断熱材・遮熱材・蓄熱/吸着材市場 市場動向3

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「エネルギー使用の合理化に関する法律」の改正や国土交通省、経済産業省、環境省の共同設置である「低炭素社会に向けた住まいと住まい方推進会議」において示された住宅・非住宅向け省エネ・CO2削減のロードマップでは、2020年度末を目処とした全新築建築物の「次世代省エネ基準」適合義務化、2030年度末を目処とした新築建築物平均でのZEH/ZEB化が目標として掲げられた。

この高い目標をクリアするためには、従来から注目されているHEMS・BEMSや創/蓄エネルギーをはじめとした”アクティブ”な省エネ手法だけでは不十分であることから、断熱材・遮熱材をはじめとした「熱マネジメント」を活用した”パッシブ”な省エネ手法が脚光を浴びている。2削減等の環境保全との観点のみならず、日本の産業力強化という観点からも注目が集まっている。

今回は、注目度の高い代表的な3製品を取り上げて、市場動向を解説する。

■真空断熱材市場
2012年2020年予測2012年比
96億円102億円106.3%
富士経済調べ

真空断熱材は、需要の大半を家庭用冷蔵庫向けが占め、400L以上の大型冷蔵庫にはほぼ採用されている。その他、飲料用自動販売機、保冷コンテナ、冷凍・冷蔵ショーケース用途を中心に、従来の硬質ウレタンフォームやグラスウール等からの代替、併用利用により需要を伸ばしている。中長期的には浴槽、床暖房、冷凍倉庫などの用途が広がると考えられる。また、JIS規格化が進められており、2018年頃までには制定されるとみられる。それにより、2020年までに予定されている「次世代省エネ基準適合の義務化」に向け、住宅用断熱材としての採用も増加が期待される。

普及の阻害要因となっている耐久性・高コストについては、技術革新やJIS規格化に伴う需要の増加による価格低下が期待される。一方、中国製の低価格品が日本向けに徐々に輸出量を増やしており、国産品との価格競争が進む可能性もある。

■高機能サッシ市場
2012年2020年予測2012年比
1,405億円1,710億円121.7%
富士経済調べ

上記の数値の対象は、断熱性を高めた高機能サッシ(断熱型サッシ)、具体的には住宅用のアルミ+樹脂の複合型サッシ、住宅用の樹脂サッシを取り上げている。住宅エコポイント制度の実施や東日本大震災に起因する省エネニーズの高まりを背景に、リフォーム向け製品が牽引する形で市場を拡大している。2013年は消費増税を見越した駆け込み需要、復興需要による新築住宅市場が好調である。また、8月から実施されている「既築住宅における高性能建材導入促進事業」によりリフォーム需要が喚起されるとみられる。

2013年以降、新築時における省エネ基準達成の義務化・ZEH(ゼロ・エネルギー住宅)化の進展を背景に、市場は、新築向け・リフォーム向け共に拡大が予測される。ただし、2014年~2015年については、消費税増税による新築住宅着工件数の減少を受け、小幅な伸長に留まると考えられる。

■潜熱蓄熱材市場
2012年2020年予測2012年比
9億円28億円3.1倍
富士経済調べ

潜熱蓄熱材は、以前から導入が進んでいる床暖房用途に加え、輸送用保冷剤用途、自動車用途などの新規用途での採用が進み、2012年の市場は9億円となった。2013年以降も、新規用途の成長に伴い市場拡大が期待される。ただし、主要用途である蓄熱式床暖房市場の停滞、新規分野がテスト出荷を含めた導入期であることから、2014年までは低い成長率に留まると予測される。

2015年以降は、自動車用途や保冷用途、産業分野における蓄熱などの用途で需要の増加が予測される。2010年代後半には蓄熱建材などが商品化され、2020年には2012年比3.1倍の28億円が予測される。特にマイナス20℃~100℃までの広範な融点設定が可能なパラフィンの高成長が期待される。

参考文献:「断熱・遮熱・蓄熱市場の現状と将来展望」
(2013年08月19日:富士経済)


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