デジタルAV機器市場 市場動向1

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日本国内のデジタルAV機器市場は2011年の地上デジタル放送移行ののち、特需の終息に伴う需要減に見舞われてきたが、2013年以降、4K-TVが各社より本格的に上市され、またオーディオについても「ハイレゾ」対応製品の本格上市により、需要回復を狙って今後のAV機器需要拡大に向けた足がかりとなっている。

製品のコモディティ化や従来方式の機器普及率の成熟化を打開し、4K/ハイレゾといった機器本来の機能を高めることによる訴求のほか、ユーザー利用シーンの創出や新たな価値観の創出を進めていくことが重要で、スマートグラスやスマートウォッチなどの「ウェアラブル機器」と呼ばれる新しいカテゴリーの製品が期待されている。

さらに普及が進む「スマートデバイス(スマートフォン/タブレット端末)」が、これまでのAV機器からの代替となり得ることで直接の競合となるほか、ワイヤレスネットワーク/配信コンテンツの進展によって、マルチディスプレイ化が進む中で連携が一層進む見通しである。

そこで、今回はデジタルAV関連機器を対象に、各製品の市場動向や製品化のトレンド、今後の方向性等を解説する。

■デジタルAV関連機器の国内市場規模推移
2013年見込2017年予測13年比
4兆5,077億円4兆7,124億円104.5%
(富士キメラ総研調べ)
2013年は、4K(3,840×2,160)以上の解像度に対応した“4K-TV”や“ハイレゾ”対応のオーディオ製品の本格投入により、今後のデジタルAV機器の需要拡大に向けての足がかりとなる一年となった。市場が持続的に発展していくためには4Kやハイレゾといった専用機器本来の機能を高めていくことが重要となってきている。

2014年にはスマートグラスやスマートウォッチといった“ウェアラブル機器”の展開が本格的にはじまると想定され、新たな利用形態や活用シーンの提案により、今後の市場創出に向けた重要な一年になると考えられる。

また、配信型コンテンツサービスの拡充がデジタルAV機器の“ネットワーク対応”につながってゆくとみられる。ネットワーク対応製品の増加によって、PCやホームサーバーなどのデータ保存先からスマートデバイス(スマートフォン・タブレット)でコンテンツをシームレスに取得することが可能になるほか、スマートTVのサービス内容にも影響すると想定される。今後デジタルAV機器需要の創出にとって、ネットワークへの対応の重要性がより高まってゆくと考えられる。

■注目デジタルAV機器の国内市場動向
1.デジタルTV(国内市場規模)
 2013年見込2017年予測13年比
デジタルTV570万台920万台161.4%
4K-TV3万台220万台73.3倍
(富士キメラ総研調べ)
2013年までは地上デジタル放送移行後の需要低迷で国内のデジタルTV市場は縮小したが、2014年以降、買い替え需要の拡大が予想される。

中でも市場をけん引するのは4K-TVであり、2012年後半にソニー、東芝、2013年にはシャープ、パナソニックが本格参入したことで、2013年は3万台となった。製品価格が高いこともあり、爆発的な拡大には至っていないものの、2014年には配信型の4Kコンテンツ供給が始まる予定であることや、徐々に低価格化が進むことで普及が加速し、2017年には200万台を突破すると予測される。

日本だけでなく世界でも4K-TVの需要は拡大しており、低価格モデルの普及が急速に進む中国が当面けん引し、欧米でも徐々に低価格化が進むことで拡大し、世界市場は2013年の186万台から2017年には6,620万台になると予測される。

2.ウェアラブル機器(国内市場規模)
2013年見込2017年予測13/17年伸長率
540万台1,250万台2.3倍
(富士キメラ総研調べ)
ウェアラブル機器として、ウェアラブルカメラ、スマートウォッチ、スマートグラス、活動量計/歩数計を対象としている。活動量計/歩数計の底堅い需要に加え、2014年はスマートウォッチとスマートグラスが主力となり市場をけん引するとみられる。

スマートウォッチは、スマートデバイスと連携して端末の機能やアプリケーションを遠隔操作できるほか、電話の着信やメールの受信など、端末の発信情報を通知する腕時計および腕時計型多機能端末である。現在は対応するスマートデバイスの種類が少ないこともあり、需要は限定的であるが、潜在ユーザー層の取り込みや対応端末の増加により、2017年には300万台を突破すると予測される。

世界市場においては、2013年はウェアラブルカメラとスマートウォッチの需要が増加している。特にスマートウォッチに関しては北米や欧州といった先進国以外にも、スマートフォンの普及が進む中国を含むアジア地域での需要の拡大や参入メーカーの増加に伴う活性化が期待できる。

3.オーディオ機器(国内市場規模)
2013年見込2017年予測13/17年伸長率
349万台362万台103.7%
(富士キメラ総研調べ)
2013年の国内のホームオーディオ市場はアンプ、システムコンポの低迷もあり縮小したが、2014年以降はハイレゾをキーとした需要掘り起しに加え、スマートデバイスとの連携が進むホームシアターシステムがTVの買い替え需要と連動して拡大するほか、PCやスマートデバイスに接続して利用できるアクティブスピーカーの需要が拡大し、2017年には13年比3.7%増の362万台が予測される。

世界市場においても、ホームシアターシステム、アクティブスピーカーがけん引し、拡大が続くとみられる。いずれもスマートデバイスやBluetoothと融合した手軽なオーディオとして需要を拡大しているが、金額ベースでは低価格製品の普及で微減が続くと予測される。

■デジタルAV関連機器の世界市場
参考:<世界のデジタルAV関連機器の展望>
2013年見込2017年予測13年比
59兆7,335億円66兆8,977億円112.0%
(富士キメラ総研調べ)
世界では今後4K-TVがスポーツイベントの続く南米や経済発展が続くアジアなど旺盛な新興国での需要が期待され、拡大すると考えられる。また、ウェアラブル機器がスマートデバイスや他のAV機器と連動しながら拡大し、2017年に市場は13年比12.0%増の66兆8,977億円が予測される。

参考文献:「デジタルAV機器市場マーケティング調査要覧 (2014年版)」
(2014年02月03日:富士キメラ総研)

2015年 エンプラ市場の展望とグローバル戦略 EnplaNet Books


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