耐熱・光学ポリマーの世界市場 市場動向2

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■注目市場
1.耐熱PA(ポリアミド)
 2012年2016年予測2012年比
世界市場919億円1,267億円137.9%
(コンパウンド市場ベース 富士キメラ総研調べ)

主鎖の種類や構造によって種々のPAが開発されているが、ここでは耐熱性の高いPA(変性PA6T、PA46、PA9T、PA4T)を対象とした。

自動車部品向けが需要の約45%を占め、特に機構部品での採用が多い。近年の電子化の進展に加え、HV・EVでの採用、燃費向上を目的とした軽量化の推進により、今後も金属代替需要としての用途が拡大すると考えられる。また、自動車用チューブ等の新規用途の開拓も進められている。

電気・電子分野ではコネクタやスイッチに採用されている。液晶テレビや携帯電話・スマートフォン、ノートパソコン等での使用が多いため、これらの製品の生産状況による影響を受けやすいものの、PAはSMT(表面実装技術)化に対応可能なことから採用増加が期待できる。

また、LED等の高耐熱ニーズの拡大により、PAの採用は増加傾向にある。近年は低価格化が進んでいるが、原料価格の高騰により一部では値上げが実施されていることもあり、耐熱PA市場は2016年に2012年比37.9%増の1,267億円が予測される。

2.PPS(ポリフェニレンサルファイド)
 2012年2016年予測2012年比
世界市場560億円689億円123.0%
(コンパウンド市場ベース 富士キメラ総研調べ)

PPSは、フェニル基と硫黄が交互に繰り返される分子構造を持つ結晶性熱可塑性樹脂である。すぐれた耐熱性、耐ヒートショック性、樹脂自体の難燃性、耐薬品性が大きな特長である。これらの特性から耐熱製品の材料、金属製品の代替材料、熱硬化性樹脂製品の代替材料などとして採用されている。ウォーターポンプを始めとする自動車部品や、電気・電子部品、水廻り・住設機器などで用途展開がなされている。加えてHV・EV向け部品の採用増加も予想される。

今後、金属代替や小型化・軽量化のニーズを捉えた様々な用途への採用が期待され、PPS市場は2016年に2012年比23.0%増の689億円が予測される。特に自動車部品用途の需要拡大が期待できる。自動車の軽量化ニーズや製造コストの削減などによりアルミ代替としての採用が拡大するのに加え、PPS採用部品がガソリン車の数倍になるHV・EVの普及も後押しすると予想される。

自動車部品向け以外の電気・電子部品用途としては、SMTコネクタ、コイルボビン、光ピックアップベース等への採用が挙げられる。エレクトロニクス製品市場の拡大や、製品の小型化・軽量化ニーズによる金属や熱硬化性樹脂の代替進行など、潜在的な需要が期待される。ただし、LCP(液晶ポリマー)等、他樹脂との競合も激しくなっており、電気・電子部品用途では今後横ばいと考えられる。

3.PC(ポリカーボネート)
 2012年2016年予測2012年比
世界市場8,210億円9,125億円111.1%
(ポリマー/コンパウンド市場ベース 富士キメラ総研調べ)

PCは耐衝撃性・耐熱性・寸法安定性・電気的特性・難燃性等のトータル物性に優れ、透明性を有している。これらの特性を活かして電気・電子分野、自動車分野、医療機器、雑貨、建材の分野等、多岐に亘って利用されている。

光ディスク需要が大きく減退していることを背景に、光学分野の需要が右肩下がりとなっている。LEDやFPD向けが堅調であるもののカバーしきれていない。2012年は、設備的に大きく余剰の状態となったこともあり、販売量は伸長したものの価格が下がり、市場は2011年比10.8%減の8,210億円となった。

PCは幅広い用途があり、多様な需要を取り込むことで、2013年以降、市場は回復基調で推移すると予測される。中国や東南アジア向けの投資拡大に伴い、建材や家電、雑貨などの分野で需要拡大が期待される。自動車用途は生産台数の増加に比例して堅調に拡大するとみられ、特にBRICs地域をはじめとした新興国地域における市場の伸びが大きいと考えられる。またOA機器や小型機器においても同様の需要拡大が期待できる。

一方で、光ディスク向けは減少していくとみられ、またFPD関連の伸びは今までよりも鈍化する見通しである。今後更なる市場拡大のためには、LEDのような新規アプリケーションの開拓が必要となる。

次回は、「特殊コンパウンドの動向」について解説する。

参考文献:「2013年 耐熱・光学ポリマー市場の現状と将来展望」
(2013年01月21日:富士キメラ総研)



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