耐熱、光学・透明ポリマーの世界市場 市場動向3
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本レポートは、引用調査資料で抽出したコンパウンド市場を記載する。対象とされる特殊コンパウンド市場は、「導電・帯電防止」「摺動性改善」「電磁波シールド」「耐熱強化」「放熱」「誘電率制御」などの機能付与を中心としたコンパウンドを対象に抽出している。一般的なガラス強化コンパウンドや着色コンパウンド、アロイは対象外である。
■特殊コンパウンドの市場動向(2014年)
グレード
市場規模 t
%
市場動向
導電・帯電防止
77,040
72.3
ICトレーや自動車部品を中心に市場を形成。
摺動性改善
8,600
8.1
ギアやベアリングなど摺動部品には欠かせない。
電磁波シールド
2,000
1.9
製品の小型化による故障を防止するため、今後もニーズの増加が見込まれる。
耐熱強化
500
0.5
コネクターやソケットなどで耐熱向上ニーズが増加。
放熱
120
0.1
LED向けやプリンター、センサー関連で拡大基調。
誘電率制御
450
0.4
小型化・受信精度向上で、GPSや無線LANで採用。
その他
17,900
16.8
合計
106,610
100.0
※引用調査資料にて抽出されたコンパウンドレベルの世界市場
富士キメラ総研推定
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導電・帯電防止向けのコンパウンドが中心である。近年、電磁波シールド、耐熱強化、誘電率制御の活用が見られる。下記は、各グレートの利用品目を示した。
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導電・帯電防止グレードは、汎用樹脂で多く利用されているが、エンプラ周辺では欧米で自動車向けに利用されている変性PPEの数量が多い。その他の樹脂は、脂肪族PA,PET,透明ABS等である。
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摺動性グレードは、ギアや軸受け、シールリングなど自動車や産業機械部品向けの樹脂コンパウンドとして利用されている。その他は、耐熱樹脂であるPA系やPEEKなどの需要が拡大している。
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金属代替により樹脂筐体に電磁波シールドを持たせるニーズに対応し、PCが利用されている。カメラ、医療機器、ATM等で採用されている。近年、LCPも自動車用通信モジュール向けに利用されている(僅少)。
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PEIは、170℃~200℃強の耐熱領域を有することから、コネクターやソケットに利用されている。脂肪族PA、透明ABS,変性PPEも一部で利用がみられる(僅少)。
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放熱樹脂としてLCPやPCが利用されている。用途は、LED、プリター、センサー、プロジェクターの部品である。別途脂肪族PAやPPSの利用もみられる。
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GPSや無線LANの部品では、誘電率制御樹脂としてLCPが利用されている(400t規模)。その他の機械物性強化グレードでは、PPSが主体である。電装品を中心に活用されている。
※
上記の略語
変性PPE:変性ポリフェニレンエーテル、PC:ポリカーボネート、PPS:ポリフェニレンサルファイド、PEI:ポリエーテルイミド、LCP:液晶ポリマー、PA:ポリアミド、PET:ポリエチレンテレフタレート、PEEK:ポリエーテルエーテルケトン
参考文献:「2015年 耐熱・光学ポリマー市場の現状と将来展望」
(2015年08月25日:富士キメラ総研)
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