社会インフラ施設/産業用機器の保全マネジメント市場 国内市場動向2

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保全マネジメント市場の動向の第2回目は、注目される市場領域について解説する。

■橋梁の保全マネジメント関連市場
 2013年実績2030年予測2013年比
常時監視1億円694億円694.0倍
定期点検850億円850億円100.0%
合計851億円1,544億円181.4%
富士経済調べ

橋梁の保全マネジメント関連市場は、2013年に前年比50.4%増の851億円となった。現状ではマンパワーによる「定期点検」が中心で、センサによる「常時監視」は少ない。しかし、今後は老朽橋の増加やベテラン点検技術者の減少などにより、センサを活用した常時監視が普及するとみられる。

常時監視には長大橋で採用される大規模タイプと、設置センサ数やデータサンプリング数の少ない小規模タイプがある。大規模タイプは点検個所の多い長大橋、崩落の危険が高い橋梁、交通量の多い橋梁等が対象となり、納入範囲が限定され、2013年時点で国内の約20箇所で採用されている。

国土交通省は、2013年から「社会インフラのモニタリング技術活用推進検討委員会」を設置し、老朽インフラ保全に活用できるセンサ・通信技術の検討を始めている。その実証研究を通じ最適なモニタリング技術が選定される模様で、2020年以降には常時監視設置橋梁の範囲が拡大するとみられる。

小規模タイプは、研究目的の需要が主であり実績は僅少であるものの、大規模タイプに比べ低コストなため、都道府県や市町村での採用も期待され、中長期的には市場拡大が期待される。尚、橋長15m以上で建設後50年を経過する老朽橋は、2030年に8万箇所を超えるとみられる。

定期点検は、近年インフラ老朽化への対策が注目され、予算支援も拡大したことで都道府県・市町村からの発注が増加し、2013年の市場は前年比50.4%増の850億円となった。損傷の大きな橋梁については、対策をとるまでは2年以内の再点検が義務付けられたため、短期的には需要の増加が期待される。ただし、中長期的には補修工事の進行により点検頻度は逓減し、かつ、常時監視システムの普及も進むとみられ、2030年も2013年とほぼ同等の850億円規模と予測される。

■EV充電スタンドの保全マネジメント関連市場
 2013年実績2030年予測2013年比
常時監視1億円24億円24.0倍
定期点検7億円60億円8.6倍
合計8億円84億円10.5倍
富士経済調べ

2013年の市場は8億円とまだ小規模であるが、自動車メーカーによる共同支援の動きもあり、今後はEV充電スタンドの整備が進むとみられる。それに伴い、保全マネジメント関連市場の拡大が予測される。

常時監視は、普通充電器、急速充電器を含めた充電器の稼働状況を把握するサービスである。現状は充電器設置台数が少ないため市場は小さいが、今後は設置増加に伴い、管理業務の効率化を目的に需要の拡大が想定される。充電スタンドメーカーに加えて、大手通信系システムインテグレータも参入しており、システム販売や複数のサービスメニュー、課金システムを含む充電管理を目的としたシステム開発など、多様な提案を行っている。今後は故障情報や稼動情報などのオンライン化による予防保全の進展と共に市場は拡大するとみられ、2030年は24億円が予測される。

当該分野では、マンパワーによる定期点検サービスが主体である。常時監視システムは利用者への各種サービス拡充や充電器本体の故障状況把握やメンテナンス対応の迅速化が図れ、保守事業者の業務負担の軽減が可能となるため、今後は常時監視の需要が高まるとみられるものの、ケーブルなどの部品交換の必要性もあり、マンパワーによる予防保全も増加するとみられる。

参考文献:「インフラ・設備機器保全マネジメント関連市場の現状と将来展望 2014」
(2014年07月24日:富士経済)

注目業界の市場動向・将来展望


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