自動車用ケミカル材料の世界市場 市場動向2

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今後の自動車用ケミカル・高分子材料の販売、開発に必要不可欠とされる「CO2排出削減」、「軽量化」、「バイオマス化」、「熱マネジメント」、「リサイクル」といったサスティナブル関連のキーワードを背景に、今回は当該市場の中で成長が有望視されているポリフェニレンサルファイド(PPS)と溶液重合スチレンブタジエンゴム(S-SBR)の2製品の市場動向を解説する。

(1)ポリフェニレンサルファイド(PPS)の市場規模
 2012年実績2016年予測12-16年平均成長率
世界市場465億円604億円6.8%
富士キメラ総研調べ

PPSは、耐熱性、耐ガソリン性、電気的特性の良さを活かして、電装品やエンジン周辺部品として自動車の心臓部分に採用されている。主に欧米系自動車メーカーの高級車を中心に採用が広がり、2012年の市場は前年比19.2%増の465億円となった。今後はHV、EVへの適用も進み、採用部位も拡大して更なる市場拡大が予測される。

用途動向としては、近年は電装化の進展から電装品のウェイトが高い。また、耐薬品性や高強度を活かして冷却系部品や燃料系部品にメイン材料として使用されている。軽量化を目的に、アルミなどの金属代替として需要が拡大しており、アルミダイキャストなどの金属代替、PBTや汎用エンプラ等の他樹脂代替が進んでいる。

また、HVでは耐熱性の面からインシュレーターやコンバーターなどエンジン周り 部品で採用されている。ガソリン車ではPPSの使用量は1台当り400~500グラム程度であるが、HVではPPSがモーターインシュレーター用材料のスタンダードとなっており、電動ウォーターポンプの筐体部分に使用されるなど、PPSの使用量はガソリン車の3~4倍の1,200~2,000グラム程度となり、需要が増大すると考えられる。

アルミなどの金属代替、HVでの採用・使用量の増加により、2016年の市場は2012年から年平均6.8%成長し、604億円の市場規模が予測される。

(2)溶液重合スチレンブタジエンゴム(S-SBR)
 2012年実績2016年予測12-16年平均成長率
世界市場2,730億円3,750億円8.3%
富士キメラ総研調べ

S-SBRは、グリップ力と抵抗力低減を同時に実現できるため、低燃費タイヤ(エコタイヤ)のトレッド部に採用されている。低燃費タイヤは燃費向上、環境負荷低減などのメリットがあり、世界的に販売量が増加している。低燃費需要の高まりを受け、採用材料をE-SBRからS-SBRに切り替える動きもあり、S-SBR市場は好調で、2012年は前年比12.3%増の2,730億円となった。

日本では、2010年より低燃費タイヤのラベリング制度の制定・施行が開始されているため需要が先行しているとみられるが、欧州でも2012年11月よりラベリング制度スタートによる需要の高まりがみられ、原料であるS-SBR市場も今後の拡大が期待される。

2016年の市場は2012年から年平均8.3%成長し、3,750億円の市場規模が予測される。ただし、S-SBR市場は参入企業が多いため、価格低下の進行が懸念されており、金額ベースでは伸び悩む可能性もある。

次回は「メディカル・ライフサイエンスケミカル」の最新動向についてお伝えする。

参考文献:「2013年 自動車用ケミカル材料の現状と将来展望」
(2013年05月28日:富士キメラ総研)



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