耐熱・光学ポリマーの注目用途分野動向 風力発電/燃料電池/LiB編

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今回取り上げる耐熱・光学ポリマーの注目用途分野はエネルギー分野で話題となっている「風力発電機」「燃料電池」「リチウムイオン電池(LiB)」を取り上げる。

■耐熱・透明ポリマー市場規模(当該分野で採用されている主な耐熱・透明ポリマー一覧)
品目名2012年2016年予測‘12/’16年平均成長率主要用途例
(t)(t)
エポキシ168,00097.4240,00096.59.3%風力発電ブレード用マトリクス樹脂(GF/CF強化)
フッ素54,5002.68,6003.517.5%LiB(バインダ、電解質膜、セパレータ等)
FBI0.1僅少0.5僅少49.5%燃料電池セパレータ向け塗布材料
合計172,500.1100.0248,600.5100.09.6% 
※世界需要(主要品目を抽出している)富士キメラ総研調べ

風力発電、燃料電池、LiB用途で採用されている耐熱・透明ポリマー市場規模は、17万2,500t(2012年)を示している。

市場の大半を、風力発電ブレード用マトリクス樹脂(GF/CF強化)として採用されているエポキシが占める構成となっており、同用途向けエポキシは、世界的なクリーンエネルギーの高揚を背景とする風力発電市場の拡大から、今後も高成長が期待される。

フッ素は、耐熱性、耐候性、耐薬品性、化学的安定性等の優れた特性から、LiB向けバインダ、電解質膜(添加剤的仕様)、セパレータ等や燃料電池向けバインダに採用されている。

特殊な燃料電池セパレータ向け塗布材として試験採用されているPBIは、現状では評価段階にあるも、低コスト化を図ることで2013年~2014年頃の製品化を目指している。この他、変性PPE(電池ケース)、PAR(LiB向け)、PEN(燃料電池用ガスケット材)でのトライアルも見受けられる。

■ポリマー素材の採用動向
風力発電ブレード向けエポキシは、採用パターンはGFRP、若しくはCFRPの2パターンがあり、2MW級ではGFRPが、3~5MW級ではCFRPが採用されている。

現状、3~5MWクラスの大型風車の設置は限定的であり、CFRPの採用比率は低いものの、今後、大型風車が設置された場合、GFRPよりも軽量化に適性があるCFRPの採用が進展するものと考えられる。但し、ブレード全体をCFRP化すると、コスト高となるため、GFRPとCFRPの併用が考案されている。

LiB向けでは、電解質膜、バインダ、セパレータの各部位にフッ素が使用されている。電解質向けでは、電解液の劣化抑制、容量低下の抑制等を目的に、フッ素系添加剤が使用されている。

セパレータ向けでは、湿式、及び乾式系PO多孔質膜に、フッ素樹脂を塗布することで、耐熱性を高めた製品が既に開発されている。

また、特殊な燃料電池用セパレータ向け塗布材として、PBIの採用検討が進んでおり、製品化は2013~2014年頃が予定されている。

■市場の方向性・トレンド
世界的なクリーンエネルギーに対する高揚(風力発電)やスマートフォン、タブレットPC、HV市場の拡大、EV市場の本格形成・拡大を背景に、風力発電、LiB、燃料電池の各市場は成長を加速するものと予測される。これら用途に採用されている樹脂材料は、用途市場の成長に連動する形で、需要を拡大していくものと考えられる。

また、LiB向け電解質向けに使用されているフッ素系添加剤にみられるように、素材、若しくは部材の高機能化に寄与することでの採用拡大も期待される。

次回は表示デバイスから照明用光源用途に普及拡大が進む「LED」を取り上げる。

参考文献:「2013年 耐熱・光学ポリマー市場の現状と将来展望」
(2013年01月21日:富士キメラ総研)



注目業界の市場動向・将来展望


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