や鉛電池以外でもニッケル水素電池、リチウムイオン電池が技術開発により採用が進められるとみられるが、価格面に課題があり用途が限定的となると想定される。その他、北米で開発が盛んなフライホイールやフロー電池(レドックスフロー、亜鉛臭素等)も実用化されると考えられる。

2.アイドリングストップ自動車(ISSV)向け二次電池の世界市場
 2012年見込2020年予測2011年比
鉛電池193億円2,001億円15.3倍
リチウムイオン電池2億円200億円
電気二重層キャパシタ16億円274億円30.4倍
リチウムイオンキャパシタ15億円
富士経済調べ

アイドリングストップ自動車は従来アイドリングストップシステム専用の鉛電池搭載が一般的であったが、2012年からスズキがリチウムイオン電池、マツダが電気二重層キャパシタを採用するなど、搭載する二次電池が多様化している。専用電池はアイドリングストップ中の電源供給用や、エンジンスタート時の鉛電池アシスト用として搭載されており、主電源用のバッテリーを補完する機能として搭載されている。

市場は2012年で211億円が見込まれ、2020年には2,490億円(2011年比17.8倍)が予測される。そして、鉛電池以外の電池のウエイトが徐々に増加する傾向となる模様だ。

アイドリングストップ自動車は主にコンパクトクラスの車種に搭載が多いが、今後、中大型クラスへの拡大や車載電装品の拡大による電力負荷の上昇等に対応すべく、搭載電池の容量も増加すると想定される。

コストに関しては、鉛電池では大きな価格変動は生じないが、電気二重層キャパシタやリチウムイオンキャパシタ、リチウムイオン電池などは搭載の増加によりWh単価が低下していくと見られる。しかし、1台あたりの搭載容量が増加すると見られるため、1台あたりのコストは上昇が予想される。

3.住宅用蓄電システム向け二次電池の世界市場
 2012年見込2020年予測2011年比
鉛電池89億円77億円87.5%
リチウムイオン電池48億円254億円19.5倍
合計137億円332億円3.3倍
※億円未満を四捨五入しているため必ずしも合計は一致しない。富士経済調べ

市場は2012年に137億円が見込まれ、2020年には332億円(2011年比3.3倍)が予測される。非常用電源として北米や新興国では需要が多く、これらのシステムに採用されているのが鉛電池であるため、現状市場の大半は鉛電池が占める。国内は、東日本大震災を機に市場が本格的に立ち上がり、2011年に住宅メーカーが先行して発売したが、価格が比較的安い鉛電池を採用したシステムが多い。

非常用電源用途ではサイクル数や急速充放電はあまり求められない事から、今後も安価な鉛電池が競争力を持ち続けると見られる。しかし、緊急時の非常用電源ではなく日常的な電力需給に合わせて充放電を行い、10年以上に及ぶ長期に安定した機能を維持するにはリチウムイオン電池の方が優位にあるため、将来的にはリチウムイオン電池の採用が増えると予想される。

4.電動式自動二輪車向け二次電池の世界市場
 2012年見込2020年予測2011年比
鉛電池1,429億円1,544億円88.6%
リチウムイオン電池308億円2,115億円14.5倍
合計1,737億円3,659億円193.7%
富士経済調べ

自動二輪車のうち、電気モーターを利用して走行する二輪車が対象となる。2012年現在は、生産・販売ともに中国が大半を占めており、今後も同エリアが市場を牽引すると見られる。北米のような行動範囲が広い車社会においては、連続走行距離が限られる電動式自動二輪車は浸透しにくいと考えられるが、ガソリン式自動二輪車の市場規模は2,000万台近くあり、環境意識が高まっているインド、インドネシア、タイ、ベトナムなどで電動式自動二輪車へのシフトが予想される。

市場は2012年に1,737億円が見込まれ、2020年には3,659億円(2011年比93.7%増)が予測される。中国では2012年から3~5年の間に電動自転車のリチウムイオン電池搭載率を全体の20%まで高める方針が示されている。現時点では、中国における電動自転車のリチウムイオン電池搭載率は3%前後と見られることから、目標達成のために現状の重量規制の厳格化やリチウムイオン電池搭載を後押しする政策が行われる可能性がある。この中国市場におけるリチウムイオン電池搭載車の増加によって、市場全体が拡大傾向で推移すると予測される。

次回は「大型二次電池市場の動向」の第二弾として次世代環境自動車における蓄電デバイスの動向を取り上げる予定である。

参考文献:「エネルギー・大型二次電池・材料の将来展望 2013
(次世代環境自動車分野編/動力・電力貯蔵・家電分野編)」
(2012年11月19日:富士経済)



注目業界の市場動向・将来展望


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