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タッチパネルはスマートフォン、タブレットPC、ノートパソコン、ATM、そしてカーナビゲーションなどの主に小型画面サイズの機器に採用されて来た。しかし、最近、オールインワンPC、電子黒板、大型ノートパソコンなどの大型機器にも採用され始めている。それは、画面サイズが大きい程処理データ容量が大きくなるため、透明電極の抵抗が重要になることを意味する。 今回は第二世代を迎えた車載電装デバイス&コンポーネンツの世界市場動向について解説する。
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ITOフィルムより抵抗の低いITOガラスを用いる場合、20~30インチ台まではITOガラスで十分タッチの実現が可能だが、重量と厚さ、デザインの自由度の低さ、割れる恐れ、シート単位プロセス採用による生産性の低さなどの短所があり、その克服のための様々な工夫が行われている。特に、大型ディスプレイでは抵抗の高いITOフィルムを使えないため代替材が既に使われている(実際には、ITOフィルムの代替と言うよりは重くて不便なITOガラスを代替する市場と考えるほうが正しい)。さらに、ITOに用いられるインジウムは希少金属のため供給が制限され、価格が高いことからも、これも代替理由の一つと見られる。 今回は第二世代を迎えた車載電装デバイス&コンポーネンツの世界市場動向について解説する。
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このような市場環境の中で、各方式別の占有状況を下記の円グラフに示した。 今回は第二世代を迎えた車載電装デバイス&コンポーネンツの世界市場動向について解説する。
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■静電容量式タッチパネル方式別構成比・数量(枚数)ベース (2013年・2018年予測)
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富士経済調べ |
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2013年は、フィルムセンサー型がガラスセンサー型の代替需要を取り込み、構成比を46%に拡大させた。カバーガラス一体型も採用を増やしている。また、インセル型、オンセル型は先進国向けのハイエンドのスマートフォンに搭載され、構成比率を上昇させた。
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今後もフィルムセンサー型が、ローエンドからミドルクラスのスマートフォンに採用されるとみられ、2018年には構成比の63%を占めると予測される。また、カバーガラス一体型も、中国のタッチパネルメーカーがスマートフォンやタブレット端末への販売攻勢を強め、構成比率は上昇すると考えられる。インセル型、オンセル型は引き続きハイエンド機種を中心に搭載され、一定の構成比率を維持するとみられる。
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●フィルムセンサー型の世界市場
| 2013年実績 | 2018年予測 | 2013年比 |
数量 | 6億3,800万枚 | 12億9,840万枚 | 2.0倍 |
金額 | 8,656億円 | 1兆4,747億円 | 170.4% |
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フィルムセンサー型の2013年の市場は、前年比2.0倍の8,656億円となった。低価格化が進んだフィルムセンサー型が、ガラスセンサー型の代替として選択され、数量ベースで大幅に伸びた。加えて、タブレット端末やノートPCなどサイズが大型化したこともあり、金額ベースでは数量ベース以上に拡大した。
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フィルムモジュールは軽量で安価なため、今後もローエンドからミドルエンドまでのスマートフォンで主流になるとみられる。また、一部ではハイエンド機種でも採用が拡大すると考えられる。タブレット端末ではカバーガラス一体型と競合するため、フィルムセンサー型にコストダウンが要求される。小型から大型までの幅広いサイズに適応できることが強みであり、今後も主流の方式として拡大を続け、2018年の市場は2013年比70.4%増の1兆4,747億円が予測される。
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●カバーガラス一体型の世界市場
| 2013年実績 | 2018年予測 | 2013年比 |
数量 | 1億2,530万枚 | 3億2,550万枚 | 2.6倍 |
金額 | 1,735億円 | 3,014億円 | 173.7% |
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カバーガラス一体型の2013年の市場は、前年比2.8倍の1,735億円となった。中国メーカーや日系メーカーのタブレット端末用途で採用され、市場は拡大した。一方、需要増加を見込んで台湾メーカーを中心に生産能力を増強したが、タッチパネル搭載型ノートPCの販売が想定よりも伸び悩み、供給過剰から中大型サイズの価格が急落した。
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日系スマートフォンメーカーでは、フィルムセンサー型への切り替えがみられるものの、中国スマートフォンメーカーはミドルエンドからハイエンド機種を主体にカバーガラス一体型の調達量を増やすとみられる。その背景には、低価格化が進んだことでコストメリットも評価されるようになり、タブレット端末やノートPC用途での需要拡大が期待されている点にある。
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今後は中国スマートフォンメーカーのローエンドからハイエンド機種向けの需要がけん引すると共に、低コスト化と薄型・軽量化、光学特性の向上により中大型サイズ向けで需要が高まり、2018年の市場は2013年比73.7%増の3,014億円が予測される。
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参考文献:「2014 タッチパネルと構成部材市場の将来展望」 (2014年04月18日:富士経済)
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