自動車用電装システム、デバイス&コンポーネンツ市場 市場動向1

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自動車の電装化は「走る」「止まる」「曲がる」などの基本的な機能が電子化され、「環境」「安全」「快適」をテーマにそれぞれの機能をインテリジェント化させることを第1世代とするなら、現在は第2世代のフェーズに移行しつつあるといえる。第1世代で築いた技術を大衆車へと普及させるための低価格化と、単独機能のインテリジェント化から、他の機能と協調させるスマート化へと開発の重点が置かれ始めている。
今回は第二世代を迎えた車載電装デバイス&コンポーネンツの世界市場動向について解説する。

■市場動向
車載電装システムの2013年の世界市場は、前年比3.4%増の12兆7,387億円となった。特に、環境規制の強化によりパワートレイン系、HV/PHV/EV/FCV系、また搭載の義務化が推進されている走行安全系の拡大が注目される。

■カーエレクトロニクスの発展を支えるシステムの市場規模推移
(WWベース)
 2013年実績2025年予測2013年比
パワートレイン系6兆5,912億円10兆6,997億円162.3%
走行安全系1兆8,950億円3兆8,642億円2.0倍
HV/PHV/EV/FCV系7,107億円4兆3,276億円6.1倍
ボディ系2兆2,694億円3兆1,037億円136.8%
情報系1兆2,724億円4兆5,698億円3.6倍
合計12兆7,387億円26兆5,650億円2.1倍
富士キメラ総研調べ

最も市場規模が大きいのはパワートレイン系で、2013年の市場は6兆5,912億円となった。環境規制の強化、また燃費改善に向けて、今後も搭載が増加するとみられる。その取り組みとして、運転状況に応じた最適で緻密な制御をするための研究開発が進められている。

2020年以降の環境規制をクリアするために、日本ではガソリンエンジン+ハイブリッドシステム、米国では変速制御の多段化、欧州ではダウンサイジングエンジン+マイクロハイブリッドシステムの方向性にあり、燃費改善は、エンジンのダウンサイジングとアイドリングストップ・システムの搭載が有力視される。更に、エンジンパワーを補う機器やセンサーの搭載も必要とされている。

HV/PHV/EV/FCV系は、最も急成長が期待される分野であり、2025年には2013年比6.1倍の4兆3,276億円が予測される。これらのシステムは、エンジンに代わる新しい駆動システムのため、エンジンマネジメントシステムと異なる特有のセンサーなどの搭載が進むとみられる。現在は開発途上システムということでコスト高が許容されているが、デバイスやコンポーネンツ等低価格システムの開発が進むと想定される。

走行安全系は、「ADAS(先進運転支援システム)」の成長を軸に市場が拡大するとみられ、2025年には2013年比2.0倍の3兆8,642億円が予測される。低価格車載カメラを搭載して、簡易かつ高精度を実現した「緊急自動ブレーキ」の搭載が急速に拡大したように、走行安全系システムの更なる普及には低コスト化が必要と考えられる。現状では各システム内に複数の同一センサーを搭載する必要があるが、低コスト化のために、1個のセンサーで複数システムに利用する提案がされている。

ボディ系は、「ボディ統合制御システム」など、先進国では既に搭載率が高いシステムもあるため、他分野に比べて市場の成長率はやや低めである。とは言え、新興国の需要拡大が見込め2025年には2013年比36.8%増の3兆1,037億円に達すると予測される。

デバイスやコンポーネンツの動向としては、従来の手動操作から小型モーターによる電動制御が増加するとみられる。更には、スイッチによる電動制御から自動制御へのシフトも進むため、小型モーターに加えてセンサーの需要増加が想定される。

情報系は、他システムとの統合を図りながら市場を拡大させ、2025年には2013年比3.6倍の4兆5,698億円が予測される。運転時の情報をドライバーに的確に知らせる必要から、情報表示の手段として液晶ディスプレイの搭載が増えるとみられ、また、情報表示の際には運転の妨げとならない工夫が必要であるため、タッチパネルやタッチセンサーの搭載も進むと想定される。加えて、車内のみならず外部情報をドライバーに知らせる必要性も増すため、通信モジュールの需要増加も考えられる。

尚、次回からは市場の有望性が見込める注目機器/システムを取り上げる。

追記:市場規模の集計対象としたシステム群
パワートレイン系ガソリン/ディーゼル・エンジンマネジメントシステム、アイドリングストップ・システム、回生エネルギーシステム、変速制御システム
HV/PHV/EV/FCV系HV/PHV/EV/FCVシステム
走行安全系ブレーキ制御システム、ステアリング制御システム、ADAS(先進運転支援システム) 、エアバッグシステム
ボディ系ボディ統合制御システム、エアコンシステム、ヘッドランプシステム、電子キーシステム、タイヤ空気圧警報システム、セキュリティシステム
情報系車載メーターシステム、IVIシステム、HUD(ヘッドアップディスプレイ)、車内外通信システム
富士キメラ総研調べ

参考文献:「車載電装デバイス&コンポーネンツ総調査 2014」
(2014年02月24日:富士キメラ総研)

注目業界の市場動向・将来展望


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