光通信機器関連市場 市場動向2

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■地域別市場の現状と将来展望
2012年から2013年にかけてのワールドワイドにおける光通信関連市場は、これまで市場をけん引していた中国市場が2012年前半にやや低迷した。ただし、FTTxは順調に推移してきており、2013年は通年でワールドワイド市場の過半数を超える勢いで、特にG-PON市場が伸びるとみられる。

FTTxセグメントでは、以前からPONシステム市場をけん引してきたGE-PONが、日本・韓国などで需要ピークを過ぎ、2013年から減少に転じた。しかし、中国のG-PON市場が伸びており、2013年でG-PONがGE-PON市場を上回り、さらに拡大するという見方がある。一方、中国キャリアは軒並み収益が赤字体質のため、今後は投資を手控えるといった見解がある。

データセンター需要は北米を中心に引き続き好調である。データ量の増大に伴い100G/40G伝送の導入が加速している。データセンター市場は北米中心で動いているが、現状では実績が低いものの、施設の設置数で大幅な増加が予想される日本や、その他のアジアにおける光化需要の拡大に期待が集まっている。

ワイヤレスバックホールにおける光化需要は、LTE基地局市場拡大に伴い世界的に伸びている。特に日本、韓国など東アジアが好調である。従来の3Gと比較しても情報量が格段に大きくなっているため、これまで一般的であった10Gbpsクラスの光伝送から、40Gbps(2012年後半から需要拡大)や100Gbps(2013年後半から需要拡大)の導入が活況をていしている。アメリカではLTE基地局の設置に注力しているが、都市部と地方では普及度合いに大きな差がある。中国では3G基地局の敷設が終了し、中国版LTEの敷設が始まっている。アメリカ、中国ともに本格的なLTEの普及はこれからであり、ワイヤレスバックホールにおける光化需要の拡大が加速していくと期待されている。

■通信インフラにおける主要地域の光化動向
(1)米国
市場全般Verizon、AT&T等大手通信キャリアは10Gbpsインフラ⇒40Gbps DPSKを主力に投資してきたが、100Gbpsコヒーレントにシフトする方針。しかし、100Gbpsインフラの調達は2013年後半に持ち越され、その間は40Gbpsがつなぎとして最小限の規模で調達された。2013年後半以降の需要立ち上がりに期待。
FTTx北米のFTTx加入数は2012年に1,220万加入となりFTTHが圧倒的に多い。Googleが最大1GbpsのFTTHインターネット接続サービス「Google Fiber」を、米国カンザスシティで提供することを発表、Googleの参入により、米国の光化は急速に進むとの期待大。
モバイル基地局都市部はLTE基地局がかなり敷設されているが、郊外は進んでいない。地方では3G基地局の敷設も進んでいないところがある。光網は、都市部で基地局の光化が進んでいるが、郊外や地方では光ファイバー網が少なく、光化は進んでいない。
データセンター統合が進みセンター数は減少するものの、総床面積は増加している。BCP/DR関連需要、クラウド事業者からの拡張需要、政府等の公共機関での需要が見込まれている。

膨大なトラフィック需要の増大からデータセンター内の増設やメタル配線から光配線への変更が多くなっている。このため光関連部品の需要も最大地域である。
その他スマートグリッドの実証実験が終わり、本格普及の段階に入っている。アメリカのEEIによると、すでに3,600万世帯にスマートメーターが導入されている。
(2)欧州
市場全般フランステレコム、ドイツテレコムに代表される主要国の大手通信キャリアは、既設インフラの40Gbps以上へのアップグレードをコンスタントに進めている。
FTTx欧州のFTTx加入数は2012年に880万加入となり、増加傾向にあるものの累積加入数は日本や中国の累積加入者に追いついていない状況である。

低コストでアップグレード可能な高速FTTHネットワークの検討が進んでいる。同ネットワークは双方向リング構成で、CO(central office)を中心に複数の分岐点をリング上に設ける。リング上の分岐点の下流ではPONのように再分岐し、リング上に流れる信号はWDM方式を採用。

100万加入者を超える国はロシア、フランスのみで、FTTxへの投資は遅れているが、まだポテンシャルの非常に高い地域であると言える。欧州のFTTxへの投資が今後の市場成長要因。
モバイル基地局東欧では3G網の敷設が完了していない地域もある。一方、西欧や南欧ではLTE基地局設置が進行しており、地域により大きな差がみられる。

