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バイオマス樹脂(バイオPET、バイオPE)は、植物由来原料を使用しながら、石油由来原料の樹脂と同等の物性を有するものである。日常生活の中で消費者の目につきやすい飲料、食品、化粧品、日用品などの容器や包装用途で大手企業が環境配慮のアピールを目的に採用を進めている。また、自動車でもHVやEVなどの内装材として採用されている。
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バイオPET(ポリエチレンテレフタレート)は、飲料メーカーがPETボトルのバイオマス化を進めており、市場が拡大している。2018年にはバイオ樹脂市場の6割を占めると予想される(数量ベース)。
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バイオPE(ポリエチレン)は、石油由来のPEが安価な汎用プラスチックの代表格であることから、価格を同等に下げるか、価格差を補う石油由来PE以上の物性という付加価値が求められつつある。
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生分解性樹脂(PLA、PB、PGA)は、コンポストバッグや農業用マルチフィルム、容器やフィルムでの採用が多い。
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最も主流であるPLA(ポリ乳酸)は、食品容器や包装フィルムに加え、衣料やタオルなど繊維用途でも採用されており、2018年にはバイオ樹脂市場の2割弱を占めると予想される(数量ベース)。新たな用途として、北米ではシェールガス・オイル掘削機械部品で採用されている。また、成形時に発生する臭いや、成形品の反りの少なさから3Dプリンタ用樹脂としても期待される。
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中国や東南アジア、インド、南米など新興国では環境汚染が深刻さを増していることから、メーカーも積極的に市場開拓を行っており、長期的にはこれらの新興国で需要が拡大するとみられる。
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PLAと比較して市場は小さいが、同じ生分解性樹脂としてPBS(ポリブチレンサクシネート)とPGA(ポリグリコール酸)がある。PBSはPLAと同様容器やフィルムなどで採用される。PBSはPLAと比較し耐熱性、強度、成形性に優れているが、生分解速度と価格はPLAに劣るため、互いの弱点を補う形で混合して使用されることもある。PGAは、耐摩耗性、弾性率、引っ張り強さなどの機械的特性、ガスバリア性などに優れており、シェールガス・オイル掘削機械部品(ドリル、目止め材など)で採用されている。
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