UV硬化樹脂とレジストの世界市場

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今回は塗料・コーティング材、インキ、接着剤といったUV硬化型製品、半導体、プリント基板、FPDなど電子デバイスの製造工程で用いられるレジスト関連製品、これらの原材料の世界市場の動向を取り上げる。

(株)富士経済の調べによると2018年における世界市場の規模は、UV硬化型製品が8,194億円(対2013年比31.7%増)となりインキ・接着剤がけん引し、レジスト関連製品は5,357億円(同11.0%増)でArF用半導体レジストがけん引するとしている。

(1) UV硬化型製品の市場規模推移
2013年見込2018年予測2013年比
6,220億円8,194億円131.7%
(富士経済調べ)
UV硬化型製品の内訳としては、UV硬化型塗料・コーティング材、フィルム用UVコーティング材、UVインキ、UV接着剤を対象とし、2013年は前年比7.5%増となる模様である。

塗料・コーティング材は、拡大するスマートフォンやタブレット向け、堅調な自動車向けの需要があるものの、フィーチャーフォンや光ディスク向けといった大口用途の減少が続き、市場は縮小している。また、フィルム用コーティング材は需要が飽和気味であり、微増にとどまった。

一方、インキは硬化型インキ需要の底堅さに加え、インクジェットインキ、3Dプリンタ用樹脂の需要が増加しており、今後も市場拡大が予測される。また、接着剤もタッチパネル用OCAやOCRが高い伸びを示している。

2018年は、塗料・コーティング材の需要縮小が続くものの、インキ、接着剤の堅調な拡大が予測される。

(2) レジスト関連製品の市場規模推移
2013年見込2018年予測2013年比
4,828億円5,357億円111.0%
(富士経済調べ)
レジスト関連製品は、半導体用、プリント基板用、FPD用を対象とし、2013年は微細配線化の進展により半導体レジストの中でも単価の高いArF用やKrF用などの先端レジストが拡大した。また、中国での薄型テレビの生産拡大によりFPD用レジストも伸び、全体としては前年比4.5%増が見込まれる。

スマートフォン、タブレットの普及、中国における薄型テレビの生産拡大、自動車の電装化などにより需要は堅調である。各種電子デバイスへの要求も高度化していることから、先端レジストが市場をけん引することで、2018年は2013年比11.0%増が予測される。

(3) 当該製品の原材料市場規模推移
2013年見込2018年予測2013年比
5,535億円5,569億円100.6%
(富士経済調べ)
原材料は、UV関連材料としてアクリレートモノマー、メタクリレートモノマー、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、脂環式エポキシを、レジスト材としてはアダマンタン誘導体、g/i線レジスト用ポリマー、KrFレジスト用ポリマー、ArFレジスト用ポリマーが対象で、2013年は価格競争や需要拡大に伴う単価下落により前年比0.5%減となる模様だ。

UV硬化製品関連では安価品を展開する韓国や台湾、中国などのメーカーが台頭し、価格競争が激化している。レジスト関連では、半導体レジスト(ArF用)で使用されるアダマンタン誘導体、ArFレジスト用ポリマーが伸びているものの、コスト削減要求が強く単価は下落している。このため全体としては伸び悩み、2018年は2013年比0.6%増と予測される。

(4) 注目製品の市場動向
UV硬化型インクジェットインキ
2013年見込2018年予測2013年比
722億円790億円109.4%
(富士経済調べ)
UV硬化型インクジェットインキは、密着性、速乾性、色再現性に優れ、ガラス、金属板、プラスチック、木板など非吸収材への印刷が可能という特徴があり、産業用途での採用が多い。

2013年の市場は前年比3.1%増と見込まれる。日本では大判や大量の印刷は価格の安い溶剤インキが主流で、UV硬化型インクジェットインキの需要は限定されるが、欧米では高速、大型の大判プリンタが普及している他、近年では中国や東南アジアなどでも採用されつつある。

特に中国では欧米へ輸出する印刷物でUV硬化型インクジェットインキが普及しており、他の新興国でも現状は溶剤インキが主流であるものの、印刷市場の規模が大きいことからまとまった需要が期待できる。新興国での需要拡大により、2018年の市場は2013年比9.4%増と予測される。

なお用途は、屋外の広告看板をはじめとしたサインディスプレイを中心に採用される。また、インクジェット方式は短納期、多品種少量印刷に適したシステムであり、サインディスプレイに加えパッケージ、ラべル、シールの印刷での採用も拡大している。

半導体レジスト(ArF用)
2013年見込2018年予測2013年比
515億円740億円143.7%
(富士経済調べ)
ArF(フッ化アルゴン)レジストは、ArFレーザーを用いて、半導体の回路パターンを描くためのポジ型(レーザーを照射すると薬品溶解性が増大し、レーザー照射部が除去される)フォトレジストである。ドライタイプと液浸タイプがある。

2013年の市場は前年比14.4%増の見込である。スマートフォンやタブレットといったモバイル端末向けが好調な他、電子デバイスの大容量化、高速化、高集積化の進展により拡大している。コスト削減を目的にレジストの薄膜化が進み1枚、1工程あたりの使用量は減少しているが、ArFレジストはレイヤー数や工程数が多いため使用量が多く、今後も需要が続くとみられる。ドライタイプは微増であるが、液浸タイプは毎年二桁近い拡大が続き、2018年の市場は2013年比43.7%増と予測される。

参考文献:「2014 光機能材料・製品市場の全貌」
(2014年02月28日:富士経済)

2015年 エンプラ市場の展望とグローバル戦略 EnplaNet Books


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