耐熱・光学ポリマーの世界市場 市場動向3

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■特殊コンパウンド市場の動向
特殊コンパウンドの市場概要(2012年)
市場規模(t)ウエイト(%)市場動向・方向性
導電・帯電防止70,75189.0ICトレーや自動車部品を中心に大きな市場を形成
摺動性改善4,7626.0複合材が高価格、ニーズも少ないため市場は停滞
放熱1,6902.1EV・HVでは従来以上の放熱性が求められるため、需要も拡大見込み
電磁波シールド1,4001.8製品の小型化による故障を防止するため、ニーズの増加が見込まれる
誘電率制御9001.1GPSや無線LANで採用、小型化・受信精度向上により需要拡大
屈折率改善LED用封止材向けで研究開発が進められている
その他種々のグレードがあるが用途は限定的とみられる
合計79,503100.0 
※引用調査レポートにて抽出されたコンパウンドレベルの世界市場富士キメラ総研調べ

<特殊コンパウンドの定義>

上記の表では、「耐熱強化」「放熱」「導電・帯電防止」「電磁波シールド」「誘電率制御」「摺動性改善」「摺動性改善」「屈折率改善」などの機能付与を中心としたコンパウンドを対象に抽出している。一般的なガラス強化コンパウンドや着色コンパウンド、アロイは対象外とした。また、カーボンファイバーを利用していても機械的物性の改善のみの機能付与の場合には対象外とした。

市場が最も大きいのは導電・帯電防止グレードであり、特に電気電子分野のICトレー・搬送トレーや自動車外装品・燃料チューブを中心に市場を形成している。複合材料は、CNTやCF、グラファイト等のカーボン系材料を中心に使用されている。

摺動性改善グレードは主に自動車部品や電気電子分野のコネクタ等の機構部品、ギア、ベアリング、歯車等で採用されている。ただし、CF等の高価格な製品を使用する際には価格がネックとなり需要が限定的であるため、市場は停滞していると推測される。

放熱コンパウンドは、主に自動車部品やLED向けが中心である。今後、市場拡大が見込まれるEV・HV部品には従来以上の放熱性が求められており、近年、放熱グレードの需要が大きく拡大している。今後はLED照明への採用が見込まれるため、さらなる市場拡大が期待されている。放熱グレードの複合材料としては、主にアルミナやシリカ被覆炭酸等の無機フィラーが採用されているが、近年は特殊なCFを採用するケースもみられる。

電磁波シールドグレードは大半がPCのコンパウンドであり、主にSUS繊維やニッケルコート繊維と複合させている。カメラやDVD、ハンディタイプ医療機器に使用されており、製品の小型化により発生する電磁波での製品故障を防ぐために使用されている。今後、電気電子以外にもEVや医療機器等では電磁波シールドの需要拡大が見込まれる。

誘電率制御グレードは、GPSや無線LAN等のアンテナに使用されている。誘電率制御グレードはPPSを用いており、同グレードを使用することで小型化が可能、アンテナ精度の向上といったメリットがあり、近年需要が大きく拡大している。

その他グレードとしては、屈折率改善グレード、耐熱衝撃グレード、高強度グレード、耐摩耗グレード、柔軟性グレード、高硬度グレード等がある。複合材料にCF等を使用すると軽量かつ高強度になるため、航空機等の部材で金属代替として需要を獲得する可能性も考えられる。また、拡散ビーズ等をコンパウンドし、光学レンズ向けには透過率を下げずに光拡散性を高めたグレード、柔軟性や可撓性を訴求したグレード等もみられる。

次回は、「用途別需要動向」について解説する。

参考文献:「2013年 耐熱・光学ポリマー市場の現状と将来展望」
(2013年01月21日:富士キメラ総研)



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