耐熱・光学ポリマーの注目用途分野動向 太陽電池編

マーケット情報TOP
前4回のシリーズでは耐熱・光学ポリマーの世界市場全般の動向についてレポートしたが、今回より注目応用製品市場から見た品種別採用動向/需要規模等についてレポートする。最初に太陽電池を取り上げる。

品目名2012年2016年予測‘12/’16年平均成長率主要用途例
(t)(t)
変性PPE18,00075.631,70075.215.2%ジャンクションボックス(筐体)、コネクタ
フッ素5,50023.110,10024.016.4%バックシート、前面保護フィルム、モジュールカバー
PEN3001.33600.84.7%色素増感型・有機薄膜系太陽電池バックシート
PBI0.5僅少0.5僅少0太陽電池の基板を支える部材
合計23,800.5100.042,160.5100.015.4% 
※世界需要(主要品目を抽出している)富士キメラ総研調べ

太陽電池に利用されている主要なポリマーを上記に示した。太陽電池用で最も需要が多いのはジャンクションボックス向けとみられ、ほぼ100%採用されている。その他では、長期間の耐候性が求められるバックシートやコネクタに加え、太陽電池の基板をさせる部材としても利用されている。

欧州の景気後退を受けて太陽電池用部材の市場が縮小した。しかし、欧州市場の回復や日本・アジアでの需要拡大が見込まれ、ジャンクションボックスやバックシートなどのメイン部材では太陽電池市場の推移に比例した市場拡大が期待されている。

■ポリマー素材の採用動向
もっとも需要が多いのは変性PPEで、ジャンクションボックスではデファクトスタンダードとして使用され、その他にはコネクタでも採用されている。主に耐候性・難燃性から採用されているとみられる。今後は、バックシートでの採用に向け、展開が進められている。

バックシートには、フッ素とPENが採用されている。フッ素は従来からバックシートに採用されており、長期間の耐候性・信頼性から採用されてきた。従来はフッ素の中でもPVFの需要が最も多かったが、近年はPVDFがPVFを代替する形で需要を伸ばしており、ETFE等も一定の需要がある。また、近年はコストダウン要求が強いため、フッ素フィルムよりもコストダウンが可能なフッ素コーティングの需要が拡大している。

また、バックシート向けにはPENも一部で採用されている。主に色素増感型太陽電池や有機薄膜系太陽電池用バックシートで採用されており、耐熱性や耐久性の良さが評価され採用され始めている。また、その他にはPBIが太陽電池基板を支える部材として、僅かではあるが採用されている。

■市場の方向性・トレンド
太陽電池市場は、欧州の景気悪化やFIT制度の価格引下げ、補助金制度の終了により、2012年は市場を縮小したが、日本や中国においてもFIT制度が開始され、市場拡大が見込まれる。

ただし、近年は、太陽電池用部材にはコストダウンが強く求められ、安価な材料を用いた製品へシフトしている。特にバックシートでは安価なPETの拡大、フッ素の中でもPVFからPVDFへシフト、さらにはフッ素フィルムよりもコストダウンが可能なフッ素系コーティングの採用も拡大しており、今後も価格と長期耐候性が最重要課題となっている。

次回からは下記の用途分野についてレポートする予定である。
第2回 風力発電/燃料電池/LiB編
第3回 LED編
第4回 自動車/航空機編
第5回 フィルム・シート/レンズ編

参考文献:「2013年 耐熱・光学ポリマー市場の現状と将来展望」
(2013年01月21日:富士キメラ総研)


注目業界の市場動向・将来展望


戻る
エンプラ関連情報サイト エンプラネット トップページ