エンプラ&バイオ樹脂の世界市場 市場動向1

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エンジニアリングプラスチックス(エンプラ)は、その優れた耐熱性、機械的強度から、自動車部品や電気・電子部品、産業機械部品等の工業用部品として広く用いられてきた。以前からエンプラの需要は日米欧から中国へと徐々に移行しており、需要拡大が続く中国では地理的有利性を活かして、汎用エンプラを中心に参入企業が増加している。

しかし、近年では中国における人件費の高騰や政治的なリスク回避を目的として、自動車産業を中心に東南アジア、中南米、東欧へと生産をシフトする動きがあり、エンプラを取り巻く環境にも変化が生じている。

■エンプラの世界市場規模推移
 2013年実績2018年予測2013年比
汎用エンプラ数量797万トン946万トン118.7%
金額3兆3,508億円3兆9,417億円117.6%
スーパーエンプラ数量55万トン67万トン121.8%
金額8,429億円1兆120億円120.1%
合計数量852万トン1,013万トン118.9%
金額4兆1,937億円4兆9,538億円118.1%
※四捨五入して万トン、億円単位にしているため必ずしも合計と一致しない。富士経済調べ

汎用エンプラは、中国や東南アジアなど新興国の需要、自動車生産台数の増加などにより拡大している。地域別には中国が3割、北米と欧州がそれぞれ2割を占める(2013年数量ベース)。中国は電気・電子分野の生産拠点が集中し、自動車も世界最大の生産国であることから構成比が高い。

日本と中国を除いたその他アジアの比率は1割強にとどまるが、韓国やタイ、インドネシアなどで自動車生産が拡大し、また東南アジアでは自動車や電気・電子分野のみならず建築分野や日用品などでも需要が拡大している。

なお、北米と欧州は自動車の生産台数が多いことから、使用される汎用エンプラも自動車での需要が中心であるPA(ポリアミド)の割合が高い。

需要拡大を続けている中で、製品によっては供給超過による需給バランスが崩れ、価格競争が激しくなっているものもある。特に、年間需要が300万トン超のPC(ポリカーボネート)は、相次ぐプラントの新増設により生産能力は500万トンにも達している。今後は老朽化プラントの閉鎖などにより生産拠点が集約される見通しがあるため需給ギャップは年々狭まるとみられるが、需要が伸びている中国を中心に新たな設備新設の計画もあり、2018年時点でも100万トン程度の需給ギャップが残ると予想される。

また、年間需要が100万トンに迫るPOM(ポリアセタール)やPBT(ポリブチレンテレフタレート)は、大手メーカーによるプラントの新増設や中国、台湾、韓国などの新興メーカーの台頭により需給バランスが崩れつつある。特に、新興メーカーのプラント稼働率は現状では低く、稼働率改善に向け拡販を進めることで価格競争が、より激化するとみられる。

年間需要が100万トン超のPA6、PA66は自動車部品やフィルムでの堅調な需要があるが、2015年以降大手メーカーによる大型プラントの新増設計画が相次いでおり、今後の需給バランスの崩れが懸念される。

2018年に汎用エンプラ全体の市場は数量ベースで1,000万トン、金額ベースで4兆円に近付くと予測されるが、価格競争が激しくなることで、金額ベースの伸びは数量ベースを下回るとみられる。

スーパーエンプラは、自動車や電気・電子分野などでの金属代替を主体に市場開拓が図られており、2018年には1兆円を突破すると予測される。自動車分野では電装部品の増加や、HVやEVの車体軽量化ニーズの高まりにより、採用拡大が予想される。

参考文献:「2015年 エンプラ市場の展望とグローバル戦略」
(2014年09月25日:富士経済)

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