新興国のインフラ需要や自動車向けなどで注目されるワイヤ/ケーブル、コネクター材の世界市場 市場動向2

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第2回目は製品レベルの用途別市場について取り上げた。

●ワイヤ/ケーブルの素材市場規模推移      (金額ベース:百万円)
摘要\年次2012年2013年(見込)2017年(予側)
電力インフラ9,880,00010,410,00010,925,000
通信インフラ1,530,0001,628,0001,873,000
電子機器1,663,0001,687,5001,692,000
自動車2,287,0002,450,0002,888,000
巻線/マグネットワイヤ2,253,0002,458,00030,02,000
その他産業用974,0001,031,0001,115,000
合計18,587,00019,664,50021,495,000
富士キメラ総研調べ

需要の5割以上を占める電力インフラ向けは新興国のインフラ需要が今後も期待される。製品種別ではインフラ整備が進むにつれて送電用の比率が下がり、配電用/配線用が中心の市場となる。国内市場では送電用はリプレース中心で国内電力インフラ市場の5%程度である。

新興国市場を除けば既に成熟市場であるが、今後ブレイクスルーが期待されるのが送電ロスを防ぐことができる超電導ケーブルである。環境問題や原発を含めた電力供給問題などからも注目度は高いが、現状では実証実験レベルを抜け出せておらず、本格的な普及には少なくとも5~10年はかかると考えられる。それでも実用化されれば、大幅な張り替え需要が期待される。

通信インフラ向けでは、光ファイバーケーブルが急速に普及しており、先進国では需要のピークは過ぎたが、中国や東南アジアなどでは拡大している。光ファイバーは心線の重量が非常に軽量であり、市場規模ではメタルケーブルの比率はまだ高いが、ケーブル長比較による通信インフラ向け需要は光ファイバーがメインである。

メタルケーブルについては、使用環境が悪い場所などにおいて光ファイバーケーブルではなく、同軸ケーブルやLAN用ケーブルなど、安定した需要がある。

電子機器向け需要は、主要な家電・電子機器の生産台数が堅調な推移をみせているが、小型機器を中心にFFC(フレキシブルフラットケーブル)/FPC(フレキシブルプリント基板)などの従来ワイヤ/ケーブルを使用しない内部配線が普及したことで、トータル需要は横ばい程度となっている。

現状では外部配線用として必ず必要な電力コードや、FFC/FPCへシフトしていない一部の機器/用途向けの内部配線用フックアップワイヤなどが市場の中心である。将来的にはワイヤレス技術の進展とともに、機器1台当たりのワイヤ/ケーブル使用量はさらに減少する可能性も考えられる。

自動車用はHV/EV向けの高圧電線の需要が伸びている。回路数は少ないものの、1回路当たりの搭載重量は多く、HV/EVの普及拡大によってさらに市場が拡大する見通しである。

自動車内で使用されるワイヤ/ケーブルは、自動車の生産台数拡大や1台当たりの回路数増加などによって、市場は大きく伸長している。他の分野に比べて使用環境が過酷であり、エンジンルームなど高温に適応した耐熱性、耐腐食性、耐油性、振動を含めた耐久性、軽量化に必要な細線化や柔軟性など、技術要求が高く製品単価も高い。

素材別では銅線が中心であるが、軽量化や銅価格の高騰などにより、近年アルミ線の製品化が増えている。現状では腐食などの問題から車室内の一部でテスト的に採用される程度にとどまっている。軽量化に関しては銅線の細径化や被覆材の薄肉化など、アルミ化だけでなく多方面から開発が進められている。

巻線/マグネットワイヤは電子機器や自動車のコイル・モーターなどに採用されている。特に、HV/EVでは駆動用や発電用のモーターなどは大きいサイズの巻線が採用されており、ガソリン車に比べて1台当たりの採用量も多い。今後HV/EVの普及拡大によってさらなる需要増が期待される。

素材の主力はエナメル線であり、全体の9割を占めている。エナメル線では汎用向けと位置付けられるポリエステル系が中心であったが、耐熱ニーズのある自動車向けの拡販によりポリエステルイミド系比率が高まっている。横巻線は重電など電力インフラ向けに一定の需要がある。

参考文献:「2014年版 次世代ワイヤ/ケーブル関連マテリアル市場調査総覧」
(2013年12月06日:富士キメラ総研)


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