ティッシュ・エンジニアリング関連製品市場 市場動向1

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ティッシュエンジニアリングとは、生きた細胞を使い、本来の機能をできるだけ保持した組織・臓器を人工的に作り出す技術で、1993年に米国の研究者によって提唱された概念で、日本では再生医療を実現する手段として認識されている(kotobankより引用)。

京都大学の山中伸弥教授がiPS細胞研究でノーベル賞を受賞して以降、国が研究費用の補助金を増額するなど再生医療分野の産業化が急速に進み、また、医薬品や化粧品、食品などの研究開発分野でも細胞培養技術を利用した試験研究が盛んに行われるようになり、当該市場も脚光を浴び始めている。

そこで、今回は、細胞培養や細胞組織、培養機器、試薬などティッシュエンジニアリング関連市場を俯瞰してみた。なお、今回取り上げた市場の定義は下記のカテゴリで整理分類して取り纏めている。

市場カテゴリ対象製品
生体デバイス市場培養皮膚、培養軟骨、培養角膜、心筋シート、その他再生医療
人工生体材料用補填材市場皮膚補填材、骨補填材
細胞市場ヒト細胞、iPS細胞、ES細胞他
細胞培養施設・サービス市場細胞培養センター(CPC)、細胞/組織バンク
細胞培養機器・装置市場遠心分離機、CO2インキュベータ、自動培養装置、アイソレータ安全キャビネット/クリーンベンチ、滅菌器、凍結保存容器超低温フリーザ、薬用冷蔵ショーケース、フローサイトメーター細胞計数分析装置、セルイメージングシステムティッシュスライサー、破砕装置
セルカルチャーウェア/試薬市場細胞培養用シャーレ、細胞培養用プレート、細胞培養用フラスコ細胞培養バッグ、細胞培養用ゲル、細胞培養用培地、血清トランスフェクション試薬、細胞凍結保存液
富士経済調べ

ティッシュエンジニアリング関連製品の市場規模推移              (単位:百万円/%)
摘要\年次2012年(実績)2020年(予測)2030年(予測)
金額金額伸長率金額伸長率
ティッシュエンジニアリング関連市場全体5,75217,2625126.39,1410125.9
再生医療/医学分野9,88522,025222.838,515174.9
 生体デバイス市場3803,650960.510,600290.4
 人工生体材料用補填材市場
 細胞市場1501,080720.03,075284.7
 細胞培養施設・サービス市場2,1353,810178.54,920129.1
 細胞培養機器・装置市場6,33510,385163.914,280137.5
 セルカルチャーウェア/試薬市場8853,100350.35,640181.9
その他分野47,63650,600106.252,895104.5
 生体デバイス市場
 人工生体材料用補填材市場6,0456,450106.76,720104.2
 細胞市場1,0251,345131.21,755130.5
 細胞培養施設・サービス市場400800200.01,000125.0
 細胞培養機器・装置市場27,53828,605103.929,690103.8
 セルカルチャーウェア/試薬市場12,62813,400106.113,730102.5
富士経済推定

2012年のティッシュエンジニアリング関連市場は575.2億円となっており、前年から2.8%増の成長を続けている。当該市場で最大市場規模を形成しているのは基礎研究に欠かせない細胞培養機器・装置市場で338.7億円、次いで、セルカルチャーウェア/試薬市場が135.1億円で続く状況にあり、両市場とも前年から2%~3%成長している。

再生医療の中枢を担う生体デバイス市場に関しては、2012年までは培養皮膚のみが形成され約4億円の市場規模を有していたが、2013年には培養軟骨市場も形成されており、生体デバイス市場は2013年には7億円程度にまで市場の拡大が期待されている。

ティッシュエンジニアリング関連市場に於ける再生医療/医学分野の市場規模は2012年に98.9億円なのに対して、2020年には220.3億円、2030年には385.2億円にまで拡大する方向性にある。

ティッシュエンジニアリングは再生医療以外にも、創薬スクリーニングや化粧品の開発、食品の安全性試験などにも用いられており、様々な分野で細胞培養技術が使われており、今後も市場の成長が期待されている。

現在は自家培養が主力となっているが、必要な時に直ちに供給できないケースがあり、他家培養が可能となれば大量生産によるコストの削減や治療用としての普及が期待される。

次回はティッシュエンジニアリング関連市場の第二回として、各製品別の注目素材と製品トレンドについて解説する。

参考文献:「ティッシュエンジニアリング関連市場の最新動向と将来性 2013」
(2013年07月31日:富士経済)

注目業界の市場動向・将来展望


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