西欧や南欧は光ファイバー網が整備されており、基地局内の光化も進んでいる。また、東欧でも、ラトビア、エストニア、リトアニアなどは基地局内の光化が進んでいる。
データセンターブリティッシュテレコムなどの通信キャリアが中心となってデータセンターを建設している。市場規模は2012年に約1兆8,000億円となった。光関連部品の需要は地域面積や人口から考えると過小。

コスト削減ニーズを中心にデータセンター需要が高まり、センター数も増加傾向にある。
(3)アジア地域(日本除く)
市場全般中国大手キャリアでは40Gbps/100Gbps高速通信インフラ投資の方針。調達計画が流動的であるため、デバイスメーカーでは情勢確認に奔走中。2012年Q2ではChina Telecomが大口調達を行い、China Unicom やChina Mobileが追随するも本格調達は2013年後半に持越し。
FTTxアジアのFTTx加入数は2012年に6,810万加入となり、その内8割以上はFTTB+LAN。そのうち、中国のFTTx加入数は2012年に5,300万加入に達している。政府の政策により投資を縮小していたが、2013年に入り凍結した投資を再開している。

東南アジアではマレーシアの積極的な投資の姿勢が目立つ。2012年に初めて10万累積加入数を達成している。
モバイル基地局アジア地域では、ミャンマー、アフガニスタン、イランなど一部を除いてLTE基地局の敷設が始まっている。

光ファイバー網は東アジアでは整備が進み、基地局の光化も進んでいるが、その他の地域では光化が進んでいない地域が多い。
データセンターアジア地域でのデータセンター建設はこれからが本格化する時期である。現在の市場規模は7,000億円規模である。

中国では政府の後押しやクラウドサービスの進展による需要拡大など潜在需要は高い。インドでは、ECサイトの拡大によりホスティングサービス需要が増加している。シンガポールでは、政府の施策もありセンター数は増加している。
その他中国では2010年から「三網融合」のプロジェクトを進めている。通信ネットワーク、コンピューターネットワーク、ケーブルテレビを物理的に融合し、スマートグリッドとICTに応用を試みることが盛んに行われ始めた。中国政府は2012年に通信に対する設備投資を抑制しており、プロジェクトも凍結されていたが、スマートグリッドの光化に関しては中国がトップを走っている状況。
(4)日本
市場全般固定系キャリアの投資は減少傾向にあり、モバイルキャリアによるインフラ投資が活況。NTTドコモでは2012年より40Gbpsインフラの新規調達を進めてきたが、2012年11月には北米キャリアと同様に100Gbpsコヒーレントへのシフトを明言した。100Gbpsインフラは2013年Q2以降に調達が本格化したが、40Gbpsインフラも2013年中は需要が約束されている。

2014年以降は100Gbps中心の調達になると予想される。KDDIやソフトバンクモバイルは10Gbpsの既設インフラから、40Gbpsをスキップして100Gbpsコヒーレントにシフトする方針である。なお、Sprintを買収したソフトバンクモバイルではインフラ調達スキームが不透明。
FTTx日本のFTTx加入数は2012年に2,220万加入となり、2,000万台の大台を突破した。単年加入者はすでに横ばいとなっている。
モバイル基地局LTE化が進み、LTE基地局も多く設置されている。日本は、光ファイバーの年間の敷設量が中国、アメリカ、インドに次いで世界4位(2012年)と光ファイバー網は発達している。このため基地局の光化はかなり進んでいる。
データセンター日本のデータセンター建設はこれからが本格化する。現在の市場規模は1兆3,000億円規模。

関東圏、新設センターの増加に伴う競争激化がみられているものの、BCP/DR関連需要やクラウドサービスの普及など、新規需要の堅調な増加が予想される。

その他の地域は、地場ニーズは低く、クラウドサービスの拠点としてのセンターが多く、同サービスの普及状況に影響を受ける。
その他スマートグリッドの光化は、都市間通信、局間通信においてNTTやNCC(KDDI、電力系)の採用している光ネットワークを活用している。

参考文献:「2013 光通信関連市場総調査」
(2013年08月22日:富士キメラ総研)


2015年 エンプラ市場の展望とグローバル戦略 EnplaNet Books


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