大型二次電池の世界市場 市場動向2

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成長著しい大型二次電池の世界市場の動向は、今回と次回に渡り注目される製品を取り上げ、その成長性について解説する。

電力貯蔵システム向け二次電池の市場規模推移
システム2013年実績2025年予測2013年比
住宅用蓄電425億円3,594億円8.5倍
電力貯蔵(需要家設置)143億円1,076億円7.5倍
大規模貯蔵(系統設置※)467億円2,633億円5.6倍
合計1,035億円7,303億円7.1倍
富士経済調べ
※大規模貯蔵(系統設置):太陽光発電向け、風力発電向け、電力貯蔵系統向けを指す

■住宅用蓄電
住宅用蓄電システムは、現状アメリカなどでの非常用電源用途が多く、今後はドイツを中心とした欧州やオーストラリアなどにおけるピークシフト用途、系統インフラが未整備な一方で住宅の電力需要が拡大しているインドやアフリカ諸国などでの独立電源用途の拡大が期待される。

国内では、東日本大震災を契機として大手ハウスメーカーが住宅用蓄電システムを採用した住宅を相次いで展開し、新築住宅向けを中心に市場が形成された。既に需要の中心は太陽光発電システムを設置する既築住宅に移っている。2016年の電力小売自由化によって一般住宅を対象としたアグリゲーションサービスなどが増え、住宅用蓄電システムを扱う事業者の増加が予想されることから、中長期的な拡大が予測される。

採用される二次電池については、非常用電源用途では鉛電池が主流である。ピークシフト用途でも鉛電池の採用が一部でみられるが、日常的な電力需給に合わせた充放電などのサイクル性能が重視されるためリチウムイオン電池が中心となっている。今後、サイクル性能が必要とされるピークシフト用途、独立電源用途がけん引することで、リチウムイオン電池市場が拡大していき、2025年には住宅用蓄電システム向け二次電池市場の9割をリチウムイオン電池が占めると予測される。

■電力貯蔵(需要家設置)
商業施設や産業施設、公共施設など、非住宅向けの電力貯蔵システムは、日本の公共施設向け案件とドイツのピークカット、ピークシフト用途による導入が大半を占める。

日本ではグリーンニューディール基金の開始によって、公共施設を中心に太陽光発電システムとあわせた導入が増加した。補助金の縮小や廃止により需要は一時的な縮小が予想されるが、中長期的には電池価格の下落に伴い需要が喚起されるとみられる。海外ではドイツを中心に、長期的には市場環境がドイツと似ているオーストラリアや、スマートシティ事業の進展が想定される中国での拡大が期待される。

採用される二次電池については、現状鉛電池とリチウムイオン電池が主流である。今後はリチウムイオン電池の採用が中心になるものの、鉛電池、レドックスフロー電池、ゼブラ電池、ニッケル水素電池など、多様な電池の採用も予想され、市場は2025年に1,000億円を突破すると予測される。

■大規模貯蔵(系統設置)
大規模貯蔵システムは、実証案件による導入が大半を占め、市場は大型案件の有無に左右される。なお、再生可能エネルギーの系統安定化を目的とする電力貯蔵システムでは、システム規模が大きく、出力変動が激しいことから系統への影響が大きい風力発電システム向けの導入が先行している。

採用される二次電池については、アメリカや中国でリチウムイオン電池による実証が盛んに行われていることから、リチウムイオン電池の比率が高くなっている。また海外においてはレドックスフロー電池やゼブラ電池による実証も多い。

今後は各電池の特性に基づき、短時間の出力調整を行う出力平滑化用途と長時間にわたる出力調整を行う出力平準化用途で使い分けが進み、出力平滑化にはリチウムイオン電池とニッケル水素電池、出力平準化には鉛電池、NAS電池、レドックスフロー電池、ゼブラ電池の採用が予想される。

次回はアイドリングストップ自動車/マイクロハイブリッド自動車向け二次電池とマイクロ電気自動車向け二次電池の2製品を取り上げる。

参考文献:「エネルギー・大型二次電池・材料の将来展望 2014」
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