高機能分離膜・フィルター市場 市場動向2

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高機能分離膜及びフィルター製品市場の動向、第二回目は注目されている分離膜/フィルター製品を取り上げてみる。

1.水処理用膜(MF/UF膜、RO/NF膜、MBR)
2013年度実績2020年度予測2013年度比
728億円1,264億円173.6%
※国内市場+日系メーカーの海外売上富士経済調べ

国内向けはリプレイス需要中心である。MF/UF膜の国内市場は大型案件が少なく、1件あたりの膜納入本数が数十本クラスの案件がみられる程度である。海外売上は北米が中心であるが、中東や中国の需要が拡大している。RO/NF膜の国内市場は超純水製造、工業用脱塩用や排水処理用などの安定した需要もあるが、電子産業の縮小や生産拠点の海外移転もあり、大きな市場を形成するには至っていない。海外売上は、北米が中心ではあったが、中国や中東の比率が高まっており、今後も伸びていくと予測される。MBRの国内市場は下水処理場向けで拡大が期待されていたが、実際は採用が進んでおらず、横ばいである。海外売上は北米が中心であったが、近年は中国や韓国、中東が伸びている。

※参考:世界市場
2013年度実績2020年度予測2013年度比
1,735億円2,883億円166.2%
富士経済調べ

MF/UF膜は北米が最大市場であるが、官需が財政難から減少している。中東では、RO膜の前処理用で海水淡水化プラント需要が拡大している。RO/NF膜は2011年から2012年にかけ伸びが鈍化したが、2013年は中国の工業用脱塩用で市場が拡大した。中国では、経済成長率の鈍化がみられるものの、2014年にかけても工場向けでRO膜市場が拡大すると思われる。MBRは安価な膜モジュールを供給する中国企業の台頭もあり、単価が年々下落している。排水規制の強化が進む中国、水不足が深刻な中東、環境規制が厳しい欧州で市場の拡大が期待されるほか、現在は財政難から公共投資が低迷している米国の経済情勢が好転することにより、市場の拡大が予想される。

2.DPF
2013年度実績2020年度予測2013年度比
1,126億円1,410億円125.2%
※国内市場+日系メーカーの海外売上富士経済調べ

DPFはディーゼルエンジンを搭載した乗用車やトラック、バス、建設機械、農業機械などのマフラーに装着し、これまで大気中に放出されていた排ガスのクリーン化を促し、大気汚染防止に貢献するフィルターとして注目されている。フィルター素材では、炭化ケイ素とコージェライトが主に用いられおり、窒化ケイ素を用いたDPFの開発が進められているほか、最近ではチタン酸アルミニウム製DPFの本格販売が予定されるなど、素材が多様化している。

当該市場は新車販売台数に占めるディーゼル車の割合が約5割と高い欧州が中心となっている。ディーゼルエンジンはガソリンエンジンと比べ、燃費性能が約20~30%向上するため、環境意識の高い欧州では、ディーゼル車の需要が非常に高い。日本では、従来ディーゼル車は騒音や排気ガス等の観点から、マイナスイメージが強かったが、マツダ、三菱自動車、日産自動車などがディーゼル車を積極的に投入しており、中長期的に国内市場も緩やかに増加すると予測される。

今後は、各国の排ガス規制の拡大が需要の増加に結び付くとみられる。欧州では2014年から従来よりも規制を引き上げた「ユーロ6」が施行される。また、中国では2013年に「ユーロ4」相当の「国-4」が、米国では2007年に施行された「Tier2/Bin5」が、2017年に「Tier3」への引き上げが予定されており、需要拡大要因となっている。

3.食品・医薬プロセス用膜(MF、UF、NF膜モジュール)
2013年度実績2020年度予測2013年度比
47億円61億円129.8%
※国内市場+日系メーカーの海外売上富士経済調べ

食品製造プロセス向けでは醤油や酢などの醸造食品、清酒やビール製造プロセスでの除菌や清澄化でMF/UF膜が採用される。ビール製造や酢の生産プロセスで「珪藻土ろ過システム」から「膜ろ過システム」への置き換えや、醤油の生産プロセス向けでの新規需要もみられる。

医薬分野では、酵素や抗生物質の濃縮・精製、無菌水、パイロジェンフリー水の精製などで膜処理プロセスが導入されており、国内製薬会社の工場新設による新規需要が継続的にみられる。医療分野では、透析治療装置向けの小型膜の市場も拡大している。

今後は、醸造食品や清酒・ビールの製造プロセス向けでリプレイスを中心に市場が形成されていくほか、バイオ技術を活用した食品製造プロセス、医薬品製造プロセス向けでの需要拡大によって、年率4~5%の成長が予測される。

参考文献:「高機能分離膜/フィルター関連技術・市場の全貌と将来予測 2014」
(2014年07月24日:富士経済)


注目業界の市場動向・将来展望


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