環境対応車用プラスチック&無機材料の世界市場 市場動向1

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現在の自動車業界は、環境対策から各国でPHV・EVの普及が進んでいる。燃費向上のため、電池や電気電子部品用の材料が拡大すると同時に、軽量化対策としてCFRPの本格展開やホットスタンプ鋼板の拡大、セルロースナノファイバーの開発等も加速している。材料同士の競合関係も激しさを増し、金属vs樹脂、ガラスvs樹脂、金属vsCFRPなど、樹脂以外の材料開発も活発に進められ、同じ部品に対しても様々な材料が候補となっており、コストや強度、加工性、調達信頼性、安定供給性、地域的徳性等の観点で厳しく選別されている。

今回は、環境対応車(HV・PHV・EV)対応のプラスチックや無機材料の世界市場を解説する。


■自動車生産量(台数)の世界市場予測
 2016年実績中期予測
2020年予測
2016年比長期予測
2025年
2016年比
自動車生産台数9,450万台
(100.0%)
1億845万台
(100.0%)
114.8%1億2,080万台
(100.0%)
127.8%
内燃車(FCV含む)9,181万台
(97.2%)
1億290万台
(94.9%)
112.1%1億1,012万台
(91.2%)
119.9%
PHV・HV228万台
(2.4%)
482万台
(4.4%)
2.1倍915万台
(7.6%)
4.0倍
EV41万台
(0.4%)
73万台
(0.7%)
178.0%153万台
(1.2%)
3.7倍
富士経済推定

■自動車一台当たりのプラスチック&無機材料主要五品目の使用量(2016年)
富士経済推定

内燃車を含む自動車向け平均と比較すると、PHV・HVは、汎用樹脂やエンプラ、スーパーエンプラ、熱硬化樹脂などの使用量が増加する。特にPPS、PA6(ポリアミド6)などの使用量が多くなる。EVは、リチウムイオン二次電池(Lib)の正極バインダなどに採用されるフッ素樹脂やPPS(ポリフェニレンサルファイド)などスーパーエンプラの使用量が多い。

■環境対応車用プラスチック&無機材料の世界市場予測
 PHV・HV用EV用
 2016年2020年予測2025年予測2016年2020年予測2025年予測
汎用樹脂190,845408,950786,68030,40555,035118,350
エンプラ84,190180,560340,98010,51419,09140,180
スーパーエンプラ10,10022,73444,4882,3334,9859,135
エラストマー13,12527,77552,7802,3454,2008,855
熱硬化性樹脂56,440120,930228,9909,36017,17036,170
合成ゴム223,500472,300896,10036,20064,100134,600
金属869,1001,918,6003,868,200154,500286,200638,800
単位:トン(t)富士経済推定

【汎用樹脂】
<対象品目:PP、ABS、PVC、PMMA>
PP(ポリプロピレン)はPHV・HVではバッテリー周辺や電気・電子部品での採用が増加しており、今後も生産台数と連動して市場は堅調に拡大していくとみられる。PVC(ポリ塩化ビニル)はEV、PHV・HV共にワイヤハーネスで需要が増加しており、特にEVでは一台あたりの使用量が増加している。

【エンプラ】
<対象品目:PC、POM、PBT、m-PPE、GF-PET、PA6、PA66>
PC(ポリカーボネート)は、EV、PHV・HV共にヘッドランプレンズ、光学部品などでの採用が中心であり、環境対応車の生産台数の拡大に伴い需要が増加していくとみられる。m-PPE(変性ポリフェニレンエーテル)はEVではLiBケースなどで採用され、内燃車よりも使用量が多い。PHV・HVではバッテリーケースやAC用ケーブルなどで採用されており、今後も市場は堅調に拡大していくとみられる。PA6、PA66(ポリアミド66)はPHV・HVではモーター周辺部品で採用が広がっている。

【スーパーエンプラ】
<対象品目:PA46、PA11・12、PA6T、PA9T、PPS、LCP、SPS、COP・COC、フッ素樹脂、PEEK>
スーパーエンプラでは近年、PA9T(ポリアミド9T)の需要が増加しており、エンジンルーム、電気・電子部品、燃料系部品での使用割合が高い。PPSはEVではモーター部材、PHV・HVではエンジンルームや電気・電子部品での採用が増え、堅調に拡大していくとみられる。フッ素樹脂はEVではLiBバインダで需要が、PHV・HVでは電気・電子部品や機構部品での採用が増加するため、伸長するとみられる。

【熱硬化性樹脂】
<対象品目:エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン、フェノール樹脂、不飽和プリエステル樹脂>
エポキシ樹脂はPHEV・HEVではインバータのコンデンサ封止材等で採用が拡大している。ポリウレタン樹脂はシートやクッション用の軟質フォーム等に採用され増加している。シリコーンはPHEV・HEVでパワーデバイスが多く搭載され接着剤や封止材として使用されている。フェノール樹脂もPHEV・HEVでは内燃車に比較してモーターや電装品が多くなる。不飽和ポリエステル樹脂はモーターコイル封止用で増加している。エポキシ樹脂は、EVのコンデンサ用の封止材向けの需要が伸びている。ポリウレタン樹脂はシートやクッション用の軟質フォームが主要用途でEV生産の増加に伴い需要が拡大する見通しである。シリコーンはEVのパワーデバイス向け需要が増加している。フェノール樹脂や不飽和ポリエステル樹脂はEVでエンジンルーム、燃料系部品がなくなるため、自動車一台当りの使用量は減少する。

【金属】
<対象品目:高張力鋼板、ホットスタンプ鋼板、アルミ合金>
PHV・HVではバッテリー補強等で高張力鋼板の使用量が増加する傾向にある。EVではエンジン部品でのアルミ合金の採用は無くなるが、軽量化のためボディパネル等他の部位での採用が増え自動車一台当りの使用量は内燃車とほぼ変わらない。自動車の燃費向上やCO2排出量削減のため、アルミ合金による軽量化が進められており、今後、アルミ合金の採用が増えていくとみられる。

参考文献:2017年 EV・HEV用プラスチック&無機材料の市場展望
(2017年03月01日:富士経済)


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