耐熱・光学ポリマーの注目用途分野動向 フィルム・シート/レンズ編

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■(1)フィルム・シート編
耐熱・透明ポリマー市場規模(当該分野で採用されている主な耐熱・透明ポリマー一覧)
品目名2012年2016年予測‘12/’16年平均成長率主要用途例
(t)(t)
PMMA361,20089.2434,80039.44.7%LCD導光板
COP/COC18,6104.626,7005.49.4%位相差フィルム、透明導電性フィルム他
PC11,7502.914,1502.94.8%DBEF、位相差フィルム、透明導電性フィル他
MS10,6002.612,6002.64.4%LCD導光板、LCD拡散板
PEN2,4000.63,4000.79.1%DBEF、有機EL基板
透明エラストマー2500.11,0000.241.4%LED用ライトガイドフィルム
高屈折熱可塑性樹脂2503206.4%位相差フィルム、タッチパネル基板
透明熱硬化系樹脂50708.8%アンダー保護フィルム、タッチパネル用カバーパネル
TPI204522.5%透明耐熱シート
透明PI1168.2%光学フィルター、光センサ、フレキシブルD基材
合計405,131100.0493,093100.05.0% 
※世界需要(主要品目を抽出している)富士キメラ総研調べ

光学フィルム・シート/透明耐熱シート用途向け耐熱透明ポリマー市場は、大半をLCD導光板向けに採用されているPMMA(ペレット/シート)が占めている。

LCD導光板向けPMMAはペレット供給とシート供給の2パターンが有り、TV等大型向けにはシート状が主に採用されている。但し、PMMAシートでは反りが発生しやすいこと、及び価格面で競合材のMSが優位であることなどから、MSの採用が進行している。

MSはLCD導光板の他、LCD拡散板にも採用されているが、2007年からPSへの代替が進んだことで、拡散板用途では、需要を縮小させている。

位相差フィルム向けでは、COP・COC、PC、高屈折熱可塑性樹脂(高屈折PC)など、複数材料が用途、グレードに応じて採用されている。

また、DBEF(輝度向上フィルム)向けでは、PET(フィルム)が主要採用基材であるも、PCやPENの採用がみられる。PEN仕様のDBEFとしては、3M社がPEN、PETを積層することで、光干渉を起こし、光効率向上を図るなどの高付加価値展開を行っている。

その他では、携帯電話向けアンダー保護フィルム向けに、透明熱硬化系樹脂(新日鉄住金化学「シルプラス」)が採用されている。耐衝撃性、高硬度特性を活かして、携帯電話前面板保護を目的としている。

■(2)光学レンズ編
耐熱・透明ポリマー市場規模(当該分野で採用されている主な耐熱・透明ポリマー一覧)
品目名2012年2016年予測‘12/’16年平均成長率主要用途例
(t)(t)
COP・COC4,30061.55,10065.14.4%光ピックアップレンズ、撮像系光学レンズ、他
MS2,00028.61,80023.0-2.6%リアプロTV用スクリーンレンズ
フルオレン系ポリエステル4906.86107.65.6%撮像系光学レンズ
高屈折熱可塑性樹脂2002.93004.110.7%撮像系光学レンズ
高屈折硬化系樹脂僅少25撮像系光学レンズ、マイクロレンズ
合計6,990100.07,835100.02.9% 
※世界需要(主要品目を抽出している)富士キメラ総研調べ

各種光学レンズ向けポリマー市場規模は、2012年ベースで6,990tを示しており、上記に挙げた樹脂材料は全て、光学透明ポリマーの位置付けにあたる。樹脂材料仕様の光学レンズには、携帯電話・スマートフォン、デジタルカメラ向け等の撮像系レンズやリアプロTV用スクリーンレンズ、マイクロレンズが挙げられる。

ポリマー種別の販売量ウエイトでは、COP・COCが6割強(4,300t)を占める。COP・COCはDVDプレイヤー、Blu-ray Discプレイヤー向け光ピックアップレンズや携帯電話、DSC等、各種撮像系光学レンズ(凹レンズ)用途で採用されている。

撮像系光学レンズ用途では、フルオレン系ポリエステル、高屈折熱可塑性樹脂も採用されているが、これらは凸レンズ採用であり、両者は競合関係にある。

MSはリアプロTV用スクリーンレンズで採用されているも、リアプロTV市場の衰退により、シュリンク基調にある。COP・COCは非晶性ポリマーであるため、透明性(光線透過率)が92%と非常に高い他、耐熱性、寸法安定性(低吸水性)に優れるなどの特徴を有する。このため、光ピックアップレンズや携帯電話用カメラ等の撮像系レンズ(凹レンズ)に採用されている。

一方、撮像系の凸レンズには、フルオレン系ポリエステルや高屈折熱可塑性樹脂(高屈折PC)が採用されている。一般的にレンズユニットの基本構成としては、低アッベと高アッベの樹脂材料の組合せにより、小色収差(高透明性の維持、色滲み防止)発現が可能となる。このため、凹レンズには高アッベ(54~55)なCOP・COCを、凸レンズには低アッベなフルオレン系ポリエステル、若しくは高屈折PCの採用が一般的な組合せとなっている。

■市場の方向性・トレンド
モバイル端末機器、DSC向け撮像レンズは、機器のコンパクト化、及びレンズの生産性の向上を背景に、ガラス代替樹脂レンズ化が進展している。また、最終製品の高機能化に伴い、各レンズ(ユニット)は高画素化対応が進展する傾向にある。一例を挙げると、携帯電話用では、ユニットあたり、3枚構成から4~5枚構成へとレンズ使用枚数のボリュームゾーンがシフトしている。このため、撮像レンズ樹脂材料市場は、レンズ市場を上回る伸長が見込まれる。

また、採用用途領域の拡大も図られており、従来の携帯電話用、DSC用に加え、車載用、及び監視カメラ向けでの本格採用が期待されている。

次回は新シリーズとして、「高機能繊維と応用製品の市場」を取り上げる予定である。

参考文献:「2013年 耐熱・光学ポリマー市場の現状と将来展望」
(2013年01月21日:富士キメラ総研)



注目業界の市場動向・将来展望


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