高機能添加剤、ハイブリッドマテリアルの世界 市場動向2

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前回は添加剤/高機能性付与剤を中心に市場を俯瞰したが、今回はハイブリットマテリアルについて俯瞰してゆく。下記の数値はハイブリット製品16品目の合算により算出した市場規模数値である。

■ハイブリッドマテリアルの世界市場規模推移予測
(単位:百万円)※前回数表の再掲
分野2013年(実績)2017年(予測)‘13年比対象品目
ハイブリッド応用509,828646,110126.7%長繊維コンパウンド、CFRTP、C/Cコンポジット、ハイブリッドハードコート、遮熱塗料、放熱エンプラコンパウンド、ガラス中間膜、ハイブリッド透明導電性フィルム、導電ゴム、燃料電池用触媒、磁性材料(希土類、ハイブリッド)、屈折率制御層材料、高屈折コート剤・粘着剤・接着剤、防汚コーティング剤
富士キメラ総研調べ

ハイブリッドマテリアルを、目的別に機械強度改善、熱的改善、電気的改善、光学的改善、その他特性付与に分類すると以下の通りに整理される。これらの市場などを整理した。

機械強度改善長繊維コンパウンド、低燃費タイヤ、CFRTP、C/Cコンポジット、ハイブリッドハードコート
熱的改善遮熱塗料*、放熱エンプラコンパウンド、ガラス中間膜
電気的改善ハイブリッド透明導電性フィルム、導電ゴム、燃料電池用触媒、磁性材料(希土類、ハイブリッド)、LiB用固体電解質、LiB用ハイブリッド負極材料(合金系含む)
光学的改善屈折率制御層材料、高屈折コート剤・粘着剤・接着剤
その他特性付与防汚コーティング剤、ハイバリアフィルム、熱電変換材料、放射性物質吸着材料、防水・防湿コーティング剤
機械強度改善領域では、自動車、航空機、電子機器などの各種部品における軽量性や成形性などのニーズにより、金属から樹脂への切り替えが進んでおり、長繊維コンパウンドやCFRTPの需要が増加している。長繊維コンパウンドは、主に自動車部材において耐衝撃性の観点から採用が広がっている。CFRTPは耐摩擦性や電気導電性を活かし、電子機器のギアや軸受といった摺動部品での需要が拡大している。今後は航空機や自動車などの高強度・軽量化部品として市場拡大が期待される。

熱的改善領域では、ガラス中間膜が、遮音に加えて自動車の遮熱ニーズを受け、フロントガラスなどで高級車を中心に採用の拡大が期待される。また、遮熱塗料は、自動車や住宅・ビルなどで夏期の省エネルギー化を目的に遮熱や放熱制御でニーズが高まっており、需要の広がりが予想される。

電気的改善領域では、燃料電池車や家庭用燃料電池の市場拡大に伴い、燃料電池用触媒の需要が大幅に増加するとみられ、2013年から2017年の年平均成長率は30%を超えると予測される。ハイブリッド透明導電性フィルムは、2013年時点の市場は小さく、ITOや銀・銅メッシュを利用した透明導電性フィルムの方が主流である。しかし、CNTやグラフェン、導電性高分子を応用または複合化することで、低コストでフレキシブル性を持った製品の展開が可能なことから、新規需要、例えばフレキシブルディスプレイ市場の本格化に伴う市場の拡大が期待される。

光学的改善領域では、ITOフィルムの光学調整層で使用される屈折率制御層材料が、ITOフィルムの市場拡大に伴い、需要が増加するとみられる。

その他特性付与領域では、ハイバリアフィルムがフレキシブル化やガラス代替のニーズを受けて、フレキシブル太陽電池の市場拡大、またフレキシブルOLEDパネルなどへの採用による需要の増加が期待される。熱電変換材料は、市場が立ち上がったばかりであるが、今後は工場やプラントなどの排熱を利用した排熱発電、将来的には自動車における排熱発電用途などでの採用も期待される。

次に高機能付与剤で注目成長製品とされるグラフェンの市場を見てみよう。

■グラフェンの市場規模推移予測
2013年(実績)2017年予測2013年比
1億円75億円75倍
※グラフェンインクベース富士キメラ総研調べ

グラフェンは炭素からなる同素体の一種でもあり、非常に薄い層で構成されている。グラフェンの応用アプリケーションとして、透明導電性フィルムやリチウムイオン二次電池部材、キャパシターや色素増感型太陽電池の電極、最終的にはトランジスタへの応用も期待される。

2013年時点では本格的な採用事例は少なく、研究開発中の事案が多いため、市場は1億円にとどまっている。塗料や潤滑油、包装用フィルムなどへの展開から本格的に市場は立ち上がるとみられ、その後ゴムや樹脂成形品関連で強度を要求するアプリケーションを対象に需要が増加すると考えられる。

2014年以降に、塗料やコンパウンド用の添加剤、フレキシブルデバイス用途の電極材料として市場は急拡大するとみられる。将来的には、プリンテッドエレクトロニクス用途の電極材料での採用も想定され、アプリケーションの広がりにより、2017年の市場は75億円が予測される。

参考文献:「2014年 高機能添加剤・ハイブリッドマテリアルの将来展望」
(2014年06月06日:富士キメラ総研)


2015年 エンプラ市場の展望とグローバル戦略 EnplaNet Books


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