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今後4K、8Kの高精細動画像の開発により注目される市場を解説する。
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■放送局/プロダクション関連の世界市場 |
| 2015年 | 2025年予測 | 2015年比 |
業務用ビデオカメラ | 1,518億円 | 1,526億円 | 100.5% |
| 4K以上 | 371億円 (24.4%) | 1,344億円 (88.1%) | 3.6倍 |
放送局用モニター | 455億円 | 570億円 | 125.3% |
| 4K以上 | 10億円 (2.2%) | 500億円 (87.7%) | 50.0倍 |
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世界市場では、業務用ビデオカメラや周辺機器を含め4K化が進んでおり、さらに4Kパネルの低価格化により、2017年以降は4Kモニターが増加するとみられる。また、日本や韓国など8K実用放送開始を背景に、マスターモニターを中心に4Kから8Kへシフトが進むと予想される。
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国内市場でも4K化が進み、8K実用放送開始とともに8Kへのシフトも進むとみられる。業務用ビデオカメラは、「東京五輪」開催を背景に、4K対応機器の需要増加と2017年以降のリプレース需要により市場拡大が予想される。
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■医療関連の世界市場 |
| 2015年 | 2025年予測 | 2015年比 |
医療用ディスプレイ | 929億円 | 1,226億円 | 132.0% |
| 4K以上 | 4億円 (1.2%) | 43億円 (3.5%) | 17.8倍 |
手術用顕微鏡システム | 440億円 | 800億円 | 181.8% |
| 4K以上 | ― | 256億円 (32.0%) | ― |
外科内視鏡 | 4,180億円 | 7,593億円 | 181.7% |
| 4K以上 | 僅少 | 1,710億円 (22.5%) | ― |
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世界市場では、医療用ディスプレイの4K・8K需要の中心は日本、北米、欧州、韓国などとみられる。手術用顕微鏡システムでは、4Kや3Dを活用した機器の需要が日本、北米、欧州などの先進国が中心で、日本や北米では、今後4K・3Dを活用した手術に用いられるとみられる。4K機器は先進国に浸透後、アジアやその他地域でも導入が進むと予測される。
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国内市場では、4K・8K対応カメラ/ディスプレイは、肉眼視では困難な極細の縫糸や血管を見ることが可能なため、効率的な手術が期待できる。手術用顕微鏡システムは、眼科や外科で需要がある。コンバーターやディスプレイ、レコーダーなどの周辺機器の製品化が遅れているため、4K・8K対応機器普及のためには、各種規格の標準化が求められる。また、4K・8K対応機器のユーザーはまずは大学病院など大規模医療施設が中心となるため、市場は徐々に拡大していくと予想される。
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■デジタルシネマの国内市場
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| 2015年 | 2025年予測 | 2015年比 |
映画用スクリーン数 | 3,437 | 3,600 | 104.7% |
| 4K以上 | 1,100 (32.0%) | 3,300 (91.7%) | 3倍 |
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2015年末の全国映画用スクリーン数は3,437スクリーンであり、うち97.5%の3,351スクリーンがデジタル化されている。4Kデジタルシネマプロジェクターが導入されているスクリーンは1,100スクリーンとみられる。ただし現状上映される作品は、4K作品が月間1~2タイトルと少ない。導入されている投影機は、2007年より4Kプロジェクターを展開してきたソニーのLCOS(SXRD)方式がほとんどであり、DLP方式は数十台規模の導入にとどまっている。
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4Kプロジェクターは、リプレースが加速する2017年以降となるほか、映画館/シネコンのスクリーンサイズでは、人間の視覚として既存2Kと4Kの画質面の差が認識しづらいうえ、高コストになる点がDLP方式の4Kモデルの導入の阻害要因となっている。
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参考文献:「4K・8Kビジネス/市場の全貌 2016」 (2016年02月25日:富士キメラ総研)
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