注目スマートエネルギー市場の展望 燃料電池市場編 市場動向1

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スマートエネルギーとして太陽光発電、風力発電、二次電池、水素・燃料電池、そしてエコハウス、スマートグリッド等が挙げられ、今最も旬な産業分野である。今回は、その中でも実用化、普及が近々見込まれる燃料電池とスマートハウスの動向について解説する。

水素と酸素を化学反応させて電気を発生させる燃料電池は発電効率が高く、燃料とする水素は環境負荷が低いことから、次世代の発電システムとして期待されている。数MWの大規模なものから数Wの小規模なものまで幅広く、グリッド、自動車、家庭、産業車両、小型移動体、携帯機器、非常用電源分野への用途展開が図られている。

では、燃料電池市場全体ではどれくらいの規模が予測されるだろうか、第2図のグラフを参照願いたい。

燃料電池システム世界市場推移
2011年度の燃料電池市場は、699億円の実績となった。市場の半数を占める産業・業務用では、導入時の補助が手厚い北米と、燃料電池による発電事業を国策として進めている韓国を中心に拡大している。この他、日本での家庭用燃料電池、北米でのポータブル/バックアップ燃料電池が牽引し、2012年度は1,330億円が見込まれる。

2015年には燃料電池車の市販が開始され、市場拡大が一気に進むため2025年度には5兆円超に達するとみられ、用途別占有率も大きく変化し、燃料電池車が全体市場の半数以上を占めると予測される。なお、フォークリフトやトラックなどの駆動用燃料電池、ポータブル/バックアップ用燃料電池の全体市場に占める占有率は低下すると想定されるものの、各用途分野の状況から予測すると、既存蓄電池との相対的占有率は拡大し、燃料電池市場自体の成長には貢献していく。

次に、注目用途動向として、「燃料電池自動車市場」と「家庭用燃料電池システム市場」を展望してみる。最初に次世代自動車「燃料電池車(FCV)」から解説する。

燃料電池車世界市場推移
燃料電池車は、現在実証実験で利用されるケースや、特定ユーザーへのリース車として出荷されるケースが大半で、市場規模としてはまだ小さいが、市販開始が2015年頃と想定されており、本格的市場の立ち上がりは2020年頃となろう。

2012年末には韓国で限定ではあるが量産が開始され、2013年に入ってからも燃料電池車開発メーカー間の共同開発が発表になるなど、製品化に向けた開発競争が加速している。また、2015年に市場へ投入予定製品の仕様設定や、生産設備投資など具体的な動きも進んでいる。一般への市販開始時には、日本メーカーなどアジア勢が先行し、まずは日本での市場拡大が予測される。

しかし、燃料電池車普及のためには新たなインフラである「水素ステーション」を数多く設置する必要があり、初期の段階では水素ステーション数が少ないことによる利便性の悪さが課題となっている。現在、環境対策自動車に対するインセンティブの高い欧州諸国がインフラ整備の取り組みに積極的であるとの見方から、自動車メーカーも欧州関連機関との連携を強める動きだ。

2015年から2020年にかけて各社の普及車が出揃い、また、2025年頃には各社で複数車種ラインアップも進められる可能性もあり、2020年度から2025年の間に市場成長期を迎える予測され、燃料電池車が燃料電池市場全体を牽引すると予測される。

尚、前回でもう一方の次世代自動車であるEV、PHV、HV向け蓄電池市場の動向について解説しているので、併せて参考にして頂きたい。

次回は、続編として家庭用燃料電池システムにフォーカスする。

参考文献:「2013年版 燃料電池関連技術・市場の将来展望」
(2013年02月20日:富士経済)


注目業界の市場動向・将来展望


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