■快適技術対象製品
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分野 | 対象品目 |
表示技術 | LCD、フレキシブルディスプレイ |
HUD(ヘッドアップディスプレイ) | 光源タイプ、自発光タイプ |
次世代カーナビゲーションシステム | IVIシステム、スマートフォン連携システム |
夜間視野支援システム | ヘッドランプシステム、ナイトビジョン |
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■表示技術の需要予測(数量ベース)
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| 2015年 | 搭載率 | 2020年予測 | 搭載率 | 2030年予測 | 搭載率 |
W/W 新車販売台数 | 8,672万台 | 100.0% | 9,945万台 | 100.0% | 1億3,982万台 | 100.0% |
LCD | 6,494万台 | 74.9% | 8,094万台 | 81.4% | 1億2,952万台 | 92.6% |
フレキシブルディスプレイ | ― | ― | △ | △ | 59万台 | 0.4% |
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LCD | アクティブマトリクスLCDであるTFTを対象とする。 |
フレキシブルディスプレイ | AMOLED(アクティブ型有機ELディスプレイ)を採用するディスプレイを対象とする。 |
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LCDは世界的に車両1台当たり搭載枚数が増加しており、特にハイエンド車種ではコックピットにおいてメーターのTFT化やMIDの搭載、LCD利用HUDやCIDの採用が進んでいる。欧米ハイエンド車種では液晶メーターとCIDを横に並列配置するコックピットデザインの採用が拡大しており、今後大衆車グレードへ広がる見込みである。また、1枚当たりの大画面化が進んでいる。
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フレキシブルディスプレイは2020年頃から採用が進むとみられ、Aピラーや搭載面積が大きいセンタークラスター、助手席側インパネなどの曲面部への採用が期待される。しかし助手席側インパネやAピラーは、エアバッグを内蔵するケースが多いため、エアバッグの配置場所を変えない限りそれらの箇所で採用されることはないとみられる。
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■HUD(ヘッドアップディスプレイ)の需要予測(数量ベース)
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| 2015年 | 搭載率 | 2020年予測 | 搭載率 | 2030年予測 | 搭載率 |
W/W 新車販売台数 | 8,672万台 | 100.0% | 9,945万台 | 100.0% | 1億3,982万台 | 100.0% | 光源タイプ | 139万台 | 1.6% | 571万台 | 5.7% | 1,472万台 | 10.5% |
自発光タイプ | 44万台 | 0.5% | 112万台 | 1.1% | 172万台 | 1.2% |
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光源タイプ | LED、レーザーなどの光源で照射。 |
自発光タイプ | VFD(蛍光表示管)で照射。 |
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光源タイプは、2015年から2018年にかけてTFTを用いるウィンドシールド方式が主流になると予測されるが、HUDの大画面化ニーズが先進国市場を中心に大きくなる中でTFTを用いる製品では大画面化に限界がある。そのため2018年頃からDMDやレーザーを用いる製品が上市されていくとみられ、特に2020年代には大画面化とユニットサイズの省スペース性に優れるレーザーを用いるタイプが主流になると予測される。
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自発光タイプはVFDを使用するコンバイナー方式HUDが主流であり、ユニットサイズの省スペース性と低価格を特長とする。しかし表示色がモノカラーであるためターンバイターン方式での経路案内や速度情報など表示内容が簡略なものに限られる。
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■次世代カーナビゲーションシステムの需要予測(数量ベース)
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| 2015年 | 搭載率 | 2020年予測 | 搭載率 | 2030年予測 | 搭載率 |
W/W 新車販売台数 | 8,672万台 | 100.0% | 9,945万台 | 100.0% | 1億3,982万台 | 100.0% | IVIシステム | 289万台 | 3.3% | 828万台 | 8.3% | 1,812万台 | 13.0% |
スマートフォン連携システム | 243万台 | 2.8% | 2,515万台 | 25.3% | 7,450万台 | 53.3% |
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IVIシステム | ナビ機能を有し、メーターやHUDなどと連携するシステム。 |
スマートフォン連携システム | ディスプレイオーディオなどとスマートフォンとの連携ナビゲーション。 |
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IVIシステムは日系自動車メーカー、欧州自動車メーカーの高級車への搭載が現在多くなっている。ADAS機能が自動車に搭載されていく中で、IVIのディスプレイにADAS情報を映すニーズが高まり、長期的に需要は拡大していくと推測される。
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スマートフォン連携システムは2012年からサービスを開始しており、現状では市場は小さいものの、低価格車を中心に需要が拡大している。また、ディスプレイオーディオが搭載されている自動車は日本では少ないものの、欧米や中国では非常に多く、今後はディスプレイオーディオとスマートフォンを連携させるシステムの需要が急激に高まると推測される。その一方でスマートフォン連携システムよりもさらに低価格でナビ機能を実現させる、スマートフォンやタブレット単体をカーナビとして使用するユーザーも増加傾向となっており、スマートフォン連携システムの競合となる。
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■夜間視野支援システムの需要予測(数量ベース)
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| 2015年 | 搭載率 | 2020年予測 | 搭載率 | 2030年予測 | 搭載率 |
W/W 新車販売台数 | 8,672万台 | 100.0% | 9,945万台 | 100.0% | 1億3,982万台 | 100.0% | ヘッドランプシステム | 526万台 | 6.1% | 1,313万台 | 13.2% | 4,583万台 | 32.8% |
ナイトビジョン | 4万台 | △ | 25万台 | 0.3% | 113万台 | 0.8% |
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ヘッドランプシステム | AFCやADBなどの走行支援システムを有したヘッドランプモジュール |
ナイトビジョン | 夜間走行時に視認不可能な範囲まで検地するシステム |
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AFS:カーブ走行時、進行方向の視認性向上を図るために、ステアリング操舵方向に合わせて光軸を向ける機能。
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ADB:画像認識カメラシステムで対向車・先行車の存在・位置を検知し、ドライバーに眩惑を与えるヘッドランプの光を遮光・部分的に消光する機能。
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ヘッドランプシステムは2000年初期頃よりハイエンド車種を中心に搭載され、近年はミドルレンジ車種にも搭載が拡大している。現状のヘッドランプシステムは主にAFSが搭載されており、ハイエンドクラスの一部にADBも搭載が開始され始めている。夜間走行時の事故の多さから将来的には標準搭載の流れが強まるとみられる。
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ナイトビジョンはホンダが2004年に「レジェンド」に初搭載したがコストの高さなどを要因として現在は搭載されていない。現在は日系メーカーではトヨタ「Lexus LS」「クラウン」シリーズのオプション搭載のみである。欧州ではBMW、Audiに搭載されている。今後ナイトビジョンは赤外線カメラを別途搭載するため、通常のカメラとの併用が困難であることから搭載コストや設置工程が増加し、市場の拡大規模は小さいとみられる。また今後3Dレーダースキャナーなどの登場によりナイトビジョンと同じ目的で使用が可能になるため、3Dレーダースキャナーを使用した装置の採用が想定される。
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参考文献:「2016 光機能材料・製品市場の全貌」 (2016年03月30日:富士経済)
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