世界の半導体実装関連市場 市場動向2

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高密度化/高集積化が一層進行している半導体実装技術市場の第二回目は、注目される実装技術の市場動向についてまとめた。

1.注目プリント配線板の市場動向
1)ビルドアップ基板の市場規模予測【メイン基板:Any Layerタイプ】
2012年2025年予測12年比
1,426億円3,710億円2.6倍
富士キメラ総研調べ

2012年の市場は前年比70.0%増の1,426億円となった。2011年に基板メーカーが急激に生産能力を拡大したことで供給過剰に陥っており、2012年もその状態が続いた。

2013年はAppleに加えSamsung El.がGalaxyS4で採用し、需要は再び急激に増加している。また、ソニーやHuawei、Motorola、ブラックベリーのスマートフォンでもこの基板を採用していること、秋にSamsung El.が別の機種への採用を検討していることから、後半は一時的に供給が逼迫するとみられる。市場は前年比37.7%増の1,963億円が見込まれる。

アプリケーションはほとんどがスマートフォンであり、タブレットは筐体サイズがスマートフォンよりも大きいことから、高密度実装や配線の微細化メリットを有する“Any Layer”タイプのニーズは小さく、採用は進まないとみられる。一部デジタルカメラやウルトラブックPCに採用されており、スマートフォン以外でも採用が期待できるものの、大きな需要規模にはならないとみられるため、今後もスマートフォン需要中心で市場が形成すると予想される。

2)FC-CSP基板の市場規模予測(プリント配線板)
2012年2025年予測12年比
1,358億円2,465億円181.5%
富士キメラ総研調べ

FC-CSP基板はフィーチャーフォンやスマートフォン、タブレットの小型CPU(Central Processing Unit)向けが市場の大部分を占める。2012年の市場は前年比35.9%増の1,358億円となった。特にスマートフォンとタブレットの市場拡大に伴い拡大している。2013年もさらに拡大する見込みである。

スマートフォンでは、ほとんどの機種でベースバンドプロセッサーとアプリケーションプロセッサーに採用されているが、タブレットではベースバンドプロセッサーを搭載する端末が少なく、CPUのみの採用が多い。ポータブルゲーム機ではCPUとGPU(Graphics Processing Unit)に採用されるケースが多く、デジタルカメラではDSP(Digital Signal Processor)にFC(フリップチップ)ではない通常のCSP基板を採用するケースが多く、FC-CSP基板はハイエンド機種に限定されている。その他ではノートPCのインターフェース用コントローラICなどにも採用されているが、数量は少ない。

製造難度が高いことから単価の高い基板であり、アプリケーションも市場拡大が期待されるスマートフォンやタブレットであることから参入メーカーが年々増加しているが、一方ではコスト競争も厳しくなっている。今後市場は数量ベースでは長期的に拡大するが、金額ベースでは2016年以降低成長に転じると推測される。

3)モールドアンダーフィルの市場規模予測(その他実装関連製品)
2012年2025年予測12年比
3.2億円34.0億円10.6倍
富士キメラ総研調べ

2012年の市場は前年比3.2倍の3.2億円となった。アンダーフィルよりも価格が圧倒的に安いことに加え、一工程省くことが可能となるメリットがあり、ベアチップレベルの小型のマイコンなどから製品の流動性の向上によりCSPまで適用が可能となり、2011年からSamsung El.が製造するAppleのアプリケーションプロセッサーに採用されたことで市場が急拡大している。AppleおよびSamsung El.が採用に積極的であることに加え、MediaTekやQualcommも次期モデルへの採用を計画しているため、2013年の市場は2012年の5倍となる400t、16.0億円にまで拡大すると見込まれる。

モールドアンダーフィルの高性能化が進んでいるものの、キャピラリーや先付けのアンダーフィルとは一線を画した採用が続き、大きさはCSPまでで、狭ギャップ140μm以上の製品が中心となる見通しである。

2.注目半導体パッケージの世界市場
1)TSV(Through Silicon Via)の市場規模予測
2012年2025年予測12年比
2.0億個29.5億個14.8倍
富士キメラ総研調べ

TSVは、三次元のチップ積層パッケージを指し、従来、チップ間をボンディングワイヤーなどでつないでいたが、チップの内部を垂直に貫通する電極を形成してチップをつないだマルチチップパッケージである。「小型」「薄型」「高速化」が可能なパッケージとして注目されている。

TSVへの置き換えのターゲットとなっているのは、積層チップ・パッケージのMCPやPoPである。CPUやGPUの高性能化により、メモリーであるDRAMのスピードがついていけないことが表面化し始めており、高速化を狙っての置き換えが検討されている。

市場は、小型化を進めるイメージセンサー向けで本格化している。東芝、STMicroelectronics、OmniVisionに続いて、ソニーも出荷しており、さらなる市場拡大が見込まれる。量産品は、イメージセンサー以外に通信基地局用を中心とするハイエンドのFPGA(field-programmable gate array)やMEMSセンサー向けが期待されるが、価格が高く、出荷が始まったばかりであるため、どちらも市場拡大はこれからとなる。

現状ではロジックとシリコン・インターポーザを平面でつないだ2.5DのTSV市場しか立ち上がっていない。3DのTSVもメモリー向けでサンプル出荷されていたが、DRAMメーカーを中心に低価格や安定生産を見据えた量産技術を再度見直しており、市場の本格化は2015年以降になると予測される。

高密度実装に関しては技術、市場の両側面で日本メーカーがけん引しているが、リーマンショックを経て、セット機器需要の停滞により部材価格に対して強烈な低価格の要求があり、東日本大震災を経て高機能部材の生産を海外でも行えるようユーザーから迫られている。そうした中で、台湾や韓国の実装関連メーカーが技術力を高めてきており、日本の実装関連メーカーのポジショニングが問われている。

白物家電、デジタルAV機器、通信インフラ機器、車載機器市場は今後も新興国を中心に拡大していく中で、日本の実装関連製品メーカーは高付加価値な領域によりシフトしていく方向にある。今までは小型化&薄型化の両側面で世界をリードしてきたが、今後は高周波対応や低線膨張係数、高放熱、低コストプロセスといったキーワードに基づいた研究開発が活発化して行くであろう。

参考文献:「2013 エレクトロニクス実装ニューマテリアル便覧」
(2013年07月18日:富士キメラ総研)


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