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第3図では、国内スマートハウス関連市場における注目市場として「HEMS」「DRアグリゲーションサービス」「ヘルスケアサービス」を取り上げてみた。それぞれの市場規模を予測したものが第3図である。
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「HEMS」は住宅における複数の家電機器等をICTの活用によりネットワーク化し、HEMSコントローラ等で“エネルギーの見える化”を行い制御するシステムである。
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経済産業省のHEMS導入事業の開始も相俟って2012年より市場が本格的に立ち上がった。当初は太陽光発電・家電機器メーカーと大手ハウスメーカーが中心となり、新築戸建住宅での導入が進み、同年後半からは既築住宅向けにISP事業者(インターネット・サービス・プロバイダ)のサービス連動型HEMSの提供が増加してきた。また集合住宅ではデベロッパー各社が差別化として省エネやエコ、防災、セキュリティなどのコンセプトを打ち出す傾向が強まっていて、2011年に比べて5倍の伸長が見込まれている。
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2013年からは経済産業省がMEMS(Mansion Energy Management System)導入事業(仮)の開始を検討しており、再生可能エネルギーや蓄電池の他に各住戸や共用部の見える化、一括受電による新電力からの供給などが、更に増加すると考えられる。 HEMSの通信手段・規格の統一化が実現すれば、普及促進の課題となっている価格低減が進み、更なる市場拡大が期待できる。
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「DR(Demand Response)アグリゲーションサービス」は、電力供給側がピーク時における電気料金の割高設定、適切な電力使用量抑制に対するインセンティブの支払いなどによって、需要家側に電力消費の抑制を促し、電力需給のへ平準化を図る仕組みである。電力会社にとっては、DRによりピーク需要の削減が可能となり、巨額の設備投資を抑制できるメリットがある。
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2012年時点では、米国が世界市場全体の8割以上を占めており、国内では経済産業省主導のスマートコミュニティプロジェクトを中心に実証が進む中、2012年下半期よりNTTファシリティーズ、オリックスによりサービスが開始された。100戸以上のマンションや社員寮等の法人向けサービスが主軸となり、2020年には国内市場300億円への拡大が予測されている。
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スマートハウスが地域EMSと連携していく中で、「ホームICT型生活支援サービス」の可能性も注目されている。たとえば、測定・記録したデータをPC,携帯電話,専用端末を介してサービス提供事業者が管理・分析を行う「ヘルスケアサービス」は、地域医療や健康管理の一環として提供されるサービスで、特定健康診査・特定健康指導の義務化、EMR(Electronic Medical Record)、EHR(Electronic Health Record)等の進展により、身近なサービスになりつつある。
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2012年の市場は2011年比50%増の66億円が見込まれる。従来のPC向けサービスだけでなく、スマートフォンの登場によりモバイル端末を利用したサービスも市場拡大の追い風となっているす。
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課題としては、生活習慣病リスクへの関心の低さ、ヘルスケアサービスの認知度不足、利用者の継続性などがあげられるが、今後はHEMS、HGW(Home Gateway)等でヘルスケアサービスを担う製品の投入が増加されることもあり、2020年には2012年比2倍の伸長が予測される。
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EVやFCVなどの次世代自動車、また燃料電池などを取り入れながら、スマートハウスは人が永続的に快適で幸せに暮らすための「サスナティブルモデル」を実現するだろうと期待されている。
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