中国のプラスチックフィルム・シート市場 市場動向1

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中国の人口は13億5,404万人(2012年)で世界の19.5%占めている。またGDP(国内総生産)は51兆9322億元(2012年)で2010年から世界2位となっている。経済成長率は以前よりも鈍化しているもの対前年比7~8%増を維持する見込みである。

中国は社会主義国でありながら、1978年から経済特区を設けて海外企業を誘致し、国内経済投資も活発に行ったことから、「世界の工場」と言われるように、世界最大のものづくり大国となった。

中国国内の総生産額は84兆4,268億元(2011年)で、特に機械・工業生産品や雑貨などの生産割合が多い。また、輸出規模も15%弱を占めており、約2兆ドル(12兆元)と世界1位となっている。

このような背景の中、中国のプラスチックフィルム・シート市場は2011年に1,238億600万元となり、2012年以降、年率6.4%の成長を続け、2015年には1,585億900万元に達する見込みである。景気後退の影を見せてはいるが、食品や雑貨などの分野を中心に市場成長を継続している。

今回は中国におけるプラスチックフィルム・シート市場に着目し、食品、医薬、農業、建築、電気電子などの各種産業におけるフィルム生産の状況について取り上げた。

■市場規模推移
摘要 2012年2013年(見込)2014年(予測)2015年(予測)
原反フィルム販売量4,378,8004,690,0504,864,8005,039,370
販売金額76,19083,10085,33087,270
原反シート販売量1,856,0001,988,0002,127,0002,276,000
販売金額33,96536,30038,81041,500
機能フィルム販売量1,044,8301,107,9701,201,8301,298,800
販売金額23,83726,35828,30929,999
合計販売量7,279,6307,786,0208,193,6308,614,170
販売金額133,992145,758152,449158,769
北京凱美莱信息咨詢有限公司調べ

中国プラスチックフィルム・シート製品は、浙江省、江蘇省、広東省などの沿岸部での生産が中心となっている。経済状況などにより変動する可能性があるものの、2015年の市場は、2012年比18.3%増の861万tが予測される。

原反フィルム・シートは、前年比6.1%増の623万トンとなった。2015年の市場は2012年比17.5%増の732万トンが予測される。農業用PEフィルムが全体の36%を占め、次いでPETフィルムやA-PETシートの構成比が高い。PET系フィルムは、包装材料用途、工業材料用途で一定の需要がある。他には、食品、洗浄用品、薬品などの包装で使われるL-LDPEフィルム(シーラント用)、導光板や拡散板などの光学用途で需要が多いPMMAシートの構成比が高い。PCシートは、建材用途やLED用途で市場拡大が期待されている。

機能フィルムは、前年比5.1%増の104万トンとなった。工業製品、物流、農業(牧草の保管)に使われるストレッチフィルムが38%を占めている。シュリンクフィルムは、食品・飲料用途がビールや飲料などの市場拡大に伴って需要が増加している。上記2品目に包装用アルミ蒸着フィルムを加えた3品目で機能フィルム市場の90%を構成している。今後は、LiBセパレーターやITOスパッタリングフィルムなどの電子材料関連の市場拡大も加わり、2015年の市場は130万トンが予測される。

■各製品の市場概況
中国のフィルム市場は日本と比べて人口が10倍であるため、基本的な物量は大きい。例えば、農業用フィルムでは、日本ではPEとPVC、PO系フィルムがそれぞれ使用され年間9.2万tレベルであるが、中国はPEだけでも225万t、PVAやEVAを合わせると総量は235万t規模にある(日本の25倍)。

ラップやストレッチフィルム関連では、日本はストレッチフィルムを合わせた市場でPE]系、PVC系、PVDC系を含め13万tレベルだが、中国ではPEだけで少なくとも60~100万t以上の市場がある。ただし、PVCは中国で嫌われる傾向があり、ほとんど使われず、PVDCの高機能品が一部みられる。

物量の大きい製品としては、PET系フィルム・シートの規模が大きい。PETフィルムの市場規模は50万t規模と推定されていたが、実際はローカルメーカーなどを合わせると需要規模で100万t(実際は加工品の輸入も一部含まれるため、80万tレベル)あった。中国のPETフィルムの生産能力は、少なくとも180万t規模あり、設備は過剰だが、まだ投資が続いている。

A-PETは日本の市場が25万tレベルであることを考えると3倍程度にとどまるとみられ、その割合は小さいと言える。日本はサラダやデザートなど個食×透明容器化が進んだことや鶏卵パックなどで一定の需要を形成しており、中国でも各種食品用に使われてはいるが、日本のような個食化には至っていない。また鶏卵パック自体は紙パックが主流であり、むしろ電子部品包材向けの利用が大きいことが特徴である。

PMMAシートやPCシートは、LCDの導光板や拡散版として利用されているが、テレビパネルの売れ行きが弱く、LEDや建材需要としての伸び率の方が大きいとみられる。

日本からは中国向けに10万トン以上のプラスチックフィルム・シートの輸出を行っており、特にPETフィルムなどの輸出量が多い。また、PETフィルム、容器用シート、ONYフィルム、電子材料用フィルムは現地生産も進められている。

参考文献:「2013年 中国プラスチックフィルム・シート市場の展望」
(2013年10月15日:富士キメラ総研)

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