ティッシュ・エンジニアリング関連製品市場 市場動向3

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■各製品分野における注目素材と製品トレンド動向(前回よりの続編)
5.細胞培養機器・装置市場(その1)
製品名注目素材/製品トレンド
遠心分離機世界的には非冷却タイプが主流だが、日本は夏の暑さによる影響や米国などに比べてコールドルーム設置のケースが少ないため冷却タイプが人気。
CO2インキュベータ保温効率が高く温度安定性が良いウォータージャケトタイプは大学の研究者に人気が高い。一方、不妊治療や再生医療分野では滅菌が必要なためエアージャケットタイプの採用傾向あり。
自動培養装置iPS細胞の場合、毎日培地交換が必要となり、研究施設では要員常駐が課題となっている。
アイソレータ再生医療では無菌状態の環境が必要で、基本的には陽圧で管理をする。ウィルス感染実験などの研究の場合はバイオハザード対応が必要となり、陰圧で設計される。
安全キャビネット/クリーンベンチ作業者の利便性を考慮した製品開発(作業者の視点によるキャビネットサイズの設定、作業動線に合わせた空間の確保、長時間作業に対する疲労予防等快適性を考慮した工夫)
滅菌器オートクレーブ滅菌は対象物に水滴が付いているため乾燥機かデシケータなどで乾燥する必要がある。但し、乾燥機能付きは価格が高いため乾燥機能が無いノーマルタイプの製品が売れ筋となっている。また、予算がある場合でも乾燥機を別購入している事が多い。
富士経済調べ

CO2インキュベータは、東日本大震災以降、停電時の対策が重視され、新規購入者は停電の影響を受けにくいウォータージャケットタイプを選択する傾向にあった。但し、2012年以降は計画停電の心配も薄らいでおり、エアージャケットタイプの需要も回復している。

自働培養装置では、2013年1月にジェイテックとiPSアカデミアジャパンが共同開発した数日間培地交換の自動化が可能な簡易型iPS細胞用自動培養装置「CellPet」が上市されている。価格は500~600万円。

自動培養装置は最低でも1,000万円以上するため、半額程度で購入可能な簡易型は今後もアカデミアを中心に需要を拡大させると考えられる。

細胞培養機器・装置市場(その2)
製品名注目素材/製品トレンド
凍結保存容器液体窒素の蒸発損失量が多いと補充スパンが短くなるため、蒸発損失量の軽減が重要。また、特殊アルミニウム合金を使用し堅牢性・耐久性に優れた容器や、女性でも運び易いように軽量化の工夫もされている。
超低温フリーザ冷却回路の2基搭載型は賛否両論、省エネタイプがセールスポイントに。
薬用冷蔵ショーケーススライド式ではなくスイング式の保冷庫を上市(保存品の出し入れ簡便化を訴求)
フローサイトメーター免疫系から分子生物学・遺伝子系も視野。
細胞計数分析装置コールター法を採用した製品は消耗品が比較的高価であることから、トリパンブルーを始めとする染色法を採用した装置の比率が高まっている。
セルイメージングシステム3Dセルイメージング対応のニーズの高まりとともに、コンフォーカル(共焦点)レーザ顕微鏡に対応するケースが増加。
ティッシュスライサーミクロトームには回転式と振動刃式があるが、前者は研究分野の需要が多く、植物組織の観察用途で用いられている。回転式は手動式と全自動式があるが、樹脂を切る場合は固さの関係から全自動が選択される傾向にある。振動刃式は生きた細胞の培養目的で使用されている。
破砕装置製品が小型化している傾向にある。
富士経済調べ

超低温フリーザ内の保存品は貴重なものが多いため、1つのターボが故障しても保存品を守る事ができるように冷却回路を2基搭載している機種もある。しかし、電力消費量が大きく、2つの冷却回路はセールスポイントになりにくいため省エネ機能を高めた製品の開発を優先している企業もある。

薬用冷蔵ショーケースではスライド式の場合、熱の浸入や薬品を取り出すための有効間口が小さい等の問題もあり、スイング扉式の薬用保冷庫が発売されている。

薬用保冷庫の設定温度範囲は2℃~14℃であり、-20℃~-30℃のフリーザ部が付いている商品もあるが、基本的には同種とされるため、メーカーによってはショーケースと保冷庫を特に区別していない場合もある。

破砕装置の最近のトレンドとして、製薬メーカーを中心にマルチウェルタイプのプレート等で研究する傾向にある。マルチプレートではサンプル量が少なくて済むため破砕装置も小型が人気である。また、多数のサンプルを同時に破砕処理可能な多検体細胞破砕装置が需要を拡大させている他、破砕ムラが無く均一に処理できる装置も人気となっている。

次回は各製品分野における注目素材と製品トレンド動向の続編「セルカルチャーウェア/試薬市場」を解説する。

参考文献:「ティッシュエンジニアリング関連市場の最新動向と将来性 2013」
(2013年07月31日:富士経済)


注目業界の市場動向・将来展望


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