ライフサイエンス・メディカル関連製品/材料市場 市場動向2

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今回は、ライフサイエンス・メディカル関連の注目ケミカル製品として、抗体医薬用アフィニティーゲル、人工腎臓、癒着防止フィルム・シート、ウイルス除去膜の4つの製品市場動向を解説する。それぞれ、市場規模伸長率の高い品目及び規模の大きな代表的製品を取り上げた。

■1.抗体医薬用アフィニティーゲル【バイオ医薬関連】
2012年実績2017年予測2012年比
24億円69億円2.9億円
富士キメラ総研調べ

抗体医薬の製造過程で、抗体精製に用いられるアフィニティクロマトグラフィー(生化学的な性質である特異的親和性を利用する分離法)用のカラム充填剤(ゲル)である。市場は抗体医薬市場に連動する。

2012年の市場は前年比33.3%増の24億円となった。国内生産二品目となる抗がん剤「ポテリジオ」(協和発酵キリン)が承認されたことから需要が拡大している。

抗体医薬は、がんや関節リウマチなど、患者数が多く効果的な治療が難しい疾患に対する治療薬として注目されている。2011年頃からバイオプラントの新設も相次いでおり、新規承認の抗体医薬の国内生産が増加すれば市場は拡大すると予想される。また、2014~2016年にかけて、いくつかの大型抗体医薬の特許が切れるが、バイオシミラー(抗体医薬を含むバイオ医薬品のジェネリック)の国内生産が増加すれば、さらに市場拡大が期待される。

■2.人工腎臓【人工臓器・整形材料】
2012年実績2017年予測2012年比
512億円530億円103.5%
富士キメラ総研調べ

人工腎臓(ダイアライザー)は腎不全などで腎臓機能が低下している患者に対して行う血液透析で用いる血液浄化器である。尿毒素の除去や余分な水分の除去など腎臓の一部機能を代替する。

2012年の市場は前年比0.4%増の512億円となった。保険償還価格の改定の影響を受け微増にとどまったが、透析患者数は年々増加しており、2013年は前年比1.2%増の518億円が見込まれる。今後も高齢化の進行によって透析患者数の増加は続くが、保険改定の影響などもあり伸び率は年々鈍化すると見られる。

■3.癒着防止フィルム・シート【ディスポーザブル・治療用材料】
2012年実績2017年予測2012年比
115億円158億円137.4%
富士キメラ総研調べ

手術後組織と健常組織との癒着を避けるため、組織間に貼り付けるフィルム・シートである。癒着防止フィルム・シートは一定期間後に生体に吸収される。適応症例は消化器系の切除、帝王切開、腹部・骨盤空手術などである。

2012年の市場は前年比11.7%増の115億円となった。保険適用の拡大などを背景に市場は拡大しており、2013年には前年比8.7%増の125億円が見込まれる。適用拡大しているが、必ずしも全ての適用症例に使用されているわけではないため潜在需要はまだあると見られる。また、2016年を目途に、新規参入を目指しているメーカーもあり、今後市場拡大が加速すると予想される。

■4.ウイルス除去膜【膜材料】
2012年実績2017年予測2012年比
17億円19億円111.8%
富士キメラ総研調べ

ウイルス除去膜は、主に血漿分画製剤、バイオ医薬品の製造工程におけるウイルス分離/除去に用いられる。2012年の市場は横ばいの17億円となった。血漿分画製剤製造向けの需要は年により若干の増減はあるもののほぼ横這いとなっているが、バイオ医薬品向けは年率10%程度で拡大している。バイオ医薬品向けは血漿分画製剤向けと比較すると小規模であるため市場の伸びへの寄与はまだ小さいが、今後もさらなる需要拡大が期待される。

次回は光源/照明用の有望部材・システム市場の動向について取り上げる。

参考文献:「2013年 メディカル・ライフサイエンスケミカルの現状と将来展望」
(2013年07月05日:富士キメラ総研)



注目業界の市場動向・将来展望


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