リチウムイオン二次電池材料の世界市場 市場動向1

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今回はリチウムイオン電池材料の世界市場動向をみてみる。その前提として、一次電池/二次電池全般の材料市場を俯瞰したのが会の数値である。

■二次電池、一次電池材料の世界市場
 2013年(実績)2018年(予測)2013年比
二次電池材料6,651億円1兆294億円154.8%
一次電池材料1,119億円1,128億円100.8%
合計7,770億円1兆1,422億円147.0%
富士経済調べ

一次電池は大幅な市場拡大はみられず、材料単価の下落により材料市場は微減となっている。中期的には成熟市場とされ、ほぼ横ばいで推移すると予想される。

二次電池は数量ベースでは拡大傾向だが、車載用電池での強いコストダウン要求や車載用途をターゲットとして大型の設備投資をしたものの、当初の想定需要を下回ったことによる工場稼働率の低さ、東日本大震災によるサプライチェーンの混乱で海外製材料の使用への抵抗がなくなったことなどが要因となり、二次電池材料市場自体は数量ベースで大幅に拡大したものの、金額ベースでは数量ベースほどの拡大とはならなかった。

二次電池材料の本格的市場形成は期待よりもスロー気味ではあるものの、自動車メーカーのEV市場投入が計画通り進めば、二次電池材料市場も牽引される形で市場拡大が予想される。

※上記数値の対象とした品目は下記のとおりである。
二次電池材料アルカリ二次電池正極活物質(水酸化ニッケル、硝酸ニッケル)、水素吸蔵合金、アルカリ二次電池セパレータ、アルカリ二次電池集電体(パンチングメタル、発泡ニッケル)
  リチウムイオン二次電池用正極活物質、負極活物質、電解液、セパレータ、正極バインダ、負極バインダ、正極集電体、負極集電体、金属外装缶用ニッケルメッキ鋼板※、ケース用アルミ板、ラミネート外装材(アルミ箔・SUS箔)※
※その他電池向け含む
一次電池材料電解二酸化マンガン、亜鉛粉、金属リチウム箔、アルカリマンガン乾電池用セパレータ

■リチウムイオン二次電池の材料動向
※リチウムイオン二次電池材料の世界市場
2013年実績2018年予測2013年比
5,670億円9,285億円163.8%
富士経済調べ

二次電池材料市場の約85%をリチウムイオン電池が占めており、二次電池市場はリチウムイオン電池の市場変遷といえる。現在の市場はスマートフォンやタブレット端末の登場により、高容量のリチウムイオン二次電池が主力となっているが、電池の大容量化には、「活物質の使用量を増やす」、「容量の大きい活物質材料を使用する」、「充電電圧を高電圧化して活物質の利用深度を高める」といった方法がとられている。

電池の大容量化を可能とするハイエンド材料では、中国メーカーや韓国メーカーの追随が著しいものの、日本メーカーの優位性はまだ高い。一方、ミドルレンジ・ローエンド材料は中国メーカーや韓国メーカーが強い。

特に、日本電池メーカーの生産拠点の中国シフトや韓国電池メーカーの実績拡大を受けて中国メーカーの成長が著しい。技術的にも日本メーカーや韓国メーカーに引けをとらないレベルのメーカーもあり、ミドルレンジ・ローエンド材料ではコストと性能のバランスの面で中国メーカーに太刀打ちできないことも多い。

市場のボリュームゾーンを押さえ生産量の拡大が続く中国メーカーや韓国メーカー、ハイエンド材料を開発し続けることで両者の追随をかわす日本メーカーといった構図となっている。

参考文献:「2014 電池関連市場実態総調査 下巻」
(2014年06月12日:富士経済)

2015年 エンプラ市場の展望とグローバル戦略 EnplaNet Books


